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バトルロワイアルぺティー

335ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/05(月) 23:34 ID:2KqO5TgA

 新井美保は、森の中を歩いていた。
殺したかった。だが、出来なかったと後悔した。

やっぱり正攻法で中西に勝てるわけがないか。


そして、諒に言われたことを、もう一度自分の中で問いただした。なぜ、中西でなく仲田を殺したか――

それは、仲田の顔が、一瞬あいつに見えたから。耐えられなくなって殺した。


仲田君、こんな理由でごめんね?
私は義朗が死ぬほど嫌いだから――あんたも嫌い。



がさっ、と音がして、その時、ようやく自分の後ろに人がいることがわかった。

やだ、私、そんなにぼーっとしてたの?
美保は危機感を感じて、振り返った。


「お嬢さん、そんなところで何してんの?」
新島敏紀(男子十四番)は、弾む声で言った。

何こいつ。


この暑いのに学ランなんか着てる奴。そのくせにあんまり暑そうに見えない奴。
手に、マシンガンなんか抱えちゃって――


銃口からシャワーのように弾丸が噴き出し、美保の体はふっ飛んだ。


地面に倒れ、一瞬の間の後に、痛みが広がっていく。


美保は腹を押さえ、うめいた。
「やだ、痛い……」美保は呟いた。


敏紀は近寄ってきて、美保の髪を引っ張った。
「痛い?」
「いたっ……」美保は涙を流した。「やめて、痛いの」

「ふーん……」敏紀は笑んだ。

何なのよ、こいつ。女の子に対してこの扱いは何?
腹が立った。


そして、死に対する危機感を感じたらしく、様々な思い出が甦った。

私は義朗が死ぬほど嫌いだから――


――嫌いだけど、愛していた。
殴られても、浮気をされても、愛していたのだ。


――だから、仲田君、あんたも嫌い。



もう一発銃声がして、美保の額に穴が開いた。


美保は血を噴き出し、ガクッと頭を垂れた。



敏紀は美保の頭から手を離した。愛らしかった元の顔を若干とどめたまま、新井美保は死んだ。

なぜか、かばうように、腹部を押さえていた。
【残り15人】


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