[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
バトルロワイアルぺティー
415
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/08/30(月) 22:03 ID:igZ3kd.k
海貴は絶えず腕を動かしていた。丈夫な縄は、確かにナイフでないと切れないものの、少しだけ緩くなり始めていた。
海貴はやっと、若干だが、体を動かせるようになった。座り位置を変えて、学ランの裾を上げた。
……やっと取れた!
海貴はそれをしっかりと持った。ニヤリと笑った。
聖子は不可思議な顔をした。
「何よ、あんたの顔、凄いことになってるっていうのに」
「俺の武器、何だか知ってる?」
「手榴弾でしょ。学ランの胸ポケットに入ってたから没収しといたよ」
「そう。でもね、もう一つ持ってるんだよね……」聖子は手を止めて、後ろを見た。
もう一つの手榴弾は、海貴の手に握られていた。
「……きゃああああああ!」
聖子は急いで部屋の中に入った。海貴の耳に、階段を降りていく音が聞こえた。
行ったみたいだな。海貴は自分の前に落ちているナイフを、足で引き寄せた。後方に蹴った。あとちょっと――
手を捻りそうなほど曲げた。
ガッ。やった! 刃をとった。
慎重に縄に刃を当てて、切る。
「くっ……」
太すぎてなかなか切れない。早くしないと、あいつが帰ってくるかもしれない。ギリギリと、何かを削るような音がした。もう少し――
――切れた。
「ちょっと、爆発しないじゃない!」
聖子が戻ってきた。手ぶらだった。
海貴の持っている物を見て、聖子は固まった。
「忘れ物だよ」海貴は言った。
イングラムを聖子に向けた。聖子の目が大きく見開かれた。
古びたタイプライターのような音が響いた。
衝撃が凄かった。小さい分、目的に狙いを定めるのが難しく、撃ちにくい。
それでも撃った。標的に向けて撃つ。
聖子は必死で逃げた。
「返してよ!」聖子は叫んだ。
海貴は短く息をついた。
手がびりびりする。頬の傷も、空気に触れる度に痛かった。
「それはあんたに使いこなせないよ。返して」
聖子は手を差し出して、前に進んだ。
「誰が返すか!」海貴は叫んだ。
また引き金を引いた。
タイプライターのような音と共に、聖子の体が吹っ飛んだ。
壁に打ち付けられて、聖子はずるずるとしりもちをついた。
「……返して」聖子は呟いた。
そうだ、こいつは防弾チョッキを着てるんだ。頭、頭を狙わないと――
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板