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バトルロワイアルぺティー

23リズコ:2004/03/06(土) 22:53 ID:1Nf1VncU
「それでは今から出発します。順番は・・・」北川はくじの入った箱を取り出させると、その中から紙を取り出した。
「三番、有山鳴」鳴は驚いたように、辺りを見回した。「はい、早く出発!」横山が銃を突きつけて叫んだ。
北川は鳴にデイバックを差し出した。「私達は殺し合いをする」北川が言った。「って言ってから行こうね。それが決まりだから」
鳴は黙っていた。「早く言え」北川は銃を向けた。
「・・・私たちは、殺しあいをする」鳴は静かに呟いた。「はい。よく出来ました」

北川は、次の国見悠(男子三番)にも同じことを言わせた。そして、二分ごとの点呼に合わせて、続々と生徒が出発していった。

和輝は考えていた。出来れば、笹川と一緒に行動したい。でも、笹川は俺の八人後か。それまで学校の前で待てるだろうか。出席番号が遠いのが恨めしかった。何と言っても、次々に人が出てくる。その中にずっと残っているということは、つまりいつ出くわした生徒と争うかわからないのだ。でも時間にしてたったの二十分だ。大したことない。和輝はそう言い聞かせた。

「九番、千嶋和輝」
いつの間にか、自分の番がきていたようだ。心臓がギリッと痛んだ。和輝は黙って立ち上がった。

「私達は殺し合いをするって言いましょう。はい」北川が言った。和輝は北川を見た。あのころの面影より、若干大人びていた。「早くしろよ!時間がないんだよ」横山がイライラした口調で言った。
「・・・私たちは、殺しあいをする」かすれた声が出た。
ここで死ぬわけにはいかなかった。

「はい。じゃあこれ持ってってね」北川はずっしりと重いデイバックを和輝に渡した。

後ろを振り向くとクラスのメンバー、そして加奈がこちらを見ていた。皆、とても不安そうな顔だった。和輝は加奈を見つめた。『頑張れ』と口の形だけで囁いた。加奈はそれを見ると、目に涙を浮かべながらも頷いた。

「早くしろ」後ろから北川が言った。和輝はドアに向かった。教室を出ていく時に、前の席にいた大迫治己と目があった。治己は寂しそうにフっと笑った。その笑みの真意は和輝にはわからなかったが、もしかして、治己はもう生きることを諦めたのかもしれない。そう一瞬思って、ぞっとした。あいつに限って、そんなはずはないと言い聞かせた。


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