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バトルロワイアルぺティー

372ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/27(火) 23:56 ID:2KqO5TgA

 千嶋和輝(男子九番)は、茫然としたまま、大迫治巳(男子二番)のことを考えていた。

さっきは無条件で治巳を怖がったけど、もしかして、正当防衛だったのかもしれない。やむをえなかったのかもしれない。俺だって代々木を殺したように、治巳にだって理由があるんだ。そうじゃなきゃ、あの治巳が人殺しなんかするわけない。和輝はそう思い直した。

治巳を待とう。そしてわけを聞くんだ。これだけのことで逃げるなんて、そんなことは出来ない。


和輝は時計を見た。もう、一時間二十分も経っていた。

あいつ、何してんのかな。まさか誰かに撃たれて――和輝は立ち上がって、辺りを見回した。

和輝は治巳に預けられていた探知機を見た。一つの点が、こちらに向かっていた。治巳だ。和輝はそう確信した。
勝手にデイバックをひっくり返したから、怒られるかな。まあ、いっか。治巳だし。


「和輝!」治巳はそう言って走ってきた。「いいお知らせ! 銃が手に入ったんだ!」
「銃? 何で?」
「落ちてた」治巳は銃を取り出して、掌に乗せた。「憐一と有山の死体の傍にあった」

和輝は少し驚いた。そう言った治巳の表情は、まるで、柴崎憐一(男子五番)と、有山鳴(女子三番)の死まで、ラッキーだと言うかのように見えた。

「そっか……」
和輝は憐一と鳴のことを思い浮かべた。
寂しかった。どんどん、クラスメイトが死んでいく。


治巳は少しずつ歩み寄って、何かに気づいたかのように、和輝を見た。
「オレのデイバック……勝手に開けた?」治巳の問いに、和輝は少し血の気が引いた。
「あっ、悪い。冷却スプレー探してて……」治巳はふーんと言った。

「じゃあ、あのビニール袋も見たんだ?」
和輝は唾を飲み込んだ。少し間を空けて、そっと頷いた。

「そっか……」治巳は笑みを浮かべた。
「でも、別に、だからどうってことないよ。何か理由があったんだろ? それなら仕方ないよ」和輝は不安を感じて言った。

治巳は何も言わなかった。ズボンのポケットに入っていた煙草に、火をつけた。


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