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バトルロワイアルぺティー

411ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/26(木) 21:12 ID:igZ3kd.k

 加奈は幾度となくドアを叩いたが、全く開きそうにもなかった。
……どうしよう。加奈は手を下ろして、ずるずると座り込んだ。

不幸中の幸いで、ここは禁止エリアから免れていた。他の生徒達が殺しあって、残り一人になるまで待つという手もあったが、それは了承できなかった。
それに、また、いつエリアが縮められるのかわからないのだ。


「誰か……助けて……」
加奈はかすれた声で、呟いた。喉を潰してしまったらしい。声がうまく出なかった。

「北川先輩……」
加奈は力いっぱい、ドアを思いきり叩いた。

「……和輝、助けてよ!」



例の車庫の前にきて、和輝は立ち止まった。物音が、聞こえる。

ドアを叩く音。和輝は近寄って、ドアの前まできた。
こつこつとノックをした。

「誰かいる?」


少々の沈黙の後、声が返ってきた。「……和輝?」

「加奈?」
和輝は驚いて、声をあげた。「加奈なのか? そこで何してんだよ」

若干低くなった、かすれた声が聞こえた。「……ドアが開かないの。開けて」


和輝はわかった、と言って、ドアノブに手をかけた。
「……んぬっ!」
力を込めたが、ドアはびくともしなかった。

……チクショウ。

「開けてやるからな!」和輝は言った。少し遅れて、加奈の頷く声が聞こえた。

和輝はもう一度力を込めた。
「んー………………」勝手に声が出てくる。
開けー。いいから開けー。とにかく開けー。

だが、左腕を骨折した状態なのと、元々そこまで力があるわけではないことで、歪んだドアを開けることはできなかった。
和輝は息をついて、深呼吸をした。

「和輝、開かないの?」加奈の声が聞こえた。
「開くよ」

開けてやる。意地でも。


「加奈、ちょっと待ってて。絶対、戻ってくるから」和輝はそう言った。
「和輝、どこ行くの?」不安そうな声が聞こえた。
「すぐ戻ってくるよ。心配すんな」

和輝はそう言って、加奈と、二人を隔てているドアを後にした。


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