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バトルロワイアルぺティー

385ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/06(金) 23:12 ID:2KqO5TgA

 新島敏紀(男子十四番)は、これ以上力が入らなくなって、そのまま仰向けになった。

今までの思い出が走馬灯のように蘇ってきた時、自分がこれから本当に死ぬんだということがわかった。敏紀はそれを酷く滑稽に感じて笑った。


俺は別に、凄く生きたいと思ってたわけじゃなかった。
どうせ死ぬってことは、このゲームに参加した時からわかっていたことだから。

自分を裏切った女の顔も思い出した。というより、ずっと離れなかった。
心から楽しかったと言えば、あいつと一緒にいた時だけだったのかもしれない。


空からはポツポツと雨が降り出していた。


内博美(女子七番)のことを、考えていた。本気で襲う気なんてなかった。ただ、あまりに腹が立って――
あの女の理想論をめちゃくちゃに壊してやりたくなった。



敏紀はそのままボーっと、空を見ていた。暗い空の中に、一筋の光が差したような気がした。

あっ、天からの迎えがきた。もうすぐ俺は天に昇り――

――何言ってんだ、俺。あの女の毒に侵されたかな。



きっと見間違いだ。もしきてたとしても、俺じゃなくて、内のところにだろう。

「……そんなもん、いないんだよ……」敏紀は呟いた。

バカみたいだな。本気で信じてたのかよ。あんなにまでなって。何考えてんだよ。


「――ほんとバカだな、俺……」
敏紀はそのまま目を閉じた。



雨が大降りになってきた。

内博美(女子七番)の亡骸のすぐ傍に、中西諒(男子十番)はいた。

背後からは、またあの声が聞こえてきた。「可哀相だね、内さん。酷いことするねー」
大迫治巳(男子二番)は言った。


本当だ。何でもっと早く踏み出さなかったんだろう。諒は後悔した。

「でも、中西君はラッキーだったね」
「何が――」
治巳が中西の肩に手を置いた。
「人間って、頭を撃たれると痛いと思う前に死ねるんだって。知ってた?」

「えっ……」

振り向こうとした諒の目は治巳を捉えて、すぐにその上の物体を捉えた。



ぱん。


銃声が聞こえた。


それが最後の聴覚だった。もの凄い衝撃が頭の中を這いずり回り、そこから波が引くように、諒の視界は途切れた。


「あんたを殺したのがオレでよかったね」治巳はコルトマグナムを下ろして、静かに言った。

敏紀の持っていたウージーに手を伸ばした。
思った。まさかこの二人を同時に狩れるとはな。ちょうど通りがかってよかった。


治巳は倒れている諒の目を覗き込んで、言った。「おつかれ、中西君」
【残り7人】


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