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バトルロワイアルぺティー
202
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/05/02(日) 22:41 ID:1Nf1VncU
――眠い。何しろこのゲームが始まってから、殆ど睡眠をとっていないのだ。極度の疲労とストレスが、明日香を襲っていた。
睡眠不足は、明日香の大敵だった。寝不足だと偏頭痛が起こり、頭も体もうまく働かなくなる。だから、どんな時でも、明日香は徹夜をしない。いや、出来ないのだ。今も、頭痛で頭が割れそうだった。
明日香は思った。でも、今日だけは寝るわけにはいかない。もし寝ているところを誰かに見つかったら、今度はもう二度と起きれないかもしれないんだ。
片方が見張りをしているうちに片方が交代で寝るという手もあったが、やはりやめておいた。寝ている間はどれだけ無防備になるか――。そして寝首をかかれたら、どうすることも出来ない。完全に楓を信用することは出来なかった。
大丈夫、運が良ければ今日のお昼までだ。運が悪かったら――明日?
明日香は頭をかかえた。
ふと、気配を感じて椅子から退くようにして立った。足がもつれて、転びそうになった。
明日香は言った。「楓、何してるの?」
楓は明日香のすぐ後ろに立ちつくしたまま、振り下ろそうとしていたタクティカルナイフを見つめた。
「あたし……怖い。明日香にいつ裏切られるかって……あたし、まだ死にたくない」
は? 明日香は怪訝な表情で楓を見た。
「明日香は……あたしのこと全然信用してなかったでしょ。明日香は冷たいから、あたしのことを見殺しにする。いや、裏切る。絶対」まるで箇条書きにした文章のように、言葉を紡いだ。
「何言ってんのよ。裏切ったりしない。どうしちゃったのよ?」少しずつ離れながら、明日香はなだめるように言った。
先に裏切ろうとしてるのはそっちだろ、と言いたかったが、言わない方が良さそうだ。
楓の唇が、微かに震えていた。「嘘だ。あたしにはわかるの!」
楓はそう言うのと同時に、明日香の方に向かって、ナイフを思いっきり突き進めた。
「わ!」
明日香は近くにあったデイバックでそれを受けた。
布を裂くような鈍い音がして、デイバックにナイフが刺さった。
「ちょっとやめてよ! 落ち着いて!」明日香は言ったが、楓はそれを引っこ抜くと、振り回した。
「きゃあ」
明日香はフォークで、ナイフを受け止めた。かろうじて。
楓は力いっぱいナイフを押し進めた。フォークが曲がってしまった。これじゃ、使い物にならない。
「やめてってば! お願い!」
楓の凄まじい力に負けそうになっていることに気づいた。
楓はフォークからナイフを放し、明日香の胸ぐらを掴んだ。
もう一度、振り下ろそうとした。
「いやっ!」明日香は反射的に、背中を向けた。
ざくっといい音がして、背中にナイフが突き刺さった。全身に、強烈な痛みが突き上げた。
ナイフが抜かれると、血がダラダラと溢れ出した。
「や、やめて……」力ない声を出した。
楓は明日香の腹を狙っていた。
明日香は逃げようとしたが、楓に掴まれて、身動きが取れなかった。楓の手を夢中で引っ掻いたが、それは殆ど無駄な足掻きに近かった。
「ご、めんね!」楓はそう言って、腹にナイフを突き立てた。
「ぐっ……」
腹が裂け、中にある胃も裂けたのがわかった。
明日香はがくがくと震えて、そのまま地面に倒れた。
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