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バトルロワイアルぺティー

383ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/05(木) 15:43 ID:2KqO5TgA

 諒はそれを、茫然と見ていた。


「お前も全く役に立たなかったな」
敏紀は嘲笑した。そして、もう一度引き金を引こうとした。



一瞬のことだった。ゴルフバットがブーメランのように弧を描いて飛んできた。

「うっ……」
敏紀はそれを避けたが、その隙に、諒は敏紀からほんの一メートルの場所まで来ていた。

ダダダダ。
敏紀はマシンガンを発射した。

銃弾が腹部に当たったが、諒は多少身じろいだだけで、敏紀の胸倉を掴んだ。

「気が変わった」
「――は?」
「お前を殺してやるよ」諒は言った。

そしてもう一度、敏紀を渾身の力で殴ろうとした――



「まあまあ中西君、落ち着いて」


その声と同時に銃声が聞こえ、敏紀の胸に穴が開いた。

「ぐっ……」敏紀はそのまま、ずるずると倒れた。

「うわっ!」
諒は心臓が飛び出そうになるほど驚いた。どういうことだ? 諒は辺りを見回した。

「ここだよ」後ろから声が聞こえた。
敏紀の胸倉を掴んだまま、おそるおそる振り向いた。


自分の肩に誰かが手を置いており、横からはしなやかな腕が伸びていて、銃を握り締めていた。

――すぐ後ろに誰かいた。


大迫治巳(男子二番)は笑みを浮かべ、銃を下ろした。「悪人に天罰を下しました」
「へ、はあ……」

状況が理解できないのと同時に、自分の気持ちと身体が、急速に萎えていくのを感じた。


敏紀を見た。匍匐全身で逃げようとしていた。

あっ、いつの間に。

諒は追おうとしたが、背後から、治巳が言った。「大丈夫だよ、あいつもう死ぬから」



「内さん!」
諒は博美に駆け寄った。


博美は目を閉じており、顔からは生気が失われていた。
穏やかな死に顔だった。

「内さん……」諒は呟いた。

結局、助けられなかった。

諒は博美の手を組ませてやった。

「本当に、役に立たなくて、ごめん……」


辺りが滲んできた。博美の顔さえ、よく見えなくなった。
【残り9人】


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