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バトルロワイアルぺティー

344ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/11(日) 16:39 ID:2KqO5TgA

 飛山隆利(男子十七番)と、高城麻耶(女子十七番)は、先ほどと同じ、D=8の境目にいた。
もうすぐ、正午になる。二人とも腹を空かせていた。

麻耶が言った。「お腹空いた。カレーうどん食べたい」
「オレはカレーライスがいい。何でカレーをうどんにかけるんだよ。邪道だよ」
「おいしいもん。そうやって古い考えに取り憑かれてるから、新しい道に進めないんだよ」
「古くて結構。カレーは飯にかけて食う物なんだよ」
「そんなこと、誰が決めたのよ」
「それが一番自然なんだよ。うどんだってカレーをかけてもらうよりは、普通の汁をかけてもらいたいに決まってるだろ」
「うどんがそんなこと考えるわけないでしょ。バカじゃないの」
「いーや、黄色い臭い液体をかけられるのは嫌に決まってる」
「たとえうどんが嫌だったとしても、おいしければいいのよ」
「何言ってんだよ。うどんが可哀相だろ」

麻耶は少しの間沈黙すると、言った。「こんなことで言い争ってても仕方なくない?」
「確かに。無駄に体力消耗するし」

……ってか、くだらない。二人はほぼ同時にため息をついた。


大音量のパンク調のの音楽が聞こえてきて、二人は顔を上げた。アニメ声の女の声ではなく、若い男の声が聞こえた。「えーっと、昼です。死んだ人は、男子一番荒瀬達也君、男子十二番永良博巳君、女子二番新井美保さんだけです。禁止エリアは、一時からE=1、三時からJ=3、五時からG=8です。メモしとくように」
麻耶と隆利は今の言葉を聞いて、地図に印をつけた。
それから、死んだ生徒にも印をつけた。色々思うことはあったが、ページの都合上、飛ばしておく。


「じゃあ、これから、二人生き残ることが出来る人を発表します。えーっと……」

隆利と麻耶は顔を見合わせた。
心臓が高鳴っていた。もしかしたら、生き残れるかもしれない。入試の発表の時、またはそれ以上かもしれない。とにかく、緊張した。

「あっ、どっちも生きてるじゃん。よかったねー」
生きてる。自分であって欲しいという気持ちが溢れていた。

「男子は七番田阪健臣。女子は……十七番高城麻耶。ラッキーだなー。この二人は学校に戻ってくるように。以上!」そう言って、放送はプツリと切れた。



隆利は、麻耶の顔を見た。麻耶は呆然としていた。
「よかったな」隆利は言った。
麻耶はしばらく黙っていたが、やがて言った。「私……生き残れるの?」その目には、涙が滲んでいた。
隆利は強く頷いた。
感無量と言った様子で、麻耶は泣き出した。

隆利は心からよかったと思った。麻耶が生き残って、自分が死んでしまうかもしれないのは、少し(いや、かなり)悲しかったが。
「そうと決まったら早く学校に戻ろうぜ。オレもついてってやるから」
隆利の言葉に、麻耶は小さく頷いた。


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