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バトルロワイアルぺティー

236リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/16(日) 00:36 ID:2KqO5TgA

 慎重に上って、二人は頂上まで来た。


辺りを見回した。倒れている男子生徒の姿以外は、特に変わったものはなかった。
「……死んでる」治巳が呟いた。


代々木信介(男子二十一番)は、口から血を流していた。少しだけ開いた目は、どこも見ていなかった。それは、間違いなく死体だった。

「俺が、撃ったんだよ」和輝は小さく呟いた。
「まあ、しょうがねーよ。進んで殺したわけじゃないんだろ?」
「違うよ。襲われて……」
「だったらいいよ。気にすんな」治巳は少しだけ笑った。


デイバックの中身はこぼれてぐちゃぐちゃになっていたが、無事な物もあった。銃弾と、磁石。他は使い物にならなかった。

「戻るか。洞窟行こうぜ」
和輝の言葉に、治巳は地図を覗き込んでいた顔を上げて、言った。
「洞窟なんて、どこに描いてあんの?」
「あるだろ。ほらここに……」

――指が彷徨った。地図には『公園』と描いてあるだけで、他には何も記されていなかった。何で、俺の地図には確かに。

和輝はポケットから、くしゃくしゃになった地図を取り出した。
「ほら、ここにはあるって……」

地図をまじまじと見た。そして、気がついた。左下の端っこ、殆ど見えないような場所に、薄く、『96年版』と書いてあった。

「嘘だろっ?」和輝は驚きのあまり、素っ頓狂な声を出した。


治巳は言った。「あー……古い地図だったんじゃん? オレのは2005年版って書いてあるし」
「ざけんなよ!」和輝は腹を立てた。
「まあ、とりあえず移動しようぜ。こんなとこにいたら目立ってしょうがないし」
「……そうだな」

しかし、洞窟がない以上、加奈とどうやって落ち合えばいいのかわからなかった。
この近くにいるなら、探した方がいいかもしれない。

治巳は言った。「この近くの雑木林で過ごそう。どっちみち、笹川ちゃんはこのエリアにはいないよ」
和輝は不思議に思って、訊いた。「何でそんなことわかるんだよ」
治巳はフッと笑みを漏らした。「後で言うよ。急ごー」


とりあえず、ここが危険だということはわかっていた。
ごめん、加奈。後で必ず、探しに行くから。

和輝はそう思いつつ、H=8を後にした。


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