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バトルロワイアルぺティー

309ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/21(月) 01:03 ID:2KqO5TgA

 だって仕方ないじゃん。ずっと、そうやって生きてきたんだもん。中二の時に家を飛び出してから。

雪燈は自分の家族に、何もかも嫌気がさしていた。父は、雪燈が十歳の時に、いなくなった。どこへ消えたのかはわからない。でも、お父さんのことだから、きっとどこかで生きているだろう。雪燈は子供心にそう感じていた。
それからは、母親と妹、そして雪燈の、三人暮らしになった。自由で放任な父と違い、母は厳格な性格で、どこか父親似の自分を、決して愛そうとはしてくれなかった。
母はいつも言っていた。“あんたの目が嫌いなのよ。その黄色い目が……”そう言われるたび、凄く悲しくなった。
雪燈は父親譲りの、とても綺麗な色の目をしていた。その目は見ている者を虜にするような、不思議なオパール色だった。

だが、母は雪燈の目を見るだけで、自分の夫(元夫と言った方がいいかもしれない)を思い出すらしく、不快な表情を浮かべた。そのせいで、雪燈は自分の目が嫌いになった。
思春期になった雪燈と母親の間には喧嘩が絶えなくなった。母はいつも妹の倫子ばかり可愛がり、自分には何もしてくれなかった。妹もまた、自分が姉より可愛がられているということで、雪燈を見下し、罵った。

耐えきれなかった。雪燈は髪を染め、ピアスを開けて、近所の高校生達とつるむようになった。不思議なことに、母にあれだけ嫌がられていた目の色を、その人達は褒めてくれた。
嬉しかった。ずっと自分の目は醜い物だと思っていた。でも、そう言われたことで、少し救われた気がした。

あのころが、一番楽しかったかも。何も考えなくてよかったし。流されるだけ。流されるまま、家を出た。

中二の夏、家を出る決意をした。別に特別な事件が遭ったわけではない。しかし、今までの塵が、窒息してしまいそうなほどに積もっていた。もう我慢出来なくなったのだ。
雪燈はその当時付き合っていた大学生の家で暮らし、家には全く帰らなくなった。家に帰らなくても、何も寂しいことはなかった。あんな冷たい血の繋がりより、赤の他人の方が温かい。そう思っていた。

やがて大学生と別れると、一人で街を彷徨った。そこで知り合った人と一夜を共にしたり、新しい男を作って家に転がり込んで暮らしたりした。
やがて、知り合った男に仕事を紹介してもらって、そこで働いた。勿論、普通のアルバイトではなかった。夜の店で、下働きとして働いた。
しばらくすると、そこの主人に売春を勧められた。最初は怖かったが、やってしまうとそんなに恐ろしくはなかった。一万円札が何枚も手に入る、それだけで満足だった。
体を使って稼ぐことに味をしめた雪燈は、やがてそれを日常的に行うようになった。こうやって生きてゆくのも、悪くない。そう思って過ごしていた。

懐かしいなー。あのころはあたしも若かった。まあ、今もだけど。

そんなことをしていても、本当は、楽しい学校生活に憧れがあった。今までは、経験できなかった。そのために、頑張って勉強をした。そして、この高校に入った。友達も出来て、雪燈は前より少し、幸せになった。
高校に入ってからは、濱村あゆみ(女子十九番)と一緒に金を荒稼ぎした。誘われるままにホテルに入って、先払いで逃げる。または客がシャワーを浴びている隙に、財布から金を盗む。そんな行為を繰り返していた。

そして、今。売春はやめて、あたしはなぜか、こいつと一緒にここにいる。何でだろう。

――まあ、成り行きだけどさ。


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