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バトルロワイアルぺティー

325ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/03(土) 18:44 ID:2KqO5TgA

 歩いているうちに、何だか不気味な森の中にきてしまった。田阪健臣(男子七番)は、疲れ果てて座り込んだ。
あれから一晩中歩き回ったが、見つけたのは死体ばかりだ。

御柳寿(男子十九番)と、鈴木菜々(女子十六番)の死体を見つけた。特に外傷がないところを見ると、二人は自殺したらしい。それから、初島勇人(男子十五番)、少し離れた場所で、梁嶋裕之(男子二十番)も死んでいた。二人とも、かなりの数の弾丸を浴びているようだった。

健臣は軽い眩暈に襲われた。死体を見ると、嫌な気分になった。前までは確かに動いていたのに、今はもう動かない。人形みたいなもんだ。

健臣は考えた。自分もやがて、そうなるのだろうか。真っ暗闇の中、永遠に何も見えない、何も聞こえない、何も感じないところ――

冷や汗が伝った。嫌だ。まだ死にたくない。


健臣は立ち上がって、逃げた。自分を襲ってくる、不安と恐怖から。それでもそれは、執拗に追い回す。健臣はとにかく、逃げた。



何かを見つけて、立ち止まった。人がいる。まさか、こんな森の中にいるなんて。午前七時になるというのに、ここはまだ暗い。健臣は、そっと覗き込んだ。


彼は体育座りで、微動だにしなかった。もしかして、死んでるってことはないよな。
健臣は、もう少し前に進んだ。

少しだけだが、顔が見えた。


――永良博巳(男子十二番)だった。
放心したように一点を見つめていた。目が真っ赤になっていた。

何があったんだろう。健臣は少々興味が湧いた。


ガサッ。


やっべ。健臣は足音を立ててしまったことを、後悔した。



永良は振り向いた。絶望を感じる表情だったが、それでも無邪気に笑っていた。
「あっ、田阪じゃん。久しぶりー」


博巳の顔を見ると、罪悪感のようなものが、健臣の頭を掠めた。

でも、俺はゲームに乗るって決めたんだ。こいつを殺さなくちゃいけないんだ。自分のために。心臓が高鳴った。健臣は、銃を強く握りしめた。


「どうしたんだよ。こっち来いよ」
唾を飲んだ。全く敵意はないようだ。勿論、自分を疑ってもいないだろう。

「ああ」健臣は頷き、足を進めた。


博巳は言った。「突っ立ってないで座ろうぜ。話す人いなかったから暇でさ」自分の隣のスペースを空け、手で叩く仕草をした。
少し不安だったが、健臣はとりあえず座った。


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