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バトルロワイアルぺティー

117リズコ:2004/03/24(水) 20:46 ID:1Nf1VncU
 しばしの静寂の後に、やっと加奈が口を開いた。「梅原さん、どうしちゃったんだろ。いつもの顔じゃなかった。怖かった・・・」
加奈のすぐ傍には、金槌が草むらの土に少し食い込んでいるのが見えた。

和輝は答えた。
「まあ、こんなゲームの中じゃな。誰がああなってもおかしくないってことだよ」



それは、大島薫(女子九番)にも言えることなのかもしれなかった。


思った。殺らなきゃ殺られる。もしかして、自分は梅原を殺した方がよかったのか?それが、このゲームのルールなんだから。
和輝は、ゆきを狂わせた原因が、自分であることに気づいていなかった。



「そうだ!腕大丈夫?」加奈がかけよって、左腕に触れた。
いてっ。和輝の顔が歪んだ。
「・・・触るな」和輝は言った。

加奈はハッと手を離して、しょんぼりとした様子で言った。「ごめんね、私のせいだよね・・・」
やばい。言い方がきつかったかな。だって痛かったし。

それでも、和輝は言った。「ごめん。大丈夫だから、これくらい」笑ってみせた。
「大丈夫じゃなさそーだよ」加奈は言った。
左腕には青あざのような物が広がっていて、力が入らなかった。
「大丈夫だよ。冷やせば全然、ばっちり動かせるから」
「でも、バキッて音したよ?」
和輝は重く息をついた。「心配すんな。それより・・・」


お前が無事だった。もしさっきの金槌が当たっていたら、笹川の頭にはひびが入っていたかもしれない。よかった。笹川が、生きててよかった。

安堵の中で、和輝は、ゆきの向かっていった方向がもうすぐ禁止エリアに入るのだということを、すっかり忘れてしまっていた。
【残り35人】


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