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バトルロワイアルぺティー

379ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/08/02(月) 22:31 ID:2KqO5TgA

「あれ、先客だ」
唐突に声がして、目を開けた。

「あんたがこいつ殺したの?」新島敏紀は、じろじろと無遠慮に博美を見た。

「祈ってただけ」
「は?」
「梅原さんが天国に行けるように」
「へー……」
敏紀は興味深そうな顔をして、何を思ったのか近づいてきた。


敏紀は腰を下ろして、博美に尋ねた。「あんたハーフだよね、どこの?」

「クォーター。イギリスだよ」
「へー。この国にイギリス人なんていたんだ」
「政府が時々放送する教育用のドラマに、わたしのおばあちゃんが出てたの。東亜人を虐める役として」
「あー!」敏紀は納得したように頷いた。

「そこでカメラマンの子供を身篭って、それがママだってわけ」
「ふーん」敏紀はかすかに口元に笑みを浮かべて、続けた。
「くっだらないドラマだよな、あれ。あんなことしたってこの国が最低な国だってことは、皆知ってんのにな」
「そんなこと言っちゃ駄目だよ」博美は少し眉を寄せて言った。



敏紀は立ち上がって、伸びをした。振り向くと、博美の首にかかっている十字架のネックレスと、ロザリオを見た。「……あんた、クリスチャン?」
「そうだよ」
「信じるものは救われるってヤツ?」
「そう」
「へー」
敏紀はまた座り込むと、十字架を引っ張った。かすかに、博美の顔が歪んだ。

「救われるわけねーじゃん。このプログラムに参加してる時点で、あんた救われてないじゃん」

博美は苦しげな顔をしていたが、言った。「死ぬことなんか怖くない。死は誰にでも訪れるものだから。数分前のわたしなら抵抗してたかもしれないけど、でも、今のわたしは違うわ。ここで死ぬことが神の定めた運命なのだとしたら、わたしはそれに従う」
「へー……」敏紀はネックレスを放した。

思った。バカみたいな女だ。憎らしいくらい。


「どんな運命でも従うんだ?」博美の手首を、痛いほど握った。
「新島く、ん。痛い……」
「たとえば――これから俺があんたを襲って、それから殺しても? それでも従うの?」

博美の顔が、みるみる強ばっていくのがわかった。

「あんた聖女みたいな人だね。でもあいにくさ、俺は神なんか信じないんだよね。あんたがもし、今信じてるって言ったって、今から数十秒後には神なんかいないって思うぜ」

敏紀は博美を草むらに突き飛ばした。


「絶対にな!」敏紀は怒りを感じさせる声音で、言った。
【残り10人】


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