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バトルロワイアルぺティー

166リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/04/18(日) 18:42 ID:1Nf1VncU
 あれから、既に二十分が経っていた。
笹川加奈(女子十四番)と千嶋和輝(男子九番)は、二人で座り込んでいた。

加奈は泣き腫らした目で和輝を見た。「・・・ねえ、私カマ忘れちゃった」
「他の民家で探そう。もう、あそこには戻れないだろ」
「うん・・・」

和輝は訊いた。「落ちついた?」
「うん、もう」加奈は力なくだが、笑顔を見せた。「何か泣いてばっかだね。ごめんね」
和輝は首を振った。


加奈が言った。「和輝は、いなくなったりしないでね。私が死ぬ時も、見ててくれたら嬉しいな」
「縁起でもないこと言うなよ」
加奈はフッと笑った。


もうすぐ、昼の放送の時間だった。また誰かが死んだのを聞くことになるかと思うと、気が重くなった。

「・・・あーあ、早く終わんないかな」和輝は立ち上がって、言った。「そしたら、今度こそ、二人で散歩に、行きたい」
うわっ。何言ってんだ、オレ。ちょっと、恥ずかしくなった。

「そうだね」加奈は笑んで、言った。「楽しみだな」
和輝は、加奈を見た。目元は赤くなっていたが、口元は、少し笑みが浮かんでいた。
加奈―――和輝は、次の言葉を紡ごうとして、迷っていた。


「はーい、皆さんお昼の時間ですよー!」



大音量の声が聞こえた。またこの女か。和輝は不快になった。
「ちゃんと食べないと人殺し出来ないよー?それでは死んだ人を発表します」
死んだ人。和輝の心臓は、どくりと音を立てた。

「えっと、男子は、六番柴崎隆二くんだけです。で、女子は・・・八番梅原ゆきさん、九番、大島薫さん、十九番濱村あゆみさん」

驚いた。やっぱり、梅原は禁止エリアに引っ掛かったのか。
ゆきのことを考えて、何となく申し訳ない気持ちになった。


―――が、それよりも、もっと注意を引いたのは、大島薫の死だった。

「和輝!どういうこと?」錯乱した加奈が、言った。

・・・どういうことだ?三十分前には、生きてたのに。あの後すぐ、殺された?
和輝は、小屋のある方向を見た。


「じゃあ禁止エリアの発表ね。一時からD=2、三時からB=6、五時からF=7です。メモしたかな?じゃあ、今日も一日頑張ってねー」
和輝はささっとメモをした。どうやら、このエリアはまだ大丈夫なようだった。



加奈は不安そうな顔で言った。「ねえ!戻ってみようよ!薫が死んだなんて・・・」
和輝はそれを制した。「殺した奴がまだいるかもしれないだろ」
「でも・・・知らんぷりなんか出来ないよ。友達・・・だもん」
加奈の真剣な表情を見て、和輝はため息をついた。「わかった、行こう」



二人は、薫のいた小屋まで戻った。


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