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バトルロワイアルぺティー

334ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/05(月) 23:32 ID:2KqO5TgA

 加奈の瞳からは涙が溢れだした。
美保はフッと笑って、言った。「選べないみたいね。じゃあ特別に、心臓に銃弾をぶち込んであげる」笑んだまま、銃口は加奈の心臓を狙っていた。
加奈は無意識に、左胸を両手で押さえた。

「そんなことしても無駄よ。逃げたって無駄。必ず心臓をぶち抜いてやるから」


加奈は絶望で目を閉じた。もう――駄目だ。

最後に、和輝にお礼が言いたかった。自惚れてるのかもしれないけど、和輝は多分、私のことを思っていてくれた。多分、ずっと前から。
私、なんて馬鹿だったんだろう。



絶望を感じていた加奈の耳に、男子生徒の声が聞こえた。

「笹川!」


一瞬、和輝かと期待してしまったが、すぐに声音が違うことに気づいた。


「走りすぎ……」

肩に包帯を巻いた長身の男――中西諒(男子十番)は、息をつきながら、立っていた。


「何なのよ、私を殺しにきたの?」美保は叫んだ。
「死んでよ!」


引き金を引こうとしたが、かちん、と音がして、美保の表情が固まった。
弾がない。美保はチッと舌打ちをして、銃を地面に投げ捨てた。


腰に差さっているナイフを取り出し、諒に襲いかかってきた。



諒は美保のナイフをかわすと、ナイフを持っている右手を掴んだ。

「新井、訊きたいんだけど」
美保の手を捻った。その手からナイフが落ちた。「痛い……何よ」

「何で仲田を殺したの?」

美保は叫んだ。「さっき言ったとおりだよ。仲田に中西を殺せって言ったの。それで、強かった方の仲間になって、守ってもらおうと思っただけ! 何が悪いのよ!」



諒は一瞬辛そうな表情になったが、美保の手を放した。

「悪いけど、ここでおさらば。新井はおれのこと殺せないし、おれは新井のこと守れないよ」

美保はふっと笑った。「今さら守ってもらおうなんて思ってないよ」
そう言った後、加奈に目を向けた。「笹川さん、ラッキーだったね。まあ、どっちみち弾切れだったんだけどさ」


「新井さん……美保ちゃん!」

加奈は叫んだが、美保は振り向きもせず、去ってしまった。



取り残された加奈は、諒を見た。鋭い表情で睨まれたので、少々怯えた。

ひー。どうしよう……

「その肩の傷……」諒は指差した。「止血した方がいいよ」
加奈はおそるおそる、訊いた。「中西君、その包帯は何処から……」
「卓郎が持ってた」

何で? よくわからない……田辺君。


「ちなみに裁縫セットも持ってんだ、あいつ。というわけで――」諒はやや笑んだ。
「お医者さんごっこでもするか」

加奈は度肝を抜かれた。「嫌だー。怖そうー、痛そうー!」
「我慢して」


諒は加奈の手を引っ張り、元の場所へと帰っていった。


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