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バトルロワイアルぺティー

366ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/22(木) 22:38 ID:2KqO5TgA

 田阪健臣(男子七番)はエリアD=6にいた。永良博巳(男子十二番)が死んでから、もう何時間こうしているのか、わからなかった。
その間自分が何をしていたのかも、よく覚えていない。眠っていたのか、気絶していたのか、狂っていたのか、泣いていたのか。何も思い出せなかった。

今は何時なんだろう。健臣は時計を見た。一時半を、長針が少し上回っていた。残りは何人なんだろう。
ここにいると、自分以外は誰もいないような気がした。とても静かだった。もう少ししたら動こう。ここにいても、生き残れない。健臣は残り僅かとなった水を一気に飲み干した。



中西諒(男子十番)は歩いていた。

ああ、疲れた。こんな森の奥まできたけど誰もいねーよ。もっと真ん中の方に行ってみようかな。まあとりあえず休んでから――


諒は目を細めた。

――誰かいる。
近付いてみた。男子のようだった。

煙草持ってないか、訊いてみようかな。でももし向こうがヤル気だったらどうしよ。

諒は念のため、自分の持っていたゴルフバッドを、強く握り締めた。
まあ、こっちが戦う気がないって態度をとれば話は出来るよな、多分。

もう少し近付いてみた。
「もしもーし……」予想外に間抜けな声が出た。

諒は声を張りあげた。「おい、聞こえてんの?」



「あっ、田阪クンだ」
突然近くで声がしたので、田阪健臣は振り返った。

そこには、長身の体にほっそりとした顎、血だらけの学ランを着た(!)中西諒がゴルフバッドを持って、やけにニヤついて立っていた。

やばい、こんな至近距離になるまで気づかないなんて。健臣は焦って、銃口を中西に向けた。
「おっと!」
中西は両手を高くあげて、敵意がないことを示した。「待ってよ、何もしないからさ」諒は言った。

「何か用?」
「いやー用はないようなあるような……」
「用がないならあっち行けよ」
「そんな冷たいこと言うなって」

言わないわけにはいかない。何せ、相手はあの中西だ。中学生の時に高校生数人をボコボコに殴って入院させたということは、中学が同じだった健臣だけではなく、他の中学に行っていた人間でさえ知っているくらいだった。

でも、考えてみればあんまり刺激しない方がいいかもしれない。
いや、まだ大人しいうちに殺しておくべきか――


「そんな警戒しなくたっておれは人殺す気なんてないよ」
中西は腰を下ろして、近付いてきた。

「何だよ」健臣は少したじろいだ。
中西は人差し指と中指を立てて、煙草を示すポーズをした。「……持ってない?」

健臣は怪訝な表情をすると、ポケットからラークのメンソールを取り出した。
「やった! サンキュー」中西は本当に嬉しそうだった。


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