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バトルロワイアルぺティー
405
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/08/24(火) 15:56 ID:igZ3kd.k
冬峯雪燈(女子二十一番)は、自分の腹を押さえた。どうやら殴られたらしく、息苦しかった。
「はあ……」
ここはどこなんだろう。
雪燈は井上聖子(女子五番)に殴られ、ここに捨てられた。聖子は雪燈が気絶したのを見て、死んだと思ったらしい。辺りを見渡しても、聖子のいる気配はなかった。
注意深く辺りを見渡した。後方には、先ほどに下った山があり、左手の先には長い道がある。
そして目の前には原っぱが続いていて、そこを抜けると、遠くにはまた雑木林がある。原っぱの中央には、古く、錆びついた展望台が見えた。
雪燈は気づいた。そうか、ここはD=5とD=6の境目だ。姫城が言ってた。展望台はD=6の入り口付近にあるって。チラッとしか見てないけど、確か地図にも書いてあった。
と言うことは、ここを抜ければ、禁止エリアから逃れられるんだ。
でも――
雪燈は気まずそうに振り返った。
自分のすぐ後ろには大きな木があり、そこからは無数の枝が伸びていた。
そのうちの一本には銀色の物体が繋がっており、対になるように、雪燈の腕を押さえつけていた。
小さな手錠は雪燈の右手首を締め付け、そこからは血が滲んでいた。
「……このままじゃ、逃げられないじゃん」雪燈は呟いた。
姫城海貴(男子十六番)は、目を覚ました。
辺りを見回すと、全て丸太で出来たベランダに自分がいるのがわかった。ログハウスのような造りだった。庇はあるものの、雨は容赦なく入ってきた。自分のすぐ傍には、大きな望遠鏡があった。
何だ、ここ。自分がなぜここにいるのかがわからなかった。
確か、井上に会って、撃って、冬峯と仲間割れして、不意に殴られて――
それを思い出した瞬間、頭がずきっと痛んだ。頭から頬へと伝わってくるものは雨の雫ではなく、血だということがわかった。
「いってー」あまりの痛さに声を出した。
頭を押さえようとしたが、後ろ手に縛られていて、手が動かない。海貴は忌々しげに、自分が縛られている縄紐を見た。太い。自分では解けそうにもなかった。
だが、少しほっとした。とりあえず、禁止エリアは出たみたいだな。でも、冬峯は……
井上に襲われたんだろうか。もう、生きてないかもしれない。海貴は何だか後味の悪い気分になった。
そうだ、望遠鏡で確認出来るかも。そう思い、動こうとした。
手首が締め付けられて、立つことが出来なかった。
海貴はベランダの太い丸太に縛り付けられているらしかった。死角になっていて見えなかったが、多分。
「チクショウ、何のためにこんなこと……」
海貴の独り言に答えるように、ベランダのドアが開いた。
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