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バトルロワイアルぺティー

157リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/04/14(水) 00:29 ID:1Nf1VncU
 上で美保の声が聞こえた。「もー疲れたから帰ろっか。降りるのめんどいし」
「そうだな。腹減ったし、戻ろう」

何て適当な奴らなんだ。まあ、諦めてくれて、よかった。


愛希をかばうようにして、達也はしっかりと支えていた。背中が痛かった。強く打ったらしい。

愛希は握っていた達也の右腕を離すと、小声で言った。「大丈夫?」
「うん。多分ね」達也は苦笑いした。

「あとでサプリ取りに行っていい?」
「・・・いいよ」
おれの怪我より、サプリの方が大事なわけね。まあ、いいけど。伊藤らしくて。


達也は言った。「ごめん、銃取られちゃった」愛希は黙って首を振った。更に、訊いた。「もしかして、あの二人と一緒に行動したかった?ごめんね、連れてきちゃって」

愛希は、一瞬、打ちのめされたような顔をした。しかし、一瞬だった。

「そんなわけないじゃん。美保は、あたしに向けて撃ったんだし。一緒にいられるわけないよ」愛希は悔しそうな顔をした。
ふーん。達也は興味深く思って、愛希を見つめた。



愛希は、怒っていた。
あの女、あたしに発砲しやがった。きー!ムカつくムカつくムカつく。
こいつも、何で銃取られるかな。あたしの顔に傷でもついたらどうしてくれんのよ。バカ、ヘタレめ。


達也が言った。「ごめん、そんなに怒んないでよ」
「えっ、全然怒ってないよー?」愛希は頬に手を当てて言った。

達也は、ゆっくりと右手を伸ばした。何よ、制服が汚れるでしょ、やめて。「誰も見てないってば」クッと笑った。「本当は、新井のことぶっ殺したいんだろ」

愛希は心の中で狼狽した。こいつ、エスパー?

「言っちゃえよ」

少し、迷っていた。確かに、たかがこいつの前で、素を見せても大して問題はないような気がした。でも、やっぱり顔も体も性格も品格も頭も特A級の愛希ちゃんが、そんな簡単に裏の顔を見せるわけないでしょ。

「やだなー、荒瀬くんってばこの期に及んでそんな冗談・・・」愛希は笑った。
「あっそう。はははは・・・」

二人は笑いあったが、心の中では別のことを考えていた。



「酷い・・・」
背後で女の声が聞こえた。達也は、ばっと振り向いた。


縁なし眼鏡に、いつも手入れを怠ってなさそうな綺麗な茶色い髪。意外に、スタイルがいい。吉野水鳥(女子二十二番)は、達也を見ると、涙目で言った。


「酷い!私っていう女がいながら、この子と浮気してたの?」


はあ!?達也は驚いた。

「あの日の午後、好きだって言ってくれたよね。嬉しかった。それなのに・・・」
水鳥は泣き出した。愛希は達也を、少し呆れたような目で見た。


「違うよ!コクったことなんてないし、話したことだってあんまり・・・」
達也は、なぜか(?)言い訳をした。

「酷い!」水鳥はそれを、遮った。「二人で遊園地とか、映画とか、たくさん見たじゃない。付き合って一ヵ月後に、初めてキスしたこと、覚えてないの?」
覚えてないっていうか、むしろそんなエピソードすら、ない。


「あのー・・・誰かと間違ってませんか?」達也は言った。


「酷い!最低!人でなし!」
意味がわからなかった。愛希が、汚らわしい物を見るような目で、二人を交互に見ていた。あちゃー。達也は、頭をかかえた。


二人の様子を見て、水鳥は笑い出した。
「・・・ってゆーのは嘘だよー!彼氏がいる女なんて、皆死んじゃえばいいんだ!じゃあねー!」

そう言って、スキップをして去っていった。



「な、何だ、あれ・・・」達也は呟いた。

しばしの沈黙の後、愛希が言った。「吉野さんね、すっごい酷い失恋してから、ああなっちゃったんだって」
・・・へー。それはタチが悪い。達也は身震い(?)がした。

「それ知ってたなら、何であんな顔しておれのこと見たの?」
「ふふっ。あたし、何のことだかさっぱりわかんないなー」

・・・どいつもこいつも。これから愛希とうまくやっていけるかどうか、達也は心配になってきていた。
【残り33人】


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