したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

バトルロワイアルぺティー

126リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/03/27(土) 22:15 ID:1Nf1VncU


姫城海貴(男子十六番)は、J=6を歩いていた。人は、いないようだった。でも、安心は出来ない。海貴は辺りを見回した。

あーあ、俺も、もうすぐ死ぬのかなあ。そのことを考えると、胸がちくりと痛んだ。
死にたくなかった。

海貴の人生は、今まで、割と順調に進んできた。植草葉月(女子六番)ほどではないが、家は結構な金持ちだったし、勉強も苦痛ではなかった。高校にも、推薦で受かった。気の合う友人もそれなりにいたし、伊藤愛希(女子四番)という、可愛い彼女もいた。

そんな海貴にとって、このゲームによる死の宣告は、耐え難い苦痛だった。
自分の運の悪さに愕然ときた。

もうすぐ、死ぬかもしれない。それは、明るかった世界が、全て真っ暗になってしまったようだった。

海貴は座り込んで、恐怖と戦っていた。頭をかかえた。何も喉に通らなかった。今まで友人だった人間や、もしかして、愛希とも戦うことになるかもしれない。
絶望していた。

海貴は顔を上げた。
今まで気づかなかったが、臭かった。生臭い。何だか鼻につく臭いだった。


立ち上がった。よくわからないが、確かめなければいけないという義務感に苛まれていた。いいものではないという予感がしたが、それでも、何かに引っ張られるかのように、臭いをたどった。


鼻が利かなくなってきた。海貴は鼻をこすった。ここじゃないのかもしれない。でも、どこから臭うのかもよくわからなくなっていた。

しばらく彷徨った。

もう諦めてしまおうかと考えた時に、遠くで、一人の女子生徒がいるのが見えた。
やめておいた方がいいと思いながらも、海貴は進んだ。



すらっとしていて、足が長い。つややかな黒髪に、一部分だけ、褪色した茶色い髪が覗いていた。女子生徒は、茫然と突っ立っていた。
だが、その女子生徒よりも海貴の目を釘付けにしたのは、座り込むようにして投げ出され、死んでいる、もう一人の女子生徒だった。


女子の制服に、パーマのかかった、長い髪。女子だと判断できたのはそこまでだった。
顔はぐちゃぐちゃに潰されていて、体がぐにゃりと曲がっていた。

似ていた。おそらく、海貴が今まで愛していた女に。
もしかして、愛希?


「嘘だろ!」海貴は思わず叫んだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板