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バトルロワイアルぺティー

323ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/07/01(木) 20:48 ID:2KqO5TgA

 新井美保(女子二番)を抱きすくめると、骨だらけの背中ですら、随分と柔らかいことに気づく。小柄な体も、丸いフォルムを描いた体も、全て、自分とは全くの別物の物体なのだと思わせた。

「あいつのことなんてどうでもいいの。今が楽しければいい。そう、思わない?」美保は笑みを浮かべて言った。

美保に言われると、本気でそんな気がしてくるから不思議だ。勿論、それどころではない状況なのにも、気づいていたが。
「笹川が戻ってきたらどうするの?」
「鍵閉めてあるもん」

閉めだすのかよ。まあ――いいけど。


諒は、美保の体の一番柔らかい部分に触れた。



美保はブレザーの袖の中に入っていた剃刀をゆっくりと取り出して、諒の首筋に持ってきた。

ごめんね、そろそろお別れだね。私はもうちょっとしてもいいけど、笹川さんがくる前にさっさと殺さなきゃやばいでしょ。


「あのさ……」

今にも首筋を切り裂いてやろうと思ったその時に――諒が顔をあげた。


そして、美保の手に剃刀が握られているのを見とめた。


ちっ。美保は心の中で舌打ちをし、さっさとやればよかったと後悔したが、とにかく、それを振り下ろそうとした。


諒は驚いて、美保を力いっぱい突き飛ばした。


美保は後ろに倒れかけたが、しりもちをついた。「痛いよ、中西君」
「新井……」

諒は何かを言おうとしたが、美保は構わず襲いかかってきた。



コツコツとドアを叩く音がした。「新井さん、中西君、開けて」

笹川加奈(女子十四番)が帰ってきたのだ。諒は反射的にドアを見た。一瞬のことだったが、美保はその隙を見逃さなかった。

スカートの腰に差していたタクティカルナイフを取り出し、振り下ろそうとした美保に気づき、諒は夢中で蹴り飛ばした。
「うっ……」


美保は地面に転がり込み、腹を押さえて咳き込んだ。


やばっ。手加減してなかった。

一瞬謝ろうと思ったが、自分が殺されかけたのだということを思い出し、その言葉を飲みこんだ。


美保は床に這いつくばったまま、諒を睨んだ。



加奈はドアに耳をくっつけて、中の様子を観察した。よく聞こえないけど、がたがた音がする。まさか――

嫌な予感がして、加奈はドアを叩いた。「新井さん! 開けて!」



「笹川!」突然ドアが開いたので、加奈は驚いて飛び上がりそうになった。「逃げよう!」中西諒は加奈の手を掴んで、言った。

何で? 加奈は疑問に思ったが、美保を見て、その姿に釘付けになった。
「新井さん、どうしたの?」

美保は半ば放心したように、言った。「中西君に襲われたの」
加奈は不審の目で、諒を見た。
「違う。おれは殺されかけたんだよ!」諒は叫んだ。


加奈は二人を見比べた。どちらが嘘を言っているのかはわからなかったが、美保が苦しそうに息をついているのが、妙に痛々しく感じた。

「放して!」加奈は諒の手を振り払い、美保に向かって、走った。
「新井さん、大丈夫?」

近寄ったところで、気がついた。美保はくすくすと笑っていた。


「忘れてた。銃があったんだ」


美保は胸ポケットからそれを取り出すと、加奈に向けて、平行に持ち上げた。


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