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バトルロワイアルぺティー

29リズコ:2004/03/07(日) 01:45 ID:1Nf1VncU
そこには、中西諒(男子十番)と、和輝だけが残された。和輝も、血の気がサーッと引いていった。やばい、殺されるかも。


諒は卓郎の死体を見て、駆け寄ってきた。
「卓郎!どうして・・・」
冷たくなった卓郎の手を掴んで、そのまま下を向いて泣いていた。

和輝はそれをジッと見ていた。いささか呑気なことだが、珍しいものを見たという思いがあった。


諒は顔を上げて、和輝に詰め寄った。
「お前が、殺したのか!?」苦しそうに叫んだ。

「いや、俺じゃないよ。俺がきた時には・・・争ってて」薫のことを言おうか迷った。諒は少しの間沈黙した後、口を開いた。

「じゃあ、お前じゃないんだな?」和輝はこくりと頷いた。
「誰が殺したんだよ?」諒は言った。ある決意に燃えた顔だった。

和輝は言いにくそうに呟いた。「・・・大島」


諒はのろのろと立ち上がった。
「わかった。悪かったな」惚けたように呟くと、デイバックを持ち直した。
「早くここから出た方がいい。疑われるぞ」諒は言った。


和輝は意外に思った。有無を言わせず殺されるのかと思っていたが、諒は冷静に状況を判断していた。
卓郎と諒は、タイプが違ったが、なぜかとても仲がよかった。その卓郎が死んだのだ。本当は凄く犯人が憎いのだろう。しかし、和輝を犯人ではないと判断したようだ。和輝は諒を少し見直した。



和輝がその場を去った後、諒は一人、そこに残った。
卓郎に別れの言葉を言っていた。誰からも怖がられている自分に、普通に接してくれた奴なんて、こいつが初めてだった。

香山智(女子十一番)が出てきて、短い悲鳴をあげた。諒が振り向くと、智は泣きそうな顔をして逃げていった。


諒はその場に腰を下ろした。次に出てくる男を待っていた。
―――足音が近づいてきた。

仲田亘佑(男子十一番)は、諒と卓郎の姿を見ると、驚いた表情をした。

「これはどういうことだよ?」と、叫んだ。
諒は言った。「殺されてた。犯人は、大島って奴だって」

亘佑は鋭い目を細めた。「わかった。行こう」亘佑は独特の低い声で言った。
諒は立ち上がった。じゃあな、卓郎。心の中で呟いて、その場を後にした。【残り42人】


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