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バトルロワイアルぺティー

195リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/01(土) 17:26 ID:1Nf1VncU
 隆利と麻耶は、幼なじみだった。五歳の時に、両親が事故で死んでしまったので、麻耶は施設に預けられたのだった。その施設の隣の家に住んでいたのが、隆利だ。
隆利の家は両親共働きのため、隆利はよく施設に遊びにきていて、そこの子供達と遊んでいた。

麻耶と違って明るく社交的な隆利には、友達がたくさんいた。そして、一人で遊んでいる麻耶に、いつもこう言った。
「お前もこっちこいよ! 一緒にあそぼうぜ」
「いいよ。まや、ひとりで遊ぶ方がすきだもん」
「暗いな、お前」
「うるさい!」

それでも、隆利は毎日誘ってきた。たまにウザいと思う時もあったけど、何だかんだ言って、いつも隆利のペースに巻き込まれて、一緒に遊んでいる自分がいた。
そして、それからずっと、隆利と麻耶は一緒にいたのだ。

中学では三年間別のクラスだったけど、それでも、隆利は、麻耶のクラスに来ては、麻耶の様子を探っていた。
「お前さ、もっと愛想よくしろよ。だから友達できねーんだぞ」
「うっさいなー。人の勝手でしょ」
「だってお前、いつも一人でつっぱってんじゃん。親代わりのオレとしてはだな……」
「いつあんたが私の親になったのよ」


そんなこんなで、結局いつも、隆利と自分は同じ空間にいた。
先ほど、麻耶に友人はいないと言ったが、麻耶にとって、隆利は友人ではなかった。もっと大切な――
親友とも違う――恋人とも違う、かけがえのない存在だった。

もっとも、自分が、隆利をそんな風に思っているとは、全く気づいていなかったが。


でも、隆利に会えないとしても、仲間を見つけることは重要かもしれない。
このままじゃ、らちがあかない。
麻耶はもう一度、文化包丁を見つめた。この文化包丁も、使うことにならなきゃ、いいけど……


ピーンポーンパーンポーンという、場違いな放送のチャイムが聞こえた。

あら、何かあったのかな? 麻耶はとりあえず、耳を傾けた。
その後に聞こえてきた声に、麻耶は驚いて心臓が飛び出しそうになった。



「おーい、麻耶ー? 飛山だけど。てめえ、今どこにいるんだよー! オレ、お前のこと探してんだよ。隠れてないで出てこーい!」恐るべき大音量でその声は聞こえた。

……何やってんのよ。あの馬鹿!


その声に驚いたのは、麻耶だけではなかった。

取り敢えず休憩をとっていた井上聖子(女子五番)も、人を探していた新島敏紀も(男子十四番)も、千嶋和輝(男子九番)と、笹川加奈(女子十四番)だって驚いた。
そして皆、こう思った。何やってんだ? あいつ。


おそらく、生徒の大半は、驚きで音のする方を見た。


だが、かまわず、隆利は続けた。
「今、オレG=9の変な建物にいるんだけど、そこの二階に放送室みたいなところがあるんだ。そこにいるからこいよ。大至急なー!」そして、放送は切れた。
麻耶は、驚きのあまり、茫然としていた。

アホだ。あいつ、正真正銘のアホだ。どこに、自分のいる場所をクラス全員に知らせる馬鹿がいるのよ!
あんなことしたら――

麻耶はハッとした。殺してくれって言ってるようなもんじゃない!


隆利が危ない。急いでデイバックから地図を取り出し、場所を確認した。
近い。二つ東のエリアだ。急がなきゃ! デイバックを掴み、走り出した。


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