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バトルロワイアルぺティー
261
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/05/28(金) 19:48 ID:2KqO5TgA
重苦しい沈黙を破るように、梁島が口を開いた。「この後の見張りはおれがやるよ。今は八時半だから、十二時までかな。その後はどうする?」
敏紀が手をあげた。「俺がやるよ。さっき仲間に入ったばっかだから働かなきゃな」
梁島は一瞬だけ間を置いたが、決まりだな、と言った。
「じゃあ新島は十二時から三時まで。初島は三時から六時まで。この時間帯が一番人は少ないだろうから、その時間帯に食料を取りに行くか」
「ああ、でも、誰が行くの?」勇人が尋ねた。
「初島は見張りだから無理だろ。新島も見張り終わったばっかだから、きついだろうな。おれと永良で行くよ。いいか?」
博巳は突然話を振られたので少し驚いていたが、「わかった」と答えた。
梁島が、紙コップに、コーヒーを入れた。紙コップまで持ってきたのか……。凄いけど、用意よすぎじゃないのか?
「本当に手際いいな。何で?」博巳は訊いた。
梁島は携帯灰皿に煙草を押し付けると、言った。「昔、親父や友達とよくキャンプとか行ってたし、今は一人暮らしだからさ。社会勉強として、な」
「ふーん。大変だな」博巳にはよく意味がわからなかったが、とりあえずそう言った。
――って、何が大変なのかわかってんのか? 我ながら、なんて中身のないセリフだ。博巳は後悔したが、梁島は大して気にも留めていない様子だった。
「まあな。でももう慣れたよ。今の生活はそれなりに楽しいし」
「そっか。でも、こういう奴が仲間にいてくれて、良かったよ。な?」
勇人が博巳と敏紀に同意を求めたので、二人は頷いた。
「あ、のさー。悪いけど……」梁島は、少し迷った風に、でもはっきりと言った。
「おれはずっとここにいる気はないから」
「何で?」博巳は思わず、声を上げた。そんな。せっかく仲間が出来たと思ったのに。
梁島はコーヒーカップから口を放すと、訊いた。「たとえば、もしこの四人が生き残って、他に誰もいなくなったら、あんた達はどうするの? 心中でもすんのか?」
それは……どうするのだろうか。予想もしていなかった。
梁島は続けた。「自殺する気がない限り、四人で戦うことになるだろ。今の今まで仲間だった奴を殺すことなんて、おれにはできない」
「おれは、殺しあったりしないよ!」黙っていた博巳の代わりに、勇人が言った。
梁島は少しの間黙っていた。「今はそう思ってても、いつ気が変わるかわかんないよ。だからそうなる前に、ここを出て行く。悪いけど……」少し苦々しい表情だった。
勇人は悲しそうな顔をしていたが、敏紀は言った。「ふうん。じゃあしょうがないよな」
「敏紀!」責めるように博巳は言ったが、敏紀は遮った。
「嫌だって言ってるのに、わざわざ引き止める理由なんてないと思うけど?」
「まあ……」博巳は黙った。
「まあ、それまでよろしく」
梁島は少し笑顔を見せながらそう言うと、煙草の煙を吸い込んだ。
敏紀は押し黙って、コーヒーを飲んでいた。
梁島がここを抜ける前に殺らなきゃな。博巳と梁島が食料を探しに出ていった後に、勇人を殺す。そして、戻ってきた二人の隙をついて、マシンガンで粉々。
少し計画は狂ったけど、まあいいだろ。あとはその時を待つのみ、か。覚悟してろよ。敏紀はそう思いつつ、一気にコーヒーを飲みほした。
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