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バトルロワイアルぺティー

275リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/04(金) 17:01 ID:2KqO5TgA

 ぱぱぱぱと音がした。
勇人の体には、いくつもの穴が空いた。


「ぐっ……」勇人は後ろに倒れかけ、大木にドッとぶつかった。

「な、何で……」かろうじて、声が出た。
敏紀は言った。「前に言っただろ。お前は人を信じすぎるんだよ。あいつらもな」

信じられなかった。今まで二年間、ずっと一緒にやってきた仲間だと言うのに。


部活帰りにみんなでアイスを食べたり、朝から近くの公園に集まって練習をしたり。おれはヘタクソだったけど、博巳はいつも言ってくれた。「大丈夫だよ。むしろ、おれがバスケ始めた時よりうまいよ。絶対うまくなるから。一緒に頑張ろうぜ」

嬉しかった。いつも鈍くさくて、チームの足手まといにしかならなかったのに、博巳は遅くまで練習に付き合ってくれた。
何で、あいつを裏切ったんだろう。これ以上ないほど、大好きな仲間だったのに。勇人は後悔していた。
敏紀もシュートやディフェンスのコツを、おれに詳しく教えてくれた。いい仲間だと思ってた。なのに――


至近距離から撃ち込まれた弾は、確実に勇人の体を蝕んでいた。だが、かろうじて急所は外れていたようだ。勿論、自分が死にかけていることだけはわかったが。

「博巳と梁島も、すぐにそっちに行くと思うから。じゃあな」まるで普通のことを言うかのように、敏紀はそう言ってのけた。

「駄目だ!」勇人は叫んだ。
その瞬間、口から霧のように血が噴射されたが、自身では、そんなことには全く気づいていなかった。

そんなの駄目だ。博巳はまだ、死――



銃声がして、勇人の思考回路は、遮断された。


大木にドチャッと体が強く打ち付けられ、勇人はそのままズルズルと下に下がっていった。おびただしい鮮血が、木を赤く染めた。
勇人の頭は半分ちぎれかけていた。



敏紀はそれを見ていた。何の表情もない目で。
まずは一人目。いい調子だ。残りの二人も……この調子で殺さなきゃな。


敏紀は目の前の死体には目もくれずに、血で染まった大木を後にした。
【残り22人】


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