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バトルロワイアルぺティー
112
:
リズコ
:2004/03/23(火) 23:50 ID:1Nf1VncU
千嶋和輝(男子九番)は、笹川加奈(女子十四番)と一緒に歩いていた。さすがにもうエリアJ=4は抜けて、I=4に入っているはずだった。
でも、ついさっき、近くで銃声が聞こえた。ここは危険かもしれない。
和輝達は、銃声が聞こえた場所から、更に東のI=5へ向かおうとしていた。
加奈が言った。「熱いねー。やんなっちゃう」髪をかきあげて、汗を拭った。
それから、和輝に向き直って、言った。「何で和輝って汗かかないの?」
「知らない。体質じゃん?」
「いいなー。でも、私テレビで見たよ。汗かかない人って不健康なんだって!」
「・・・ああ。まあ不健康かも、ね」
「だよねー。いかにもって感じ」
悪かったな。和輝は言った。「まあ、俺は誰かさんみたいに、ダイエットのしすぎで貧血起こして、朝礼中に倒れたりはしないけどね」
加奈は赤くなって言った。「そんな昔のこと忘れてよー!」
和輝は笑った。
しかし、加奈が、無理にはしゃいでるような気がしてならなかった。
和輝は訊いた。「笹川、もう大丈夫なの?」
加奈は笑顔になって答えた。「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて。ありがとね」
お前が元気でいてくれるなら、それでいいんだ。
・・・そんなセリフは、死んでも腐っても言えないだろう。
和輝は加奈の方を向いて、何かを言おうとした。
加奈は横を向いて、何かに気づいたように言った。
「あっ、梅原さんだ」
梅原ゆき(女子八番)が走ってきた。自分より数分前に学校を出た子。だが、目が普通ではなかった。いつも、穏やかな印象を受けたゆきからは想像もつかないようなつりあがった眉に、目は大きく見開かれていた。
そして、左肩から腕までは大量の血が腕を濡らしていて、右手には金槌を握っていた。
ゆきは加奈の方に飛びかかって、金槌を振り回してきた。
「・・・加奈!」和輝は叫んだ。
バキッと音がして、和輝の左腕を、衝撃が走った。和輝は加奈の前に立ちはばかるようにして、加奈を庇った。
和輝は左腕を押さえた。左腕は力が入らなく、ジンジンと鈍い痛みがあった。でも、幸い利き手とは逆の腕だった。
ゆきはそれを見て少したじろいようだった。
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