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バトルロワイアルぺティー

327ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/03(土) 18:49 ID:2KqO5TgA

 その瞬間、博巳は銃を放り投げていた。
両手を上にあげて、降参のポーズをしたように見えた。


銃声が響いて、博巳の胸にそれが命中した時、博巳は笑顔を向けた。

「やるよ、それ」そう言って、そのまま地面に倒れた。



健臣はあっけにとられた。

健臣はかけよって、その銃を見て、更に博巳を見た。
「バカ、弾入ってない銃なんて役にたたないじゃん」健臣は呟いた。

「そうだよ。だから、おれの負け」博巳は力なく笑った。

してやられた、と健臣は思った。博巳の足を見た。血で赤く染まっていた。たった今、気がついた。

「あーあ、くやしいな。あの弾を外さなけりゃ、勝ってたのに……」
博巳は苦しそうだったが、口調は驚くほど軽く感じた。

健臣は答えた。「俺もくやしいよ。……余計なことしなくたって、俺はお前を殺せたのに」

いや、本当に殺せたんだろうか。何だかんだ言って、俺はいつもつめが甘いんだ。

博巳は笑みをこぼした。「どうせ、死ぬつもりだったから……」そう言って、空を見あげていた。



空を見上げたまま、目をしっかりと開けたまま、永良博巳は死んでいった。



健臣も静かに空を見上げた。この暗い森にも、ようやく、日の光が差し込み始めていたらしい。辺りは湿ったような、ひんやりとした空気が立ち込めていた。

健臣は思った。俺はバカだ。こいつの芝居に気づかなかった。普通にしてれば、殺さなかったかもしれない。そんな俺は、永良に全部見抜かれていた。
何だか悔しくなった。

「今度は負けねーからな」健臣は、博巳の死体に向かって言った。


答えてくれるはずもなかったが、博巳が少し満足そうな顔をしているように見えた。
【残り16人】


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