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バトルロワイアルぺティー

415ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/30(月) 22:03 ID:igZ3kd.k

 海貴は絶えず腕を動かしていた。丈夫な縄は、確かにナイフでないと切れないものの、少しだけ緩くなり始めていた。
海貴はやっと、若干だが、体を動かせるようになった。座り位置を変えて、学ランの裾を上げた。

……やっと取れた!

海貴はそれをしっかりと持った。ニヤリと笑った。


聖子は不可思議な顔をした。
「何よ、あんたの顔、凄いことになってるっていうのに」

「俺の武器、何だか知ってる?」
「手榴弾でしょ。学ランの胸ポケットに入ってたから没収しといたよ」
「そう。でもね、もう一つ持ってるんだよね……」聖子は手を止めて、後ろを見た。


もう一つの手榴弾は、海貴の手に握られていた。

「……きゃああああああ!」


聖子は急いで部屋の中に入った。海貴の耳に、階段を降りていく音が聞こえた。



行ったみたいだな。海貴は自分の前に落ちているナイフを、足で引き寄せた。後方に蹴った。あとちょっと――
手を捻りそうなほど曲げた。

ガッ。やった! 刃をとった。

慎重に縄に刃を当てて、切る。

「くっ……」

太すぎてなかなか切れない。早くしないと、あいつが帰ってくるかもしれない。ギリギリと、何かを削るような音がした。もう少し――
――切れた。


「ちょっと、爆発しないじゃない!」
聖子が戻ってきた。手ぶらだった。


海貴の持っている物を見て、聖子は固まった。

「忘れ物だよ」海貴は言った。

イングラムを聖子に向けた。聖子の目が大きく見開かれた。



古びたタイプライターのような音が響いた。

衝撃が凄かった。小さい分、目的に狙いを定めるのが難しく、撃ちにくい。

それでも撃った。標的に向けて撃つ。


聖子は必死で逃げた。

「返してよ!」聖子は叫んだ。


海貴は短く息をついた。
手がびりびりする。頬の傷も、空気に触れる度に痛かった。

「それはあんたに使いこなせないよ。返して」
聖子は手を差し出して、前に進んだ。

「誰が返すか!」海貴は叫んだ。

また引き金を引いた。


タイプライターのような音と共に、聖子の体が吹っ飛んだ。


壁に打ち付けられて、聖子はずるずるとしりもちをついた。

「……返して」聖子は呟いた。

そうだ、こいつは防弾チョッキを着てるんだ。頭、頭を狙わないと――


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