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バトルロワイアルぺティー

277リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/05(土) 00:44 ID:2KqO5TgA

「はー、腹いっぱい」博巳は自分の腹をさすりながら言った。満腹だ、大満足だ。

「井戸に行ってくるわ」梁島が言った。
「井戸なんかあったっけ?」
「ああ、裏側にあったよ。つーか二人とも、初島の分も食っちゃって、どうすんだよ」


……あ!

博巳は食べるのに夢中で、勇人のことをすっかり忘れていた。
「おい、あいつ遅すぎないか」
もしかして、何かあったとか。博巳の胸に不安がよぎった。

「だからー、うんこだから時間かかってるんだよ。それくらい察してやれよ」敏紀が言った。
「でも、もし何かあったら――」博巳の言葉を、敏紀が遮った。「もし探し出して、真っ最中だったらどうするんだよ。向こうだって気まずいだろうが」
そ、そう言われてみれば……。博巳は思い直した。まだ少し心配だったが。


その時、梁島が言った。
「でも、もしかして何かあったのかもしれない。行った方がいいかもな」
「じゃあ、おれ探しに行って来るよ」

そう言うのと同時に、博巳は一目散で外に出ていった。



残された部屋には、梁島裕之と新島敏紀だけが残った。
裕之は横になってくつろいでいる敏紀を見て、ふとした違和感を覚えた。すぐ近くには、ウージーがちょこんと置かれていた。
……さっき聞こえた銃声は、マシンガンのものだった。もしかして――


裕之は少しの間黙ってその場に立ち尽くしていたが、やがて言った。
「鍋を洗ってくるよ」
敏紀は振り向きもしないまま、「おう」と答えたきりだった。



梁島が外に出ていった後、敏紀は一人、呟いた。「さてと、腹ごしらえもしたし、もう用はねえな」ふっと笑った。
少し休むと、立ち上がって外に出た。



博巳は柔らかい腐葉土の上を歩いていた。雑木林が広がっていて――その向こうには、大きな木が悠然と立っていた。
すげえ。あそこまで行ってみようかな。
それにしても、勇人はどこ行ったんだよ、ったく。

確かにまだ腹を立てていたが、いつまでも仲違いしているわけにはいかなかった。口は利いてやらないけど、でも一応探してるだけだよ。そう唱えながらも、博巳は、心配していた。

辺りを探した。声を出すのはまずいかな。でも、ちょっとだけなら……

博巳は声を抑えつつ、叫んだ。「おーい、勇人どこだー? おーい」
返事はなかった。全く、どこまでうんこしに行ってるんだか。


キョロキョロしながら、歩いていた。


「おい!」声がして驚いて振り返った。
「何だよ、梁島。ビックリさせんなよー」

梁島はなぜかデイバックを持って、息を切らしていた。胸ポケットには、しっかり銃が収まっていた。

「逃げるぞ!」梁島の言葉に、博巳は意味がわからず、「は?」と言った。
「初島を探して、すぐにここを離れよう」
「いや、今探してるじゃん。何でそんなに切羽詰ってんの?」
「もしかして――初島はもう駄目かもしれない。とにかく、早くしないと……」
「だから何で? ってか敏紀は?」
梁島は博巳の問いに答えなかった。黙り込んだまま、ふと気づいたように走り出した。


「おい、梁島?」
何だよ、あいつ。意味わかんねー、と思いつつ、博巳は後を追いかけた。


風に乗って、微かな香りが鼻についた。これは――嗅いだ覚えのある香りだった。生臭い。昨日の夜、校門を出た時に嗅いだ香りと、似ていた。真新しい血の香り。
採れたての血はいかがですかー? 背中に籠を背負ったおばさんが、それを売っている姿が頭に浮かんで、すぐに打ち消した。……なんて呑気な想像力なんだ。


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