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バトルロワイアルぺティー
256
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/05/26(水) 22:38 ID:2KqO5TgA
盗聴機についているヘッドフォンから、一度耳を外した。
よし、今のところ異常はなさそうだな。昔プログラム対象地域の、政府が管理していた分校を爆破しようとしていた生徒がいたらしいが、今回はそんなことはなさそうだ。
哲弥はふうっとため息をついた。
近くでは、まだ荒木と横山が話していた。
「しかし、対象年齢を上げたのは結果としてよかったですよねー。前は分校で騒ぎ出すバカがたくさんいたけど、今回はそういう生徒は一人もいなかったし」
「うむ、高校生を選んだのは正解だったよ」
「でも、このクラス可愛い子多いじゃないですかぁ。ちょっと勿体なくないですか? 僕この二十一番の冬峯って子、かなりタイプなんですけどー」
「確かに殺すのが惜しい生徒が多いな。私は新井美保だな。いい体をしている」
二人はクックックと下卑た笑いを浮かべた。哲弥は呆れながら、また盗聴機とモニターに目を向けた。
後ろからある人物のアニメ声が聞こえた。
「もう疲れちゃったー。哲弥くん、今度は放送替わってねー」
真紅のぴたっとしたタイトなワンピース、はちきれんばかりの大きな胸を揺らして、橘夕実はやってきた。とろんとした目に、赤い唇。かなりハデハデなのだが、それが不思議と似合っていた。
夕実も同じく、このプログラムの担当官だった。どうやら、大学生一人では心配なので、二人担当官をつけさせたらしい。夕実はこう見えて、かなり優秀な人物だということだ。
「ねー、何やってるの?」
「盗聴」
夕実はフッと笑った。「犯罪っぽいよ。それ」
「このプログラム自体犯罪でしょ」
夕実は少し黙って、それから哲弥を見た。
「こんなところもう飽きちゃった。終わったら二人で飲みに行こうね」夕実は後ろから、哲弥の肩に両手をかけて、言った。
「気が向いたら」
哲弥の返事に、夕実は、もう! と言って、手を放した。
「それにしても今回のプログラムは予想がつかないのね。このちっちゃい子が一番殺してるんでしょう?」夕実は井上聖子(女子五番)の写真を見た。
「ああ、でもまだ半分もいってないから、わかんないですよ」哲弥は答えた。
「そうだよな」後ろから横山が言った。「まるっきり大穴だよ。でも優勝するのがこの子だとは限らないからな。まだ希望はあるぜ」
夕実が尋ねた。「横山さんは、誰に賭けてるの?」
「オレ? オレはあの……」
横山は少し迷った後、中西諒(男子十番)の写真を指差した。「そうそうこいつだよ。喧嘩強いらしいし」
「あー、彼ね。彼はいいわよね。タイプだしー。勝ってほしいなー」
「じゃあ夕実ちゃんもこいつに賭けたの?」
夕実は首を振った。「アタシは大迫治巳」治巳の調査書を見て、更に続けた。
「こいつは優勝する。絶対ね」
凄い自信だ。大迫、か。どうだろうな。哲弥は考えた。
夕実は訊いた。「荒木さんは誰に賭けてるんですか?」
「私は梁島裕之だ。こいつはやりそうな予感がするぞ」
こんな感じで、三人は、それぞれの賭けの対象について話していた。
肩に手がかかって、夕実の顔が至近距離にくるのがわかった。
「哲弥くんは、誰に賭けたの?」夕実に訊かれた。
哲弥は賭けなど眼中になかったが、荒木がしつこく勧めてくるので、仕方なくある人物に賭けた。
「俺はこいつだな」
哲弥が指した人物を、夕実はジッと見つめた。
「ああ、哲弥くんの昔の彼女か。どうなのかな。でも大穴狙ってるなら、当たったらかなりの額になるだろうけど」それから、哲弥を見て、言った。「ズルは許さないからね!」
「わかってますよ」
調査書から覗いた笹川加奈(女子十四番)の写真を見て、哲弥は寂しそうに笑った。
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