[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
バトルロワイアルぺティー
31
:
リズコ
:2004/03/07(日) 23:25 ID:1Nf1VncU
植草葉月(女子六番)は、井上聖子(女子五番)と待ち合わせをしていて、今はここ、H=5にいた。
聖子は危険を冒して、葉月を待っていてくれた。葉月はホッとしていた。聖子なら信用できる。そう思っていた。
葉月と聖子は家が近所で、昔からの友達だった。
葉月はこの辺りの地区では、かなりの金持ちの家の子供だったが、小さいころから甘やかされ続けて育ったせいか、よく言えば、素直で正直で、悪く言えば、わがままで気の強い性格に育ってしまった(まあ、本人は全く自覚がなかったが)。
だから、友達は少なかった。皆、葉月の性格についていけなくなって、離れていってしまうのだ。そして、いつも孤立してしまう葉月に、珍しくしぶとくついていった子が、井上聖子だった。
聖子はおとなしいけれど、芯が通っていて、葉月が間違ったことを言っていたり、していたりすると、必ず「そうじゃないよ。葉月」と、忠告してくれたのだった。
初めは腹が立った葉月も、次第に聖子の言葉にだけは耳を貸すようになった。ただ、やはり、葉月のわがままと気の強さだけは、今でも健在だったが。
そして、この日も二人は一緒にいた。だが、聖子の様子は、どことなくおかしかった。葉月がこれからどうしようかと話をしても、黙って聞いているだけで(もしかしたら聞いてないのかもしれない)、何も言おうとしなかった。
次第に葉月も喋るのに疲れて、水を飲んでいた。
聖子が、不意に口を開いた。
「ねえ葉月、私達これ以上一緒にいない方がいいんじゃない?」
葉月には、凄く意外な言葉だった。「何で?」葉月は訊いた。
聖子は静かに息をついて、話し始めた。
「私は生き残りたいの。そのためには、一人の方がいいんだ。葉月がいると、正直、足手まといなの。だから、ここで別れよう」
「嫌だよ!」葉月は強い口調で言った。「もし敵が襲ってきたって、一人でなら勝てないけど、二人なら勝てるかもしれない。夜だって二人でいれば、代わる代わる見張りをして、寝ることだって出来るよ。とにかく私は一人ではいたくない!怖いもん」
聖子は一通り聞いていたが、ふう、とため息をついて、「仕方ないなぁ」と言った。
葉月はホッと胸を撫で下ろした。やった、わかってくれたのね。
だが、それは一瞬の安堵でしかなかった。聖子が、葉月に銃を向けていたので。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板