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バトルロワイアルぺティー

380ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/02(月) 22:33 ID:2KqO5TgA

「やめて! お願い! やだ!」
 内博美(女子七番)は、必死で抵抗していた。だが、どんなに暴れても、新島敏紀(男子十四番)の力には勝てそうにもなかった。

イヤだ、怖い!

「やだね」敏紀は笑みを浮かべたまま言った。しかし、目は笑っていなかった。
それから、博美の制服のブラウスを引き千切った。

「ほら、怖いだろ? それとも、神様はお前に試練を与えて下さってるとでも言うのか? それでも感謝すんのか? 随分めでたい女だな!」敏紀は言った。


博美を見下ろす体勢になると、言った。「“神様なんてものは存在しません。全て私の妄想の産物でした”って言えば、やめてあげてもいいよ?」

博美は打ちのめされた表情をして、がたがたと震えていた。

「言えよ」
ぶるぶると首を振った。

「離して! お願い!」
いつの間にか、自分が涙を流していることに気づいた。

敏紀は博美の首を緩く絞めて、言った。「まあ、神様なんていないって、思っただろ?」

博美は息苦しさに顔を歪めた。敏紀はそのまま、博美のスカートに手を伸ばした。



中西諒(男子十番)は道を歩いている時、誰かの声を聞いた気がした。
女の声。叫ぶような――

「また誰かが殺されそうになってんのかな……」

行かない方がいいかもしれない。
そう思いながらも、諒は声のする方へと向かっていった。


――聞こえなくなった? でも、ここの辺りだった気がするんだけど。

諒は茂みの中を進んだ。


「やだ……」女の声が聞こえた。

諒は音を立てないように、すばやく進んだ(これは結構難しい)。

あ、いた!


諒は藪の中を少し離れた場所から覗き込んだ。男子生徒と女子生徒がもつれ合っている。少し離れて女の死体。

「うわー……」諒は興味津々で見ていた。

でも、これじゃ嫌がってんのかどうかがよくわかんねえな。和姦なら邪魔するわけにはいかないし。
もうちょっと様子見るか。諒はそう思いつつ、二人を見た。



ぽつぽつと、小雨が降っていた。
「やっと大人しくなったな」敏紀は言った。

――声を出しても、何も届かない。


「怖いだろ? 今言えば、やめてもいいよ」敏紀は柔らかい調子で言った。
博美は首を振った。

敏紀は舌打ちをした。「あっそ。じゃあ勝手にするわ」


――全てが済めば、自分は殺されるのだということは、もうわかっていた。


――これが、わたしの運命?

何度も同じ問いが頭の中をぐるぐると回る中、博美は母親のことを思い出していた。

ママは父と結婚するのを反対されてて、それでもわたしを産んで、でも父とはすぐにうまく行かなくなった。ママは体の弱い人だった。それでも、わたしを育てるために働き続けた。何度も過労で倒れても、ママは働き続けた。わたしを高校に行かせるために。

そして、あっけなく死んでしまった。



「あっ、そっか。それがわたしの罪なんだ」
「……は?」
敏紀が顔を上げた。

博美は敏紀の手に、自分の手を置いた。
「わたしは、自分に恥じないように生きてきたつもりなの。でも、わたしは罪を犯してた。一番最低なこと。だからたとえこれが運命だったとしても、仕方ないの」

「……何言ってんの?」
敏紀は思った。仕方ないって? 犯されて殺されても仕方ない? 相当頭おかしいわ、こいつ。

「仕方ないわけないだろ。そんな運命で納得すんなよ」

博美は言った。「ママが言ってたの。もし可哀想な人がいたら手を差し伸べてあげなさいって。あなたは可哀想な人だから、手を差し伸べてあげる」


敏紀は猛烈に腹を立てた。「ざけんな。俺はちっとも可哀想じゃねーよ……」

敏紀はウージーを掴んだ。
「いい人ぶってんじゃねーよ。イライラすんだよ!」


博美に、銃口を押し当てた。

「お前の方が可哀想だよ。それに気づかないなんてもっと可哀想だな。手を差し伸べてやるよ」そう言って、皮肉な笑みを浮かべた。
博美は黙って、敏紀を見つめた。



諒はバットを握り締めた。
内さんが殺されそうになってる。しかも相手は……新島。

マシンガン対ゴルフバッドでは、とてもじゃないが勝てる気はしないが、ほっとくわけにはいかなかった。


諒は新島に向かって走り出した。


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