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バトルロワイアルぺティー

412ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/27(金) 21:07 ID:igZ3kd.k

 十五分後。

「加奈!」和輝が呼びかけると、加奈の声がすぐに返ってきた。
「よかった。帰ってきた……」


和輝は痛む両手にある物をかかえ、ドアを睨んだ。
「下がってて」和輝は言った。



和輝は、先ほど近くの民家で見つけた大きな消火器を、思いっきり、投げつけた。

ドアがぼこっとへこんだ。

左腕がどうにかなってしまいそうなほど痛んだ。それでも、もう一度持ち上げた。
「おらー、開けー!」

また大きな音がして、ドアがへこんだ。


何度もやっていく内に、ドアには丸い凹みができた。そこに引っ張られるように、ドアと壁の間には、細い隙間が開いた。
和輝はもう一度ドアノブを引っ張った。


恐ろしくひずんだ音がして、ドアが開いた。


和輝は息をつきながら、そこに座り込んでいた女子生徒を見た。



涙を浮かべた、その女子生徒。ずっと会いたかった女子生徒。

笹川加奈(女子十四番)は、ぼろぼろになって、和輝を見ていた。

「……久しぶり」和輝は言った。
「久しぶりだね。何年ぶりだっけ」
「一日くらい」

加奈は眉を潜めると、下を向いて、嗚咽していた。手で覆われた顔の下では、透明な液体が流れ出していた。

和輝はそっと近寄った。

「……怖かった。新井さんに襲われて、死ぬかと思った。このまま、ずっと会えないのかと思ってた……」加奈が呟いた。

和輝は加奈の小さな肩に手をかけ、震える体を抱き寄せた。
「……俺も、怖かったよ」


話したいことがたくさんあったはずなのに、もう忘れてしまっていた。ひたすら、よかったと思った。加奈がこうして生きててくれて。本当に。

――でも、俺には言わなくちゃいけないことと、やらなくちゃいけないことがある。



「聞いてくれる?」和輝は加奈の耳元で、何か囁いた。
加奈は驚いたように和輝を見た。


加奈は少々間を空けると、頷いた。



和輝は立ち上がって、加奈も腰を上げた。和輝が手を差し伸べると、加奈はその手を取ってくれた。
加奈は少しだけ笑んだ。


二人は、重い足取りで、車庫から離れた。
【残り5人】


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