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バトルロワイアルぺティー

102リズコ:2004/03/21(日) 17:04 ID:1Nf1VncU
早く逃げなきゃ!早く!殺されちゃう!
あゆみは必死で逃げた。足がもつれて転びそうになっても、とにかく、逃げた。

「待て!このクソアマ!」声がして、あゆみはびくりと震えた。

―――きた!恐怖を感じて、背後を振り向いた。


仲田と、それに、腕を掴まれて一緒に走っている新井美保がいた。
美保?何で?もしかして、仲田に捕まったの?


しかし、悪いがそれどころではなかった。あゆみはあまり体力がなかったのだが、それでも、死にたくないという気持ちだけで、走った。


距離が縮まってきていた。やだ!追いつかれる!あゆみは泣き叫びそうになっていた。ふと背後を見ると、仲田がすぐ近くまで迫っていた。


仲田はあゆみ目がけて、ゴルフバッドを振り上げた。


ゴルフバッドの先が当たって、あゆみはその場に昏倒した。



あゆみは頭をあげた。殴り飛ばされて、頭からは血が出ていた。しかし、多分軽傷だった。
仲田は激しく息をついていた。「手間かけさせやがって」

もう一度、ゴルフバッドを振り上げた。いやっ!あゆみは思わず目をつぶった。


「待って、仲田君!」美保が、仲田の腕に捕まった。
「やめろ、バカ!」
仲田は力任せに美保を振り払おうとした。それでも、美保は離れようとはしなかった。
おっ、いいぞ。美保!あゆみは応援した。ここで美保に頑張ってもらわないと。立ち上がって、美保に応戦しようとした。


美保のあまりの粘り強さに、亘佑は思わず手を離してしまった。
ゴルフバッドごと、美保は地面に投げ出された。

やべえ。亘佑は武器がなくなっていることに恐怖を覚えた。でも、相手は女だし、自分はこぶしでも十分いける。亘佑はかまえた。


美保は立ち上がって、あゆみを見た。「大丈夫?」
「・・・うん」

そして、美保は亘佑を見た。「近寄らないで!」そう言ってゴルフバッドを振り回した。

「チッ」亘佑は舌打ちをした。
いくら亘佑でも、これでは、手も足も出ないだろう。近寄ると、ゴルフバッドが当たるからだ。
よかった。助かった。あゆみはホッとしていた。



美保は亘佑に言った。「手出さないで」

亘佑は不可思議な表情をしていた。

美保は、あゆみに向けて、まっすぐにゴルフバッドを伸ばしていた。

・・・え?


あゆみは、自分のおかれている状況が、理解できなかった。
美保がゴルフバッドを振り上げた時には、まだ、安堵の笑みを浮かべていた。


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