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バトルロワイアルぺティー
353
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/07/16(金) 21:32 ID:2KqO5TgA
和輝も途中まで歩いていたが――立ち止まった。
……痛い。
左腕を見た。青く、腫れ上がっていた。ずっと我慢してきたけど、そろそろ限界だ。
和輝は力ないため息をついた。
そのまま進もうとも思ったが、いいことを思いついた。
治巳なら、冷却スプレーくらい持ってるかもしれない。
和輝は踵を返すと、さっきのバンダナの場所まで向かっていった。
えーっと、治巳のバックは……
他人の鞄を勝手に開けるのには気が引けたが、この際仕方あるまい。まあ治巳だし。
和輝はガサゴソと中身を探った。わけのわからない変な道具や本があったが、冷却スプレーはない。
あいつ、少女漫画なんか読んでるのか。
「BANANA FISH」と「11人いる!」と書いてある文庫本をぱらぱらとめくり、それからしまった。
デイバックも開けてみることにした。デイバックの中はごちゃごちゃしていて、パンパンに詰まっていた。
整理しとけよ。
そう思いながら、一番上に入っていた治巳の学ランを、その辺に放り投げた。
さてと、次は――
トレーナーも放り投げると(こんな暑い時にこんなもん持ってくんなよ、と思った)、更に、デイバックの中に入っている、ビニール袋を取り出そうとした。
――何か、異変を感じた。やけに重い。ビニール袋の中には、ワイシャツが入っていた。そのビニール袋は生暖かかった。
和輝は中を開けて、ワイシャツを広げてみた。そこから、タオルがそっと落ちた。
あの匂いがした。今までに何度か嗅いだ匂い。
分校を出た時、代々木信介(男子二十一番)が覆い被さってきた時、大島薫(女子九番)の死体を見つけた時。それと、同じ匂いだ。
ワイシャツは一面、赤く染まっていた。だが、今は若干乾いて固まり、ぱりぱりになっていた。
これは……?
和輝は、それを見つめた。治巳の血じゃない。あいつは、どこにも怪我をしてないはずだ。
その時、思い出した。再会した時、治巳の髪が濡れていたこと。
そして、この汚れたワイシャツ。
もしかして、あいつ人を殺したのか?
いや、あいつに限って、そんなはずはない。そう思った。しかし、思おうとすればするほど、それが確信であることがわかっていた。
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