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バトルロワイアルぺティー

155リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/04/11(日) 22:32 ID:1Nf1VncU
「ふぁーあ」達也はあくびをした。「一昨日も寝てないから眠い」
「寝てもいいよ?あたしここで見張ってるし」
「・・・いや、いい」
何だよ。せっかく愛希ちゃんが言ってあげたのに。
「そっちこそ大丈夫?寝てもいいよ、人こなそうだし」
「大丈夫。眠くないから」



そう言った二十三分後、愛希は静かに寝息を立てていた。
眠くないって言ってたくせに。達也は笑った。

時計を見た。あと一時間ちょいで十二時か。二回目の放送があるな。
達也は、空を見上げた。太陽の光は、さんさんと降り注いでいた。


愛希を見た。上向きに優しくカールした、長い睫毛のライン。ほんのり桜色の頬。眠っていても、愛希は愛らしかった。

達也は少しの間、愛希を見つめていた。心にやましい考えが浮かんで、すぐにそれを打ち消した。やめとこう、起きるとまずいし。


このまま誰もこないで、ゲームが終わればいいと思った。なるべく争いは避けたかった。しかし、もし自分と愛希だけが残ったら、自分が、愛希を殺せるとは思えなかった。

騙される男が多いのも、わかるかも。おれだって―――

達也は安らかな気持ちになって、愛希の寝顔を見ていた。



達也は、ハッとした。

今、確かに誰かの話し声がした。

「伊藤、起きて!」達也は愛希の体を揺すった。
愛希は一瞬怪訝そうな表情になった。「・・・なーに?」
「誰かきた。隠れよう」

目の焦点があっていない愛希を、無理やり藪の向こうに押し込んだ。

「何があったのか、わかんないー」
愛希は不満そうな声を出していたが、かまってる余裕などなかった。
「静かに」達也は愛希の口を塞いで、外の様子を伺った。

愛希もだんだんと事情を理解したのか、大人しくなったので、口から手を離した。


聞き耳を立てた。


「あれー?デイバックがある」
「人がいたっぽいな」

男女の声が、交互に聞こえた。声だけでは、誰かはわからなかった。


「どっち行ったんだ?まだ遠くには行ってないだろ」男の足音が、少し遠くに感じられた。

二人は息を殺していた。達也は、ワイシャツのポケットにかかっている銃を取り出した。もし相手が襲ってきたら―――心臓が震えていた。


「待って。この大量のサプリ・・・」愛希が、ビクッと体を強ばらせた。
「・・・愛希だよ」声の主は、笑ったような気がした。


「・・・美保だ」愛希は呟いた。

新井美保(女子二番)か?確か、伊藤の友達だ。
ゲームに乗っているのかは、よくわからなかった。

達也は息を殺した。


「まだ近くにいると見た。隠れてるかもよ?」
「あー?逃げたかもしれないだろ。向こう行ってみようぜ」男はせっかちのようだった。
「ちょっとだけ捜してみようよ・・・」
女の足音が、近づいてきた。

・・・来るか?


達也は銃をかまえた。愛希は達也にぴたりとくっついてきた。暑かったが、嫌な気分ではなかった。


ガサッと大きな音がして、美保は茂みの外側から顔を出した。


「あー、やっぱり愛希だよ!荒瀬君もいた!」

「なにっ?」


男がきた。手にはゴルフバッド。二人を見下ろした。
「ちょうどいーや」

仲田亘祐(男子十一番)は、思いっきりゴルフバッドを振り上げた。


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