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バトルロワイアルぺティー

289リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/12(土) 17:25 ID:2KqO5TgA

 ペットボトルに入っていた水を少々使い、持ってきていた歯ブラシ(修学旅行で使うはずだったのだ、もう関係ないけど)で歯を磨いて、加奈は口をゆすいだ。

「まあ、とにかく寝るね。その次は柴崎君が寝ていいよ」加奈は言った。
「わかった」


加奈は横になった。色々なことがありすぎた。クラスメイトがどんどん死んでいく。この重圧感に、耐えられそうもなかった。目を閉じると、小笠原あかり(女子十番)の顔が思い浮かんだ。それから、大島薫(女子九番)黒川明日香(女子十二番)、三条楓(女子十五番)の顔も、次々に思い出された。
みんな。どこまでいけるかわかんないけど、私、頑張るね。


加奈は眠りについた。



博美は憐一に話しかけた。「柴崎君って、どこに住んでるの?」

初めまして、の次に言われるお約束の質問。博美は、憐一と仲良くしようと考えているらしかった。

「近いよ。学校から自転車で十五分くらい」
「ふーん。いいなー」
「そっちは?」
「わたしは電車で一時間半もかかるよ」

その話で時間をつぶした後、憐一がふと、訊いた。

「内さんは、何でそんなに元気なの? 怖くないの?」
博美は少し考えて、それから答えた。「怖くないと言えば嘘になるけど、人間はいつ死ぬかわからないものだもの」少し小さな声になって、続けた。「神様の下へいけると考えれば、恐ろしいものじゃないの」
憐一は少々物珍しそうな顔をした。「何でキリスト教系の高校に入らなかったの?」
「お金がなかったから。公立じゃないと……」
「そっか。俺は校則がゆるいから入ったんだけどね」
「……わたしも。実はピアスしたかったんだ」博美の言葉に、憐一は笑みを浮かべた。
「いいじゃん。似合うよ」
「ありがとう」博美は言った。

少し間を置いて、言った。「わたし、この学校にきてよかったと思う。こんな風に殺しあうなんて考えてもみなかったけど、それでも、よかった。いい友達もたくさんできたし」
「俺も、よかったよ」憐一は下を向いて、少し自嘲気味に言った。


「そうだ。乾杯しようよ。二人のオシリアイ記念に」
「お知り合い?」
もうすぐ死ぬのに。ついそう思ってしまって、博美は反省した。

「でも、加奈ちゃんに――」
「気にしない気にしない」憐一はデイバックから、カクテルを出した。
「酒とか平気?」
「飲めるけど、酔いつぶれたら困るし……」
「ちょっとなら大丈夫だよ」憐一は紙コップを渡した。
「どこでそんなもの持ってきたの?」
「キャンプの時にくすねてきた」それから、紙コップにカクテルをついで、自分が飲んでみせた。「度数も高くないし、一杯なら平気だよ」
「……そうだよね!」
博美は憐一からコップを受け取り、中に入っている青い液体を見た。綺麗な色。朝焼けの青みたいな。

「乾杯」
「かんぱーい」

一気に飲み干した。おいしい。ちょっとぬるいけど、それと引き換えても。推理小説とかだとこれに毒物が仕込んであるとかいう話があるけれど、そんなこともないみたい。
一瞬でも憐一を疑ってしまったことを、恥じた。


「柴崎君。誰か、クラスに会いたい人はいる?」なぜそんな質問が出たのかはわからなかったが、博美は訊いた。
「そうだな――」憐一は少々考えて、言った。「治巳とか、達也とか、田阪とか、和輝とか、め……有山とか」
「そうなんだ。会えるといいね」博美は笑顔で言った。




――泥のように眠る博美を見て、憐一は少しだけ笑んだ(本当に少し、一ミリほど)。

よくある手だけど、こんなうまく引っかかってくれるとは思わなかった。

それから、ワイシャツの胸ポケットに入っていた銃――コルトガバメント45口径を取り出し、博美の額にポイントした。

こんなに近くなんだ。銃を撃ったことなんてないけど、はずすわけがない。

憐一は重い撃鉄を押し上げた。ガチッと、乾いた音が響いた。
【残り20人】


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