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バトルロワイアルぺティー

259リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/28(金) 19:42 ID:2KqO5TgA

 梁島裕之(男子二十番)は、トイレに行ったと思ったらなかなか帰ってこない、挙句の果てに、また人を連れてきた博巳を見て、唖然とした。

裕之は手招きをした。
「永良。ちょっとこい」
「なに?」
「勝手に人連れてくんなよ。もしやる気になってたらどうするんだ?」
「ごめん。でも、敏紀なら友達だし――」博巳はしゅんとした様子で答えた。
「そういうのが通じるゲームだとでも思ってるのか? あいつが信用できる証拠でもあるのかよ?」

博巳は黙り込んだ。少々言い過ぎたかなと思いながらも、裕之もそのまま黙り込んだ。


博巳が言った。「もしかして、おれと仲間組むんじゃなかったって、後悔してる?」
「ごめん。梁島一人なら何とかなるかもしれないのに――」寂しそうな顔で、目を伏せた。

裕之は思った。バカだな、こいつ。多分幸せな毎日を過ごしてきたんだろう。だから、こんなにまっすぐで、純粋培養な性格してるんだ。


ため息をついた。「ああ。もういいよ。あんたなら信用できそうだし、初島も悪い奴じゃなさそうだ。でも――」
博巳の顔が、ぱあっと明るくなった。「だよな。ありがとう! やっぱお前っていい奴だよ!」裕之の手を握って思いっきり上下に振った。
いや、話聞けよ。

「あのなあ、でも、こんなゲームの中じゃ極めて人は信じない方がいいんだぞ」
「わかってるけど、敏紀なら大丈夫だよ!」

はあ。
まあ、新島って奴をよく見てみないとわからないか。裕之はため息をついて、頭を掻いた。



「敏紀! 昨日ぶりじゃん」初島勇人(男子十五番)は、歓喜の声をあげた。
「久しぶり」敏紀は笑んだ。
こんな性格であっても、少しは感慨というものがあったようだ。まあ、それは本当にほんの少しのことだったが。

「これでうちのクラスのバスケ部は全員揃ったな!」博巳が嬉しそうに言った。「嬉しいよ。島崎と聖人は死んじゃったけど……」
敏紀は一瞬、ぴくっと反応した。島崎は、俺が殺した。

博巳は涙ぐんで、続けた。「死ぬ前に……二人に会えてよかった」
「バカ。縁起でもないこと言うなよ!」勇人は博巳の背中を叩いた。
「うん。ごめん……」博巳は涙を拭った。



季節外れの(更に時代外れでもある)囲炉裏端を取り囲む、四人の男がいた。

「これからどうしようか」永良博巳は三人に問いかけた。新島敏紀、初島勇人、梁島裕之。
最初に口を開いたのは梁島だった。

「とりあえず、外からの襲撃を防ぐために見張りをつけよう。あと、こんなパンだけじゃ体が持たないから、明日にでも民家に行って、食料を探した方がいいな」そう言って、おもむろに持っていた煙草に火をつけた。

敏紀は意外に思った。梁島はあまりクラスメイトと話すタイプではないし、いつも窓の外を見て、物思いに耽っているような人間だった。勿論、成績も普通といったところ。
だが、こんな非常事態には、誰よりも冷静に対処していた。こいつは曲者かもしれない。ほのかにそう思った。

「ってことは明日移動するのか?」博巳は訊いた。
梁島は眉をピクリと動かした。「いや、ここは近くに森があるし、D=7のでっかい建物に隠れて周りからは見えにくいんだ。隠れ家にはもってこいだから手放す気はない。二対二に別れて行動。どう?」
三人は黙った。

「いいんじゃない」敏紀は言った。その声をかわきりに、残りの二人も頷いた。


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