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バトルロワイアルぺティー
389
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/08/11(水) 00:08 ID:igZ3kd.k
「出席とるから席ついてー」
そこには、担任の森先生ではなく、若い男の先生がいた。
あれ、あんなかっこいい先生いたっけ。ねえ。
雪燈は隣の席にいた荒瀬達也(男子一番)に訊いてみた。「前からおれ達の担任じゃん。どうしたの」
そっか……。そう言われてみれば、そうだったかも。
「えーと、二番大迫、七番田阪、九番千嶋、十六番姫城と、女子五番井上、十四番笹川、十七番高城、二十二番吉野は休みだそうです。で、遅刻は新島と中西。しょうがないなー」先生は言った。
ガラッ。ドアを開ける音がして、新島敏紀(男子十四番)がだるそうに入ってきた。
「遅刻」
「……すいません」
「ガム噛むな」
「すいません」
敏紀は席に着く時、雪燈を見ると、少し不思議そうな顔をしたような気がした。
「じゃあホームルームを始めます。最近二年生の服装や髪型が乱れているという意見が生活指導の先生方から……」先生は話を始めた。
今日の一限目は古文か、ダルいなー。そんなことを考えていると、前の席にいた敏紀が振り向いた。
「冬峯、何でここにいるの?」
へっ、だって学校じゃん。
敏紀は雪燈の言葉には答えずに前を向くと、先生に言った。
「先生、冬峯さんって休むんじゃなかったんですか?」
生徒達が一斉に雪燈を見た。
えっ、やめてよ。皆が注目してるじゃん。恥ずかしい。
先生は雪燈を見た。「本当だ、冬峯、何でここにいるの?」
えっ、だって、学校だから――。雪燈は首をかしげた。
「冬峯!」ドアの外から声が聞こえた。
――誰?
「冬峯!」
ドアが勢いよく開けられ、姫城海貴(男子十六番)は、雪燈に向けて叫んだ。
「何やってんだよ。早く戻れよ!」
――何で?
「ここはお前がいるところじゃない。そいつらはもう死んでるんだよ!」
えっ。
雪燈は立ち上がって、もう一度クラス中を見回した。
「どうしたの? 雪燈」斜め前にいた濱村あゆみが振り向いた。
雪燈は震えた。
あゆみの顔は崩れて、差し伸べられていた手がぽろっと折れ曲がった。
鈴木菜々と御柳寿の顔は青ざめていて、口から泡を吹いていた。
飛山隆利の手は、指が数本なかった。
梁嶋裕之の体は穴だらけになっていた。
仲田亘祐は頭に穴が開いていて、血と、脳がこぼれ出していた。
みんな――
雪燈は席を立った。新島敏紀が雪燈の手を掴んだ。鼻が大きく曲がっており、学ランの心臓の部分に穴が開いていた。
敏紀の手は、とても冷たかった。
離して! 雪燈は叫んだ。
敏紀は呟いた。「こっちに来るのを、楽しみに待ってるよ」
雪燈はその手を振り払って、海貴の元に走った。
「冬峯、早く!」雪燈は海貴の手をとった。
「何やってんの?」
ドアの後ろに、中西諒(男子十番)が立っていた。
中西だ――
雪燈は諒を見た。
諒はフッと笑った。「来る時間違えんなよ。バカじゃん?」
うるさいな。
「行こう」海貴が言った。
うん。
雪燈は廊下に出て、そのまま走り出そうとした。
「冬峯」諒の声が聞こえた。
何?
「バイバイ」
諒は雪燈に向かって手を振っていた。
雪燈も諒に向かって手を振った。
バイバイ――
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