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バトルロワイアルぺティー

274リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/06/02(水) 21:43 ID:2KqO5TgA

「勇人」
唐突に自分を呼ぶ声が聞こえて、勇人は目を開けた。新島敏紀(男子十四番)がいた。

「あれ? 見張り交代の時間だっけ?」勇人は時計を見た。時計の針は、今が午前二時、四十分を切った場所を指していた。
「いや、まだだけど。トイレ行かない? 一人じゃ怖くってさ……」
勇人はそれを聞いて、笑ってしまった。意外に怖がりなんだな。

「いいよ」勇人は頷いた。

この家は、なぜかトイレがない。食料もない(なのに囲炉裏はある)。どうやらここは、人が住む目的で建てられたのではないようだ。


まあそれは置いておいて、敏紀と勇人は、外に出た。

敏紀が早足で歩くので、勇人はついていくのが大変だった。

「家に誰もいないけど、大丈夫かな」
勇人は小走りになって、敏紀に追いつくと、言った。
敏紀は抑揚のない口調で答えた。「大丈夫だろ。どーせここの周りなんて誰もこないよ」

そうだよな。でも、トイレなんてその辺でいいじゃねーか。どこまで行くんだよ、オイ。



突然、敏紀は止まった。

一つの大きな木が、生い茂っていた。それはまるで木の神、いや、むしろ化け物といった感じの大きさだった。

風が吹くのと同時に、木の枝や葉がザザザと音を出して揺れ、それはまるで何かを言おうとしているかのように聞こえた。

“俺達の森を汚すなよ。殺しあいなら他でやりな”か、それとも、“ここは危ないから、早く逃げなさい”だったのかもしれない。


「でかい木だな。樹齢いくつくらいあるんだろ」勇人はそう呟いたが、敏紀は何も答えなかった。ただ、振り向いてジッと勇人を見据えた。

「……トイレは?」勇人は訊いた。
敏紀は言った。「そんなもの、もういいんだよ。実はさっき、そこの草むらでしたから」
「じゃあ、何でこんなところに……」


言うか言わないかの間だった。敏紀が持っていたウージーが、火を噴いた。


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