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バトルロワイアルぺティー

300リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/17(木) 22:04 ID:2KqO5TgA

 憐一は博美を見た。苛立ちを感じた。逃げずに、なぜか自分の前にいる、このよくわからない女に。
「何で逃げないの?」

博美は微笑して、答えた。「柴崎君は、きっと怖いだけなんだよね」手を組んで、続けた。「右頬を殴られたら、左頬を差し出してあげなさいって、ママがいつも言ってた。そうすることであなたが救われるなら――」

博美は顔を上げて、明るい表情で言った。「でも、その前に、柴崎君がどうしてわたしを殺したいのか、訊かせてほしいの」
「別に……人数を減らそうと思っただけ」
「あなたは怖いのね。でも、人間は元々悪い心だらけだと言われてるけど、わたしは、それだけじゃないと思うの」


変な女。今まで会った中で、おそらくトップ。憐一は何だか戦意を失ってしまっていた。


博美は、憐一に近寄ってきた。憐一の手を握り締めて、言った。「怖くても恐れちゃ駄目よ。一緒に、この試練に打ち勝ちましょう」



憐一は苦笑した。

「あーあ、やめたやめた!」博美の手を払うと、言った。「あんたのそのバカみたいな真面目な面見てたら、殺る気なくした」

博美の顔が、ぱっと輝いた。
やった、わかってくれた。やっぱり、心から説得すれば、わかってくれるものなのよ。


「丸腰の女殺すのも、夢見悪いしな」


憐一は立ち上がって、そのまま歩き出した。



憐一の後ろ姿を見送りながら、博美は微笑を浮かべていた。朝になったら、また神様にお祈りしよう。


しかし、現実は残酷なものだった。博美本人には、実は、ずっと前からわかっていたことだが。
【残り19人】


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