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バトルロワイアルぺティー

352ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/16(金) 21:29 ID:2KqO5TgA

 千嶋和輝(男子九番)は、大迫治巳(男子二番)と一緒に、H=7にきていた。

笹川加奈(女子十四番)の行方を捜していたが、未だに何の手がかりもなかった。どこに行ったんだろう。和輝はじりじりと焦りを募らせていた。

「このエリア、誰もいないな」治巳が言った。
「ああ。でも、もしかして、もうすぐ誰か来るかもしれないし」

治巳は、はーっとため息をついた。
「結構大変なもんなんだなー。この広い公園の中で一人を探しだすのって」
治巳も疲れているようだ。


和輝は言った。「ちょっと休む?」
治巳が、驚いたように和輝を見た。「いいの?」
和輝は頷いた。
「やった!」
治巳は腰を下ろして、ペットボトルの蓋を開けた。

「ほんと、どこ行ったんだろーねー。笹川ちゃん」
なぜ治巳が加奈のことを笹川ちゃんと呼んでいるのかは謎だが、とにかく、和輝は心配だった。


治巳が声をあげた。「あっ、よく見たら電池切れてるじゃん!」
おい。

「電池……俺持ってないよ」
「オレだって……あ!」


治巳は自分の通学用バックから電子辞書を取り出した。単4形の乾電池を差し込むと、また光が点滅し始めた。

「ってか、このエリア人いるじゃん」
和輝も器械を覗き込んだ。


本当だ。H=7には三つの赤い点がある。その内の二つは自分達だとして、残りの一つは――

「行ってみよう!」
和輝はそう言うのと同時に、その場を駆けだしていた。



二人は、少しずつ、もう一つの赤い点に近づいていった。
点は、さっきからずっと動いていない。身を潜めているのか、死んでいるのかはわからなかった。
とりあえず行ってみるしかなかった。


その時、治巳が右手をかざして、和輝を立ち止まらせた。

「もう一人きた」
和輝はおっ、と言うような表情をすると、器械を覗き込んだ。「ほんとだ。どうしよう?」
治巳は頭を掻いた。

「オレ、こっちの止まってる方見てくるよ。誰だかわかったらすぐ戻ってくるから。お前は動いてる方見てきて」

治巳はそう言うと、近くにある木にバンダナを括り付けた。
「これ目印にしようぜ」
和輝も頷いた。

治巳は更に言った。「笹川ちゃん以外に誰がいても声はかけるな。見たらさっさと帰ってこい」


和輝が頷いたのを確かめると、治巳は去っていった。


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