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バトルロワイアルぺティー
329
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/07/03(土) 18:56 ID:2KqO5TgA
千嶋和輝(男子九番)と、大迫治巳(男子二番)は、H=6の小さな小屋にきていた。小屋の中を物色していると、その耳に銃声が響いてきた。
和輝は言った。「治巳、近くに誰かいる!」
治巳は簡易レーダーを見た。「本当だ。えーっと、赤い点がオレらのエリアの端っこを動いてて――消えた」
「消えたって何だよ!」和輝は思わず声を荒げた。
「他のエリアに移動したってことだよ。オレ、えーっと、植草サンが死んでるの、見ちゃったけど、表示されてたから」治巳は答えた。
「そっか……」
それなら、まだこのエリアでは人が死んでないということか。和輝はホッとした。
「よかった……」和輝は呟いた。
――とか言ってる場合じゃない。
「移動したって、どこに?」
「えーっと、右に向かってったから……」治巳はポケットから地図を取り出した。「H=7?」
「よし、行こう!」和輝は言った。
数百メートルほど歩いただろうか。変な建物を見つけた。車庫? のような、大きな物置のような。
「ねー、入ってみない?」治巳は言った。
「何で?」
急いでるんだけど。あれがもし加奈だったら――
「ちょびっとだけ! 何かこの中、荷物がいっぱいあるし、見て、このドア」
治巳は笑みを浮かべて、ドアを指差した。
鈍器で殴られたような、ぼこぼこのドアが目に映った。何だかドアが可哀相だった。
「何だこれ……」和輝は呟いた。
「何かあったに違いないじゃーん」治巳は能天気な口調で言った。「入ろうぜ、ね?」
――まあ、仕方ないか。そもそも、治巳がいなかったら捜索などできないのだ。
「三十秒で出るからな!」和輝は言った。
デイバック、通学用バック、そして、何か――赤いものが、絨毯にべっとりと付着していた。
和輝はその光景を見て、血の気が引いた。ここに誰かがいたのは間違いなさそうだった。しかも、争ったのも、間違いなさそうだ。
治巳はデイバックの中身を調べていた。「地図、食料、半分くらい入った水、化粧ポーチ、血のついたタオル……」
どうやら、ここにいたのは女子のようだ。でも、加奈はデイバックを持っていない。
「誰だかはわかんないな」治巳が言った。
「笹川のじゃないよ。あいつのデイバックはもうないし……」
治巳は和輝の方をチラッと見たが、更に奥へと入っていった。
何考えてんだ? あいつ。
和輝はそこに突っ立ったまま、ガムを紙にくるんで、捨てた。
こんなことしてる間にも、加奈は――。和輝はイライラし始めた。
「治巳。もう行こうぜ。ここにいたってしょうがないだろ?」
耳を澄ませたが、何も聞こえなかった。和輝はたまりかねて、治巳の近くに寄った。
「聞いてんのかよ?」和輝は言った。
治巳は和輝を見た。もう一つのデイバックを漁っていた。
「こっちは男だな。メンズ物のワックス、キャスターマイルド……」
治巳は煙草を手に取ると、自分のポケットにいれた(盗みかよ、と和輝は思った)。
和輝は言った。「もういいじゃん。今は誰もいないんだから。さっさと行こうぜ」
治巳は何か言いたそうだったが、頷いた。「そうだなー。何も手がかりはなさそうだし。いこっか」
「うん」
和輝は焦っていた。
「よし、H=7、行くぞおおお!」体育会系の応援のように、治巳は言って、自分のデイバックを持ち上げた。
「おお!」どちらかというと文化系なのだが、和輝も声をあげた。
二人は東へと走り出した。
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