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バトルロワイアルぺティー

346ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/13(火) 18:07 ID:2KqO5TgA

 新島敏紀(男子十四番)は、学校に向かっていた。
おそらく、生き残って家に帰れるであろう、田阪健臣と、高城麻耶を殺すために。

運がよかったら、そいつらはもう学校に着いてしまっているかもしれないが、まだ十分ほどしか経ってないので、おそらくまだ着いてはいないだろう。
そして、敏紀の目にはもう、学校が見えていた。

敏紀はスピードを上げた。

生き残りたいという感情とはまた別に、人殺しがしたくてたまらなかった。誰であろうと容赦するつもりはなかった。敏紀は完全な愉快犯だった。



隆利と麻耶はG=3にいた。もうすぐ麻耶と別れるのだと思うと、胸がぎりっと痛んだ。
最後に、自分の気持ちを伝えようかと考えていた。何と言っても、これでしばらく(とりあえず、しばらくということにしておこう)、会えなくなるのだ。

「あのさ」
「何?」
麻耶が自分をまっすぐに見つめてくるので、照れてしまった。
「えーっと……」いざとなると、言葉が続かない。麻耶は不思議そうに、隆利を見つめていた。
「だから、その……」
言葉を選ぶのに苦労していたら、麻耶が言った。「早く戻ってきてね。それまでに私があんたの汚い部屋を掃除しとくから」
隆利は、強く頷いた。

隆利にとっては酷く遠いその日が、とても待ち遠しくなった。
やりきれなかった。二人で、今すぐにでも帰りたかった。
鼻の奥が、ツーンと痛くなった。


「……オレ、ずっと、麻耶が好きだったよ」
あまりにも唐突に、勢いにまかせて言ってしまった。時間差で、猛烈に恥ずかしくなった。

おそるおそる麻耶を見ると、麻耶は呆然とした表情で、隆利を見ていた。何かを言いたげに、口が開いていた。
隆利は死刑を宣告されるような気持ちで、麻耶の口から吐き出される言葉を待った。

「嬉しい」
麻耶はそれだけ言うと、隆利に寄りかかってきた。
それから、隆利の胸の中で、吐息だけの声で、私も、と言った。


嬉しかった。人生の中で、一番嬉しい時間だったのかもしれない。隆利は、歓喜のあまり、自分が泣き出しそうになっていることに気づいた。
今まで遠回りばかりしていたが、ついに気持ちが通じ合ったのだ。

今にも破裂しそうな胸の中に、麻耶が顔を埋めていた。震えているのがわかった。隆利は麻耶の背中に手を回し、それから麻耶の頭を撫でた。
まだ離れたくない。そう思った。そして、麻耶も同じことを感じているだろうということも、痛いほどわかっていた。


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