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バトルロワイアルぺティー

409ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/25(水) 08:32 ID:igZ3kd.k

 雪燈は展望台まで必死で走った。

海貴が何かを言っていたが、雨の音と風の音にかき消されて聞こえなかった。

よかった。姫城も生きてる。


雪燈はホッとして、海貴の名前を呼んだ。

「姫城、ごめんね! あたしが間違ってた。あんたの言うこと聞いてればよかった!」聞こえているかどうかはわからなかったが、雪燈は叫んだ。

「あんた性格悪いし、自分勝手だし思いやりないし、好きじゃなかったけど――」


でも、何度も助けてくれた。

「あたし――」



聖子が銃をかまえた。
「やめろ。もういいだろ!」海貴は叫んだ。

チクショウ、外れない。

両手が塞がっているので、どうすることもできなかった。
海貴はギリッと歯ぎしりをした。

聖子は人差し指を立てて、チッチッチっと言うように、横に振った。
「だってこれは殺し合いゲームだよ? 最後の一人になるまで殺しあうのがルール」


駄目だ、やめろ。海貴は焦った。

「来るな!」
海貴は声を限りに叫んだ。喉が枯れるほど叫んだ。

――だが、その声は銃声にかき消されて、届かなかったに違いない。



ぱらぱらぱら。
久々にあの音が響いた。


雪燈に銃弾が浴びせられた。


ぱらぱらぱら――

その音と同時に、雪燈は不可思議なダンスを踊った。

美しかった顔は赤く弾け、体は蜂の巣のように穴だらけになった。



どちゃっと倒れた雪燈の体を、雨が強く打っていた。血が雨で薄まり、染みのように地面に広がっていった。



――ちょっとだけ、楽しかったよ。
雪燈は最後に、そう言おうとしていた。


左の手は、海貴の方へと差し伸べられていた。
【残り5人】


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