したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

バトルロワイアルぺティー

184リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/04/28(水) 00:08 ID:1Nf1VncU
「やばい。もう水がない」
新しい水の封を切ろうとした寿に、菜々は言った。
「待って。水は貴重なんだから大切にしなきゃ。私のあげるよ」
そして、デイバックの中から、殆ど飲んでいない水を出した。
「悪いな。じゃあ二人で仲間にして飲むか」寿は言い、菜々は頷いた。
「待って」水に口をつけようとしたら、菜々が言った。「何?」

菜々は寿の首に手をかけた。目を閉じて、優しくキスをした。

菜々が唇を離した。
「……どうしたの?」いや、嬉しいけど。
「えー、何となく」菜々は少しためたいがちに、言った。
「ゆっくりお別れが言いたかったんだ」

「まだ死なないのに何言ってんだよ」菜々の頭をこづいた。
「熱でもあんの? お前今日ちょっと言動がおかしいよ」
額に手を当てた。少し火照ってはいたが、多分、外気のせいだろう。
「熱なんかないってば!」菜々は言った。

まあいいや。寿は水の蓋を開けて、一気に喉に流し込んだ。
この暑さの割に、冷えている水に驚いたが、大して気にも留めなかった。水が、何だかいつもと違う味に感じたのも、気のせいだったのだろう。

「冷たいでしょ? それね、ここに来る途中にあった池で冷やしたの」菜々は言った。
「へー、おれもやればよかったな。明日また行こうぜ」
寿はそう言ったが、菜々は黙ったままだった。


しばらくすると、菜々が言った。「寿に、会えてよかった」
「うん」
「本当だよ。私、幸せだった」

やっぱり、今日の菜々はおかしい。いつもなら絶対言わないようなクサイ台詞も、口にしていた。どうしたんだろう。
まるで、もうすぐ会えなくなるみたいに――


菜々は微笑んだまま、言った。「おやすみ、寿」


へ? おやすみ?


その発言の意味がわかる前に、寿は自分の口から、ごふっと血が出るのを見た。
同時に、喉から突き抜けるような熱さと、痛みが走った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板