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バトルロワイアルぺティー

368ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/22(木) 22:46 ID:2KqO5TgA

 ――やっぱもらっとけばよかったかな。
田阪と別れた後、諒はそう思い頭を掻いた。

まあいいや。おれはもう決めたんだ。親父のようにはならない。たとえ、ここで死ぬんだとしても。

通学用バックに必要な物を詰め替えた。諒は、静かにそこを去っていった。



田阪健臣がH=2に着いた時にはもう、午後三時になろうとしていた。
やや疲れた様子の、朝にも見た若い男は言った。「田阪健臣君ね。遅いよ」

男は気だるそうに手招きをした。それから首に手をかけると、首輪を外してくれた。
「呼び出そうと思ったけど、来てくれてよかった。七時にバスが来るからそれまでここで待ってて」男は言った。



案内された場所は、一見ただの教室だった。
一人の女生徒が、テレビを食い入るように至近距離で見ていた。テレビの中では、おどろおどろしい音楽がかかっていた。

高城麻耶(女子十七番)は、健臣が入ってきたことに全く気づいていないようだった。

「あのー……もっと音下げてくんない?」
――聞こえていないようだった。

「おーい……おい!」

「何よ!」
相手の迫力に押されて、健臣は黙った。「……音量下げて」
麻耶は黙ったまま、一つだけ音を下げた。
――もっと下げろよ。健臣は黙ってテレビのチャンネルを取ると、音を下げた。

「ついでに言うと、俺、もっと違うの見たいんだよね」
麻耶は健臣を睨みながら答えた。「やだ。私が見てるんだもん」
「殺し合いから帰ってきたばっかだってのに、こんなグロいの見たくないよ」
麻耶は、『死霊のはらわた』と書いてあるビデオを、デッキから取り出した。
「じゃあ、何がいいの?」

健臣はビデオラックを見た。フランダースの犬、アルプスの少女ハイジ、あらいぐまラスカル、ローマの休日、本当にあった呪いのビデオ――

「これがいい」
健臣はフランダースの犬を指して言った。
【残り12人】


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