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バトルロワイアルぺティー

341ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/10(土) 09:16 ID:2KqO5TgA

 笹川加奈(女子十四番)と、中西諒(男子十番)は、H=6の小屋に戻ってきていた。

「いって! 痛いって。そんな思いっきり刺すなって。いってー」諒は言った。
「私だって痛かったんだからおあいこだよ」加奈はそう言って、諒の肩に針を刺した。
「いて! 痛い!」諒は叫んで、それから言った。「こんな適当な手当てでいいのかな。一応針も糸も洗ったけど――」
加奈は糸を切った。「やらないよりはマシでしょ。つーか中西君が言い出したんだよ」
それから、諒の肩に包帯を巻いた。「よっし! できあがり」

「はー、やっと終わったか。サンキュ」
諒はほっとため息をついて、新しいワイシャツに着替えていた。


「ところで……」諒は辺りを見回して、言った。「何だこれ……荒らされてるし」
デイバックを漁って、悲痛な(?)声をあげた。「あっ、おれの煙草がない」
「ここに誰か来たのかな。鍵開けっ放しだったもんね」
「ま、いっか」諒は加奈を指差して、言った。

「えーっと、笹川さん、煙草持ってない?」
「……私が持ってると思う?」
「あんま思わない」

加奈は笑った。「でも、中西君、何かイメージ違うね」
「へー。おれってどんなイメージ?」
「クールで、キレると手に負えなそうで――」
「そっか……」
諒は黙った。


諒は立ち上がって、言った。「じゃあ、おれそろそろ行くよ」
「へ? どこに?」
加奈は少々驚いた。そして、少々寂しく感じた。
「タバコ探しの旅」

何それ。

「私がいちゃ、迷惑かな」
「そんなことないけど――」諒は俯いて、言った。「ちょっと一人で、色々考えたいことがあるから」

ああ、そっか。私って、なんて気が利かない――

「ごめん。じゃあな」
「うん。バイバイ」加奈は手を振った。


諒はデイバックを肩にかけ、ゴルフバットを片手に、小屋を去っていった。



加奈は誰もいなくなった部屋の中で、しばし考えた。
私はどうしよう。動くのにも疲れた。少し休もう。少しだけ。加奈はそう思って、目をつぶった。
瞳をとじると、甘美な誘惑のように、睡魔が襲ってきた。


ふと、思った。――和輝は、今、何してるのかな。あれからほんの半日ぐらいしか経ってないのに、随分長い間会ってないような気がする。

――会いたいな。


加奈は、眠りこけてしまった。


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