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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:17
 書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
 そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
 ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
 
 投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
 その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

430イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/01(日) 13:26
>>424
スキンシップによる単純な萌えに走りすぎじゃないかな。
同じ文章の量で、スキンシップでドキドキする場面を少し削って、
代わりに舞奈ちゃんと遊ぶ場面を具体的に入れたほうがいいと思う。
この場合だとシンプルな昔ながらの遊びで、元が獣系だから鬼ごっことか。
獣本能で物凄くエキサイトする舞奈ちゃんは服が乱れても気にしてない。
勉強で体力衰えてる上に舞奈ちゃんの服の乱れが気になって主人公はバテバテ、
そこで疲れたからもう一度冷たいお水を飲んで、お腹すいたから焼き芋しようって
流れになると、そのおいしさがグッとリアルに伝わるでしょう。
スキンシップとコミュニケーション、両方をバランス良く取り入れることで、
キャラへの思い入れは深まると思うよ。

431イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/02(月) 03:01
>>424
前回の分もそうだったけど、ひとつひとつの行動に対してむりに感想をいいすぎ。しかもほとんどが「かわいいなあ」じゃん。さすがにここまで繰り返されるとつらい。スキンシップもワンパターンだし、メリハリつけなきゃ飽きられるよ。
あと、個人的に疑問なのが舞奈の登場シーンをふたつ作る必要はあるのかってところ。いきなり神様の世界(?)に迷いこませてもいいんじゃないかな。方法なんていくらでもあるし、そのほうがすっきりすると思うのだがどうか。それとも尻尾と耳がないシーンは絶対必要なものなの?

432猫丸:2004/08/04(水) 22:16
>>429,430,431
批評ありがとうございます。
やっぱり、萌えを書くのは難しいですね。ストーリーに関してもまだまだ力不足のようなので、精進を続けたいと思います。

433猫丸:2004/08/04(水) 23:03
426の続きです。

 三十分くらい経っただろうか。神様の世界も日が陰って、空気もだんだん冷たくなってきた。このまま寝かせておいたら風邪引いちゃうかも、と俺は舞奈ちゃんを抱きかかえる。幸いなことに、立ち上がっても目を覚ます気配は無かったから、このまま手近の部屋まで運ぶことにする。
辺りを見回すと、ちょうど背後に障子戸が見えた。中に神様がいる気配も無いから、寝かすのはこの部屋でいいだろう。舞奈ちゃんの身体の軽さに感心しつつ、俺は足で障子戸を開ける。
 そこは、旧日本家屋そのままの、一面畳の部屋だった。広さは八畳くらいで部屋には電灯が無く、変りにあるのはなんと燭台。よく見れば、ほかにも歴史の教科書でしか見たこと無いような小道具がちらほらとある。さすが神様の家、とでも言おうか。俺は舞奈ちゃんを畳に寝かせて、しばらくの間部屋の雰囲気を味わってみる。
 神様の部屋にも慣れてきたところで、俺は舞奈ちゃんを寝かせる布団を出そうと押入れに近付く。で、上段を開けると、
「あれ?違ったかな?」
入っていたのは、何着もの巫女装束だけだった。仕方なくふすまを閉じようとするけど、その時ふと気になった。どの服も、舞奈ちゃんが着るには明らかに大きすぎる。となると、ここは舞奈ちゃんの部屋じゃない……?
「ん……。」
絞り出すような声に振り返ってみると、舞奈ちゃんが半身を起こして、目をこすっているところだった。押入れを開けた時に、目が覚めてしまったのだろうか。俺は押入れを開け放したまま、舞奈ちゃんのところに行く。
「ごめんね。起こしちゃった?」
「ううん。ちょうど目が覚めたところ……」
そこまで言って、舞奈ちゃんは全ての動きを止めた。大きく開かれた目は、俺の背後ただ一点を見据えている。振り返ると、そこにあるのは押入れの巫女装束……。

434猫丸:2004/08/04(水) 23:04
「…おねえ、ちゃん……」
え?と思う暇もなかった。舞奈ちゃんの瞳からは、大粒の涙がぽろぽろとこぼれだしていた。俺は、戸惑いながらもその肩に手を置こうとするけど、舞奈ちゃんはそれを払うようにして立ち上がる。押入れへ向かう足取りは、今にも転びそうなくらいに不安定だった。
 押入れに辿り着いた舞奈ちゃんは、巫女装束のうち一着を抱きかかえて、それを顔に押し当てる。その隙間からの泣き声を聞いて、俺は思った。押入れの巫女装束は舞奈ちゃんのお姉さんのもので、そのお姉さんは今……。もしかすると、俺は舞奈ちゃんの一番辛い記憶を思い出させてしまったのかもしれない。
 激しい後悔が俺の頭を突き抜ける中、舞奈ちゃんは装束から顔を離して、かすれ声で呟いた。
「……ごめんね、お姉ちゃん。わたしもすぐ、そっちに行くから。」
泣いているはずなのに、なぜか明るい声だった。俺は、舞奈ちゃんに近付くことさえできずに、たださっきの言葉の意味を考える。 “私もすぐ、そっちに行くから”これは、やっぱり……。
 とその時、舞奈ちゃんは無理に造ったみたいな笑顔をこっちに向ける。一体、何を言い出すんだろう。
「ねえ、ユキくん。」
続きは聞きたくない。そう思った。けど、そんな予想に反して、舞奈ちゃんは意外なことを言う。
「見せたいものがあるから……来てくれる?」
さっきよりもさらに明るい笑顔で言われて、俺は正直面食らった。ひょっとすると、俺の取り越し苦労だったのか。そうであることを祈って、俺は舞奈ちゃんの言葉に頷いた。
「それじゃ、ついてきて。」
俺から離れると、舞奈ちゃんはまっすぐに廊下へ歩き出す。一見すると、遊んでいるときと同じくらい元気に見えるけど、実はそうじゃないことは後姿からなんとなく伝わってくる。尻尾も始めて見た時とは違って、頼りなげに垂れて揺れていた。

435猫丸:2004/08/04(水) 23:06
 互いに一言も話さないまま入ったのは、さっきの部屋と同じような和室だった。ただ、一つだけ違うのは部屋の隅にある大きな木箱。舞奈ちゃんは俺を箱のそばに座らせて、その蓋を開けた。
「うわっ……」
見た瞬間、箱の中全体が鈍いきらめきを放った。入っていたのは、何十枚もの手鏡だった。
「舞奈ちゃん、この鏡って……?」
「見ればわかるよ。」
楽しくって仕方がない、といった表情の舞奈ちゃん。やっぱり、普通の鏡じゃないみたいだ。俺は、予想のつかない神様の力に期待しつつ鏡の一つを手にとって、
「……はぁ!?」
鏡に映っていたのは、全く違う俺だった。いや、たとえじゃなくて本当に。だって、何もかもが……
「驚いた?神サマはね、過去に見たことをこうやって鏡に残せるんだよ。」
舞奈ちゃんの言うとおり、鏡の中ではいまや遠い記憶となった七歳くらいの俺が、神社前の道路で当時の友達と遊んでいる。鮮明な動画を見て、俺は恥ずかしいやら懐かしいやらだった。
「今度はこれでも見る?」
そう言って舞奈ちゃんが取り出した鏡には、若い女の人に抱かれた赤ちゃんが映っていた。場所はこれまた神社前の道路だけど、女の人の顔は、間違いなく俺の知っているものだった。
「ねえ、この赤ちゃんまさか……。」
「そうだよ。ユキくんの可愛い可愛い赤ちゃん時代。抱いてるのは、ユキくんのお母さんだね。」
くすくす笑いながら、舞奈ちゃんは鏡のへりを指で叩く。映像の中の母親は、あたりまえだけど今よりずっときれいだった。
 と、舞奈ちゃんはまた別の鏡を取り出そうとする。それを見て、俺はピンと来た。まさかとは思うけど……。
「ねえ、舞奈ちゃん。ひょっとしてこれ全部・・・・・・?」
「うん。全部ユキくんのだよ。」
「……なんで俺のがこんなに?」
「ん?そりゃあ、今まで見た風景の中からユキくんが出ているのだけを取り出したからで……」
そう説明する舞奈ちゃんの目はあちこちに泳いでいて、頬も心なしか赤らんでいる。俺としては、“取り出した”理由を聞きたかったんだけど、この様子じゃ無理に聞き出すのも気が引けた。
それにしても、よく考えてみれば舞奈ちゃんは俺の過去を全部知っているということになる。でも、相手が神様だからだろうか。不思議と嫌な気はしない。
「もっと見てみようよ。」

436猫丸:2004/08/04(水) 23:07
そう言われて、俺は次々と過去の自分を見る。そうしていくうちに、俺は自分の中にさっきまでとは違う感情が生まれてくるのを感じた。一言で言えば、“羨ましい”のかもしれない。
 鏡の中の俺は、今の受験で悩んでいる俺とはまったく違う表情をしていた。明るくて、何の心配事もなさそうで……まるで、別人だった。
 そんなことを考えているうちに、俺は鏡の中でも歳をとってきた。だけど、映像のほとんどは小学生以前の俺のもので、中学以降は両手で数えられるくらいだった。そして俺は、年齢が上がるとともに外見だけでなく表情までが今に似てくるのを、一つのやるせない思いで見つめていた。
 もう一回、ずっと昔に戻れたら───────。
「これが、今年の初詣でだね。今日のは無いから、これが最新ってことに……ユキくん?」
俺の気持ちを感じ取ったのか、舞奈ちゃんは俺の顔を不安げに覗き込む。無理に笑おうとしたけど、出来てないのが自分でも分かった。
「……辛い思いさせたのならごめんね。でも、もう一枚だけ見てくれる?」
そう言って、舞奈ちゃんは箱の中からまた一枚。それで、箱は空になった。
「ねえ、ユキくん。今まで鏡を見てきて、気付いたこと無かった?」
……そういえば、気になることがあった。鏡の中の俺はいつでも、神社前の道路にいた。神様の目から見た風景だったら、境内なんかが映っていてもいいはずなのに。
「気付いてるみたいだね。それじゃあ……」
舞奈ちゃんは手鏡を持ったまま、俺に寄り添うように座ってくる。と、鏡から声が聞こえた。

≪おい、ユキ。そんなきったねえ狛犬見てないで、早く遊ぼうぜ。≫
声は、小学生時代の友達、ケンタのもの。鏡の中の俺は、九歳くらいだった。
≪いいじゃんよ。ちょっとだけだから。≫
≪はっ。お前も変ってるなあ。狛犬を撫でるなんて。≫
ケンタとのやり取りの中で、俺の姿がどんどんズームアップされていく。いや、実際には俺が近付いているのか。直後、鏡は俺の顔でいっぱいになって、鏡面がほんの少し揺れた。
≪あはは。やっぱ、狛犬は硬えな。≫
≪当たり前だろ、バカ。≫

437猫丸:2004/08/04(水) 23:09
 なんと言っていいのか分からず、俺は隣の神様を見やる。犬のような白い耳に、これまた犬みたいな白い尻尾。最初は戸惑ったこの姿も、今なら納得がいく。だって、舞奈ちゃんは……。
「わたし、すごく嬉しかったの。長いこと狛犬やってきて、このくらいの年の子に優しく撫でられたことなんて無かったから……。」
そう言って、舞奈ちゃんは涙混じりの笑顔を俺に向ける。手の甲に置かれた小さな手の感触が、言葉にならないくらい温かかった。
「だからね、ずっと思ってた。いつか、ユキくんと一緒に遊んでみたいって。でも、普通の人の目に私たちが見えるようにするにはかなりの霊力を使うし、神社の番犬としてのお勤めもあったからずっと我慢してたの。でも、そうこうしてるうちに私たちにも寿命が来ちゃって……。」
「……!」
思い出した。今日見た狛犬が、今にも壊れそうだったこと。それから、一匹きりだったこと。で、もう一匹の狛犬は……。
「私たちの寿命はそのまま霊力の残量で、それがなくなった瞬間狛犬は崩れ落ちちゃう。ユキくんも気付いてると思うけど、いなくなった狛犬、あれはね、私の・・・おねえちゃん・・・なの。」
 舞奈ちゃんは、深くうつむいたまま細い肩を震わせる。頭に手を置いてやっても、泣くのは止まらなかった。
「舞奈ちゃん……。」
それ以上、言葉が浮かんでこなかった。そんな間にも、舞奈ちゃんはかすれる声で続ける。
「お姉ちゃんは、わたしに最後の霊力を分けてくれたの。死ぬ前に一度、ユキくんに会わせてあげるって。でも、そのせいでわたしより先に……」
聞いてるうちに、俺は理解した。狛犬が壊れそうになっていた理由も、舞奈ちゃんが時間を惜しむように遊んでいた理由も。舞奈ちゃんは、もう……。
 そのあとの考えは、舞奈ちゃんの言葉に遮られた。
「ねえ、ユキくん。一つ訊いていい?」
舞奈ちゃんは涙ながらにも、凛として俺を見つめている。そこには、反論を許さない切実さが感じられて、俺は黙って頷くしかなかった。
 少しの間が空いた。舞奈ちゃんは、今までに無い落ち着いた口調で喋り始める。
「さっき鏡を見てたとき……、ユキくんは何考えてた?」
「ううん…。上手くはいえないけど、懐かしいというか、昔の自分がうらやましいというか……。」
「うらやましい?やっぱり、そう思ってたんだ……。」

438猫丸:2004/08/04(水) 23:11
そう言って、舞奈ちゃんはなぜか悲しそうな表情を見せる。羨みの気持ちで昔を懐かしむのは、そんなにいけないことなんだろうか?そう思っていると、舞奈ちゃんはいきなり顔を近づけてきて、
「ねえ、ユキくん。うらやましいって思うのは、どんなとき?」                  
「どんなときって……。そりゃあ、自分には持ってないものを見せられたときとか?」
「だよね。でも、それだったらユキくんはうらやましがることなんてないよ。だって、ユキくんは“持ってる”もん。」
持ってる?何をなんだろう。昔の自分は今の俺に無いものをたくさん持っていて、それがうらやましいと俺は感じてたんだけど……。
「今日鏡を見せたのはね、ユキくんにその事を分かって欲しかったからなの。なんかユキくん、神社に来たときから辛そうな顔してたから。」
確かに、俺は思っていた。今の俺は、何もかもが変わってしまったと。でも、それは本当のことじゃないんだろうか。
 思う間に、舞奈ちゃんは続ける。
「あの鏡はね、ユキくんの姿だけじゃなくて、心もそのままに映してると思う。今日狛犬のわたしを撫でてくれたみたいな、変わらない優しさをね。つまり、ユキくんは昔と何にも変ってなくて……。」
そこで舞奈ちゃんは、顔を赤くして言葉を切る。一瞬の沈黙が流れて、そして。
 神様は、言う。
「わたしは、そんなユキくんのことが……ずっと好きだったんだよ。」
……好き?神様が、俺のことを?今までで一番幸せそうな舞奈ちゃんを前に、俺は気持ちの整理がつかなかった。
 でも、素直に嬉しかった。好きと言われたこともそうだけど、それよりも、ずっと俺を見守ってくれたうえで、俺が何も変わってないと言ってくれたことで。
 返事をしよう、と思った。でも、
「返事はいらないよ。だってわたし……」

 もうすぐ死んじゃうから。

439鶴田:2004/08/06(金) 17:25
>>433-438
狛犬が崩れた理由が寿命っていうのがすこし疑問ですね。そんなことをいいだしたら日本全国の狛犬大ピンチですし。
天変地異やあるいは人為的事故のせいで崩れた、といったほうが説得力はあると思います。それをユキの子供の時に遭遇した事件と絡ませることもできますし。
個人的な要望として、舞奈に「好き」といわせないでほしい。現実ではいう機会もわりと多い言葉ですが、小説で「好き」と書くのはクサいです。

440イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/07(土) 02:28
>>猫丸
細かい部分に関してのツッコミどころはいままでのと同じなので、あまりゆうことはないな。
神様の世界が神様の世界っぽくないところとか、かなあ。なんか普通の田舎の家っぽい。ここはそういう狙いなのかもしれないけど。
あと、装束はえもんかけにでもかかってたのかね? 押し入れ開けてざっと見ただけで大きさまでわかってたけど。

441猫丸:2004/08/08(日) 13:40
これで最後です。長々貼って、本当にごめんなさい。できましたら、全体を
通しての評価をお願いします。

 笑顔を作る瞳の端に涙をためて、舞奈ちゃんは言った。それがどうしようもない事実だということは、もう分かってしまっていた。でも、俺には何もできない。ずっと見守ってくれた神様に、俺は何もしてやれない。
 (……本当にそうか?)
 心の声が聞こえる。俺は、舞奈ちゃんの言葉を思い出す。
 “ユキくんは、昔と何にも変ってなくて……”
 昔の俺なら、こんなときどうしただろう。自分を好きだといってくれた神様が、目の前で涙をこらえているこの状況で、俺は鏡で見た自分と心を重ね合わせる。同時に、壊れかけの狛犬と死を前にした神様が重なり-------。
 ―――――――決めた。
「舞奈ちゃんっ……。」
それだけ言って、俺は舞奈ちゃんを全力で抱きしめる。頭の後ろに置いた手で、髪の毛を何度も何度も撫でながら。
「ユキ…くん…。」
胸に顔を埋めて、声を詰まらせる舞奈ちゃん。あごに当たる耳も、はかまの紅に映える白い尻尾も本当にかわいかった。
 俺は今にも泣きそうだった。舞奈ちゃんは、こんな刹那しか思いを叶えられない。ずっと見守ってきた想いなのに、それなのに……
 そう思ったとき、舞奈ちゃんの足首から先が幽霊のように薄れてきた。そして、舞奈ちゃんは俺の胸から顔を離して、
「わたし、もうすぐ消えちゃうみたいだね。でも大丈夫。ユキくんのお願いを叶える霊力は残ってるから。」
最期の最期で、舞奈ちゃんは晴れ晴れした表情になる。それはまさに、最後の勤めに向かう神様の笑顔だった。
こんな俺のために、最後の命まで削ってくれる神様の。
「ユキくんには、わたしの霊力をほんのちょっとあげる。お願いを叶えるにはそれで十分だから。でもわたし、本当に嬉しいよ。だって、好きな人のお願いを叶えて死ねるだもん。」
言葉を紡ぐ間にも、舞奈ちゃんの身体はどんどん半透明になっていく。と、舞奈ちゃんはまだ残っている両腕を俺の首に回して、顔を近づけてくる。
「霊力をあげるやり方って、正式には別にあるんだけど……、今回はこれでいいよね。」
「…うん。」
「それじゃあ……」
小さな呟き。一呼吸の間をおいて、俺と舞奈ちゃんは唇を重ね合わせた。俺は舞奈ちゃんに合わせて目を閉じて、この瞬間が少しでも長く続くよう祈る。でも、体を抱く感触はすぐに無くなり、そして唇も―――――――。
 閉じたまぶたの向こうで、すべての温かみが消える。同時に俺は、暖かい光の中で意識を失っていった。

442猫丸:2004/08/08(日) 13:41


目が覚めると、俺はいつの間にか本堂前に戻っていた。もちろん、辺りには冬闇の北風が吹いていて、とてもコートなしではいられない。元の世界に帰ったことを実感しつつ、俺はふと考える。あれは夢だったのかな、と。
 だけど、夢じゃない証拠は確かにあった。ここからでも見える、鳥居横の狛犬の台座。そこには、二匹の狛犬ともいない。それは、自分を見守ってくれた神様がもういないという、何よりの証拠だった。
 死ぬ間際、舞奈ちゃんは俺の願いをかなえてくれた。なのに、俺は祈る前よりもずっと、救われていない。もう一回祈ってみたらーーーとも考えたけど止めた。俺の神様は、舞奈ちゃん一人だけだから。
 その時、神社のすぐ近くで石焼芋の売り声が聞こえた。それは、俺に舞奈ちゃんと食べた焼き芋の味を思い出させた。あのときの舞奈ちゃんの笑顔は、もう二度と見られない。犬耳をくすぐったときの表情も、キスの感触も二度とーーーー。
 涙があふれた。しばらく止まりそうにないけど、止めるつもりも無い。今はただ、こうしていたかった。
 と、俺の背後で本堂の扉が開いた。あわてて涙をぬぐって振り返ると、そこには神官装束を着た、端正な顔立ちの男の人が立っていた。
「名瀬幸俊君だね。これを、受け取ってくれないかな。」
そう言って、神官さんは一つのお守りを突き出してくる。見ると、合格祈願お守りだった。
「ああ。私はこの神社の神主をしている高部英明です。突然で悪いけど、本堂の中に来てくれませんか?」
「いいですけど……?」
高部さんの言葉に、俺はわけが分からないながらも本堂の扉へ歩いていく。何故だろう。今の俺にお守りなんて意味無いはずなのに、高部さんにもらったお守りを握っていると不思議な安心感に包まれてくる。
 高部さんが扉を開ける。俺は中を覗き込む。そして、
「来てくれたんだね。ユキくん。」
広間の中央には舞奈ちゃんが……と一瞬思った。けど、よく見れば違う。白い耳と尻尾は同じだけど、背も舞奈ちゃんよりは少し高いし、顔立ちもそっくりなもののどこか大人びている。……この子は、まさか。
「やっぱり気付いたか。でも、それでこそ舞奈の恋人だよね。」
そう言って、女の子はぺろりと舌を出す。もう、間違いない。
「はじめまして!わたし、舞奈の姉で明奈といいます。よろしくね!」
「こちらこそ。僕の名前は……知ってるみたいだね。」
予想通りの展開だったけど、俺はふと思った。確か、明奈ちゃんは舞奈ちゃんに霊力をあげて死んだはずだ。だったら何故、今ここに。考えていると、高部さんは俺の肩に手を置いて、
「魂をお札に封じ込めて、一時的に実体化させてるんですよ。」
……そんなことが出来るのか?にわかには信じがたかったけど、舞奈ちゃんとの体験をした後だから、少しは受け入れやすい。

443猫丸:2004/08/08(日) 13:44
「もちろん、実体化といってもほんの短い時間しかさせられませんが、お札に封じ込めている限り、魂はかなりの間生き続けますよ。」
ということは舞奈ちゃんも。そう思って、俺は手の中のお守りに気付く。お守り袋の中には小さなお札が入っていると聞いたことがあるけど、この不思議な安心感を与えてくれるお守りの中にはひょっとして。
 しばらくお守りを見つめたあと顔を上げると、明奈ちゃんと高部さんが同時に頷いた。
「呼んでみて。」
微笑んで明奈ちゃん。俺はお守りの口を開けて呼びかける。
「出てきてよ、舞奈ちゃん!」
瞬間、袋の口から蛍のような光の玉が飛び出す。それは俺の顔の前で止まって、直後、目が眩むほどの光を放った。
 光が収まり、俺はまぶたを開ける。すると、
「えへへ。また会ったね。」
目の前には、間違いなく舞奈ちゃんが立っていた。耳と尻尾も、無邪気な笑顔も別れたときのままだった。
 いろんな思いがこみ上げる中、俺は舞奈ちゃんの頭を撫でてみる。ふわふわした髪の感触も、指に当たる耳の気持ちよさも、記憶とまったく同じだった。
「実を言うとね、幸俊くん。舞奈ったら、力を失った直後からわあわあ泣いて手が付けられなかったのよ。いつまでもユキくんと一緒にいたい……なんて言ってね。」
「そうそう。本当に、こっちが祟られるくらいの勢いでね。でもまあ、こうやってお守りの中に入れてあげれば、幸俊君ともずっといられるから……満足でしょ?舞奈ちゃん。」
「うんっ!」
これ以上は無いと言うくらいの笑顔で、舞奈ちゃんは頷く。一方で、俺は何も言えなくなっていた。何か一言言うだけで、涙があふれてどうにもならなくなりそうだった。
「まあ、お姉ちゃんには神社に来たらいつでも会えるから、その点はオッケーとして。で、幸俊君。あとは君しだいだけど……。」
その言葉とともに、高部さん、明奈ちゃん、舞奈ちゃんは一斉に俺のほうを見てくる。そうだ、ここは泣いてる場合じゃない。これまで俺を狛犬として見守ってくれた神様は、今度はお守りになって俺のそばにいてくれようとしている。変わらない俺を見つけてくれて、そんな俺を好きだといってくれた神様。誰よりも可愛くて、誰よりも頼りになる神様。俺は、幸せ者だ。心からそう思えた。
「舞奈ちゃん。」
俺は中腰になって、舞奈ちゃんの瞳に俺の顔を映す。舞奈ちゃんは一瞬照れたような表情をしたけど、すぐに真剣な顔つきに戻る。俺は、右手のお守りをぎゅっと握り締めて言った。
「これからも、僕の神様でいてくれる?」
その言葉に、舞奈ちゃんは涙まじりの笑顔で頷いた。高部さんと明奈ちゃんは、満面の笑顔だった。
 次の瞬間、舞奈ちゃんは跳ぶ。
「大好きだよっ、ユキくんっ!」
胸に飛び込んできた舞奈ちゃんは、本当に子犬のようだった。俺は、いろんなことを考えながら舞奈ちゃんの髪の毛を撫で続ける。いくらなんでも、普通の人の前での実体化はまずいよな。家でも、家族にばれないよう気をつけないと。でも、どこか楽しいところにも連れてってあげたいな。
 ……そうだ。

 家に帰ったら、尻尾を引っ張ってみよう。

444イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/08(日) 22:00
スレだと読みにくいので投稿サイトにまとめて載せてくれ。
http://f15.aaacafe.ne.jp/~bklbkl/

445感想その1:2004/08/09(月) 05:34
>猫丸
突っ込みたいことは色々あるけど、とりあえず【ストーリーの根幹にも関わらず足りない描写】を4つほど。

1.舞奈ちゃんがユキくんを好きになった理由
頭撫でられたくらいで神様(というか狛犬)が人間に惚れるかなあ? まあちょっと気になったりはするかもだけど。
ただ、それだけじゃ弱いので「その後いかにして『ちょっと好き』から『本当に好き』に変わったのか」を描写すべきでは。
具体的には、回想におけるユキと狛犬のからみ、それに対する舞奈の思いをもっと書いて欲しいな。

2.霊力を失いつつある舞奈ちゃんの様子
例えば無理して遊んでる病人って、見ててけっこう分からない?
舞奈ちゃんも遊んでる最中急にフラつくなりセキするなりボーっとするなり熱があるのがバレてごまかすなりして欲しい。
元気に遊びまくって「霊力が〜」言っても説得力ないっしょ?

446その2:2004/08/09(月) 06:22
3.舞奈ちゃん復活の伏線
ハッピーエンドは賛成だけど、伏線なしに急展開するとご都合主義に見えやすい。
例えば「この神社のお守りには魂がこもってる、なんて噂もある」みたいな文章をどこかに入れるとか、
ユキくんが物語序盤でお姉さんの姿をチラリと目撃するとか、ちょっとでいいので何か伏線張って欲しい。

それと(こっちの方が重要だけど)最後で今までの話との整合性が取れなくなってない?
姉がまだ生きてるのなら、姉の狛犬が壊れたことで舞奈ちゃんが悲しくなったりしないのでは。

4.受験eteに対するユキくんの閉塞感
本文中の描写だけでは、ユキくんが「昔の自分が羨ましくなる」ほどの閉塞感を持ってるようにはとても思えない。
そのせいで、鏡のシーンが薄っぺらいものになってる。
もっと悩ませて愚痴らせてため息つかせてノリ悪くした方が良いのでは。

総評としては、もっと「具体的な描写」を増やして欲しい、につきるかな。
どう遊んだのか、舞奈ちゃんがどうかわいいのかなどを抽象的な表現に逃げないでちゃんと描写して欲しかった。
あと、ユキくんはロリっぷりが自然体過ぎないかw
見た目10歳相手にためらいなく可愛いと言ってのけるし自然体でロリってるなw

447猫丸:2004/08/09(月) 07:12
>>444
まとめて載せてみました。読みにくいと思う方はこちらへどうぞ。

>>445・446
ありがとうございます。私は、まだまだ力不足のようですね。これから
も精進していくようにします。あと、これまで読んでくださった方にも
改めて感謝します。

448鶴田:2004/08/09(月) 18:32
>>447
うーん、まさかこうくるとは……。さすがに唐突すぎますねえ。ハッピーエンドのほうがいいとは思うけど、そのせいで積み重ねてきたストーリーが台無しになってるように見受けられます。
ラストの家族にばれないように、とか普通の人の前で実体化はまずい、の部分を書いたほうが面白そうな気がしたのは私だけでしょうか。このへんは連載化?を意識してるのですかね。
そしてまあ、たしかにユキは○リコンですな……。神様の姿の時は一時的に十六歳くらい(年齢は適当)に成長させるのもいいかもしれません。逆もまたしかり。そうするともちろん巫女服がぱつんぱつんになったりとかの問題がでてくるわけで、そこもまた萌えになるのではないでしょうか。とかまじめに考えた自分が嫌になったので腹を切ってきます……。

449イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/15(日) 18:41
 花壇に一人残ったフブキは、ベンチにもたれて青空を見上げた。
 須磨鈴蘭の顔が浮かんでくる。
 チトセの前ではああ言ったものの、美少女モデルが転校してくると聞いては、
男子として冷静でいられるわけなんかない。
 (二年おそく生まれてくればなあ…)
 自分が中学生であることを激しく後悔していると、近づいてくる足音が聞こえ
た。もうチトセが戻ってきたのかと、あわてて空に描いた鈴蘭の顔をかき消す。
 「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
 チトセより幾分か大人びた少女の声。はて誰だろうとフブキが声の主を見ると、
たった今消したばかりの顔が微笑んでいた。
 「校長室がどこにあるか教えていただけませんか?」
 須磨鈴蘭だった。あの須磨鈴蘭がそこにいたのだ。
 (そんな? ありえない!)
 フブキは目をこすってみた。いくら転校してくるとはいっても、いきなり
自分の前に現れるなんて都合がよすぎると思ったのだ。
 しかし、いくら目をこすっても美少女は消えてくれない。これはもう本物
と断定するしかなさそうだ。
 (うわあ、やっぱりカワイイなあ…)
 亜麻色の髪を背中までのばし、それを後方になでつけるようにしてヘアバ
ンドでとめている。顔の作りは日本人に近いけれど、瞳の色がブルーなあた
りはさすがクォーターだ。
 初等部の女子はこの季節、ブラウスの上から襟がV字型にカットされた春
用のセーターを着るのが通例だが、鈴蘭はセーターの代わりに紺のチョッキ
を着ていた。赤いリボン・タイを結んで、赤いチェック柄のスカートをはい
ている点はチトセと同じである。
 「あの…校長室がどこにあるのか教えてほしいんですけど知らないんですか?」
 「ええっ?」
 ボーッとして、質問に答えるのをすっかり忘れていた。

450イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/15(日) 19:26
こんな美少女との会話は心の準備ができてからにしてほしいものだ。
 「こ、校長室ですか? 知ってますとも! あの校舎の一階の、あのへんに
ありまして、こう行ってこう…」
 フブキは少々焦りながらも、どうにかこうにかして道順を教えてあげた。
 「よくわかりました。ありがとうございます」
 美少女モデルは深々とおじぎした。
 「あたし、明日からこの学園に入学するんです。それで入学届を校長室ま
で届に来たんですけど、すごく広い学校だから迷ってしまって…本当に助
りました」
 お礼を言って、立ち去ろうとする。
 「あっ! ち、ちょっと待って!」
 フブキはあわてて呼び止めた。せっかくのお近づきになるチャンスではないか。
 「なんですか?」
 「い、いや〜その〜…君は須磨鈴蘭さんですよね?」
 少女は頷いた。
 「はい、須磨鈴蘭です。あたしなんかのサインとかでもいいのなら、遠慮なく
おっしゃってください」
 やはり全国に名が売れてからは、こういうことにも慣れているのだろう。
 「本当は学校ではモデルとしてふるまっちゃいけないって言われてるんです。
でも、あなたは親切な人だから特別(はぁと)」
 と、鈴蘭はウインクした。
 (うわ〜っ! こいつはたまらん!)
 子供特有のお色気とでもいおうか、まさに『少女』ならではの魅力が炸裂、
フブキは卒倒しそうになるのを危うく踏みとどまった。
 「い、いや、サインもいいけど、ひとつふたつ質問したいなあって…」
 「どうぞ。答えられる範囲でお答えしますから。あ、でも、スリーサイ
ズだけは聞かないでくださいね。まだ人様に自慢できるほど育ってませんから」
 「いえいえ、僕はそんなことよりも…」
 案外お茶目なところもあるんだなあと思いつつもフブキは言いよどむ。
そんなこと(スリーサイズとか)以上に聞きたいことなんかないというの
が実情だからだ。
 (う〜ん困った。何か、何か、軽蔑されないような上品で知的な質問
は〜?)

お目汚し失礼しました。

451イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/16(月) 00:52
>>449-450
上のほうで何度か書いてさんざん言われてた人?
いや、おれもいろいろ書いたんだけどね、まえのより断然いいと思うよ。

452イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/16(月) 04:00
>>451
いや、ぜんぜん変わってないだろ。
チトセがいないから痛さが薄れてるだけ。それでも十分痛いんだけどな。

>>449-450
なんつうかさ、基本的には前のと同じじゃん。
すでに完成してる作品のどの部分を抜粋するかの違いがあるだけ。
いままで注意されてきたことは直ってないし、努力したあとすらうかがえない。
本来なら前のを参照しろ。で終わらせてもいいんだけど、まあ暇だし批評してみるよ。
問題はふたつだ。ひとつめは登場人物の痛さ。
登場人物が痛いってことはいままでもさんざんいわれてきたよな。フブキがロリコンすぎる。その世間的には非常識であろうロリコンぶりを否定する人がいない(つっこみ、といいかえてもいい)。作者自身がロリコンなのはわかった。こういうのが大好きというのもつたわってくる。でもそれをストレートに書いちゃだめなわけ。わかるかな。創造者としての閃きを感じない作品に、どれだけの読者がついてくると思うよ。好きなものを好きなまま書くだけなら誰でもできるんだよ。
ふたつめは地の文章。
文章にクセがなくさらっと読めるのは君の長所だと思う。だけど地の文章に作者の好き嫌いを表しすぎなんだ。フブキがロリコンで、鈴蘭の美貌にまいったってのは別にいいよ。心の中でほめまくるのもかまわない。だけど作者までがほめるのはやりすぎ。客観的でない作者の視点や感想ってのは見ていてうざったいだけ。
こんな美少女との会話は心の準備ができてから
子供特有のお色気
まさに『少女』ならではの魅力が炸裂
とかさ、これは作者の意見でしょ。それも相当かたよった。三人称なら三人称なりの気を使えよ。フブキみたいな妄想爆裂系のキャラならなおのことだ。境界線はきちんと引け。

453451:2004/08/17(火) 15:15
気になったんでまえの投稿分から読み直してみたよ。
やっぱりずいぶんと印象がちがう。
これはチトセが出てきていないから、というだけではないだろう。
(おれがイタタと思ったのはチトセではなく、フブキの存在と作者視点の混入だっ
たし)

おれがフォローするのもへんな話だが、このシーンではフブキは性犯罪者一歩
手前ではなくて、あるていどの分別は持ちあわせていると感じられる(年齢差を気
にしたり、質問に頭を悩ませたり)。
また、上で挙げられている三つはどれもフブキの心情であって、作者のものでは
ない。すくなくとも、この文に作者の顔が見えることはなかった。
読んでいて引っかかる点というのも、ほとんどが瑣末なもので最初のと比べたら
かなりよくなっていると思うけれどね。

作者不在でこんなこと話しても仕方ないけど。

454イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/17(火) 16:44
文が成長した成長しない云々より、話に魅力を感じられない時点で、それは
失敗じゃないだろうかね。

455119です:2004/08/17(火) 20:21
作者の意見はそのままフブキの意見と思ってほしいのですが、
>452
ストレートに書いてる奴の考えが出てると受け取られてしまうのは未熟ゆえですね。
フブキのロリコンにつっこみを入れる人間がいない…のは、
三人以上もキャラを書き分ける自信がないのです。
一応、鈴蘭にツッコミに近い役割をふるつもりなのですが。
>451
文に成長が見られますか。ありがとうございます。
プラスに見てくださる意見があると励みになるものです。
でもフブキは表面に出てないだけで性犯罪者そのものの願望をもってます。
もちろん、実行するのはマズイという良識はあります。
>454
話に魅力を感じない…一言もありません。具体的にどのへんがと言ってくだされば。

すでに、この話であるところへ応募してしまいました。
最初に書き込んだものに若干の修正を加えていますが、落選必至でしょう。
でも、私の脳内ではこの子たちがかなり成長してしまっているのです。
他にもフブキの兄さん(学者)が、ヒッキーで留年して、
もうすぐ二十歳になる女子高生と恋人になるとか、
フブキの友達のヤワな男の子が2メートルの怪力大女と交際したりとか、
そんな設定はいろいろと考えています。
フブキやチトセは考えた中で一番一般ウケしそうだと思ったからですが、
自分の感性はかなりズレてるみたいですね。
しかし中学生が小学生好きなのはロリコンなんでしょうか。

456452:2004/08/18(水) 05:17
>>453
どこが痛いかってのは人それぞれだろうから、そこに関しては別にいいと思う。おれはフブキが痛いと感じた。その痛さは薄れてないように見える。
フブキが年齢差を気にしたり質問を悩んだりってのはあくまで「初対面のシーン」だからだとはおれは解釈している。たとえば352時点での作者のフブキに対するキャラクター像と現時点でのキャラクター像にズレがあると思わせるに足る部分は、おれには見つけられなかった。作者の発言においてもそれは同様。下のレスと455を突き合わせてもわかるだろうが、作者はフブキをロリコンだと思っていない。450のシーンでは表面上は見せないようにしているが、内心では性犯罪者的願望があるという。だったら「打ち解けてしまえば」やはりセクハラはするだろうよ。そういうフブキをおれは痛いと思う。

>>455
子供特有のお色気。とかスリーサイズ以外に聞きたいことがない。ってところを見てもわかるように、フブキは「小学生」が好きなんだよ。「〜才年下の美少女」が好きじゃないんだよ。しかも恋愛というよりは性的欲望のニュアンスが強いし。これをロリコンといわずしてなんというのかね。

457イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/18(水) 17:17
>>455
先生、八才女児に恋しちゃうのは立派なロリコンの証かと思われます。

458イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/18(水) 21:05
否定はしない。好きになるのはかまわないと思う。
子供同士のつたない恋愛というのも、それはそれで許容範囲。
でも露骨に性の対象として描写しちゃあかんよ。
>>449-450の文章からは、いやらしさを真っ先に感じる。それが嫌。生理的にダメ。
やるならマリみてのようにオブラートとリボンをで包みまくって、なんだかこれも良いかもと錯覚させてくれなきゃ。
素っ裸で剥き出しにされても困る。
この手のジャンルは考えている以上に料理が難しいということを念頭において、装飾するべし。
とにかく裸はダメ。発禁。

459119です:2004/08/27(金) 00:15
この話についてはこれが最後です。次から別の作品にとりかかります。

 放課後、チトセは同じクラスの友達とも帰らず、一人とぼとぼと歩いていた。
 (なによ、フッくんてば、鈴蘭ちゃんが美人だからってデレデレしちゃって…)
 昼のことを思い出して苦い気持ちになる。
 (でも、鈴蘭ちゃんて本当にカワイくてキレイだなあ…
フッくんもキレイだし…)
 認めたくはないが、二人並んでベンチに座ってるところはお似合いだと思った。
 (ううん! あんなエッチな男とイヤミなオバンだからお似合いなのよ!)
 ぶんぶん首をふって否定しようとした矢先、いちばん認めやくない顔が現れた。
 「一緒に帰らない?」
 校門を出たところに鈴蘭が立っていた。
 「……」
 黙って回れ右をしようとする。
 「待って、チトセちゃん!」
 鈴蘭がチトセの腕をつかむ。
 「離してよッ!」
 「離さない! あなたがあたしとお友達になってくれるまで!」
 「お友達?」
 チトセはきょとんとする。
 「そうよ、昼間はひどいこと言っちゃってごめんね。でも、あたし
チトセちゃんみたいな子ってうらやましい。好きな男の子が他の女の
子と一緒にいただけで、あんなに怒れるぐらい自分の気持ちに正直な
子って素敵だと思う。だから、お友達になりたい」

460119です:2004/08/27(金) 00:29
 そう言われても、にわかには信じ難い。世間の注目を一身に浴びる美少女
モデルが、自分のような取るに足らぬガキンチョを、うらやましくて素敵だ
と言っているのだから。
 「……うそ」
 「ウソじゃないわ。本気でそう思ってる」
 「うそだもん……チトセなんてチビで、ちんちくりんで、お子ちゃまで、
おっぱいぺったんこで、うらやましいわけないもん…」
 「ぺったんこなのはあたしも……ゴホンッ……それにね、チトセちゃん
だって、本当はまだフブキのことが好きでしょう?」
 「キ、キライだもん! あんなスケベ!」
 「あら、好きでいてもらわないと困るわ」
 「えっ……?」
 鈴蘭は大げさに肩をすくめてみせて、
 「あなたはフブキが浮気したって誤解してるみたいだけど、あんなの
こっちでお断りよ。エッチで、女にだらしなくて、あなたにでも面倒み
てもらわないとね」
 「な、何よお、それ!」
 チトセは怒った猫みたいにふたつのおさげを逆立てた。
 「そりゃ、フッくんはエッチだよ! チトセのスカートめくるだけじゃなくて、
パンツ下げてお尻まで見たりするもん! でも、エッチなだけじゃないんだよ。
カッコいいときはすごくカッコよくてやさしいんだから! 昔、チトセの傘を
とってくれたこともあるんだよ!」
 「ほーら、彼を悪く言われると怒るじゃない。やっぱり好きなんだ」
 鈴蘭がクスクス笑う。チトセはまんまとのせられたことに気づいたがもう遅い。
 「う……うん……好きだよ」
 これ以上、意地をはっても無駄だと思ったのか急に素直になった。

461イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/29(日) 04:53
>>459-460
うーん、逆に聞きたいんだけどさ。
君はこれのどのへんが問題だと思ってるの?
文章?内容?どこをどう克服したいと思ってるの?
いままで同じ作品の違う部分を抜き出してきてさ、ほぼ似たようなレスをもらってるじゃん。
こっちからすると君がどうしてほしいのかわからんのよ。
方向性としてどういう方向にもっていくつもりなのかも聞きたい。電撃みたいないわゆるラノベか、萌え王か、もしかしたらポルノ小説なのか。どこに応募するかだけでも書き方は全然違ってくるからね。

462イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/29(日) 08:16
>>459-460
ぶつ切り説明調の地の文に芸が無さすぎ。

463119です:2004/08/29(日) 19:39
>461
文章です。
>462
そう、まさにそういうのを気にしていたんです。
どうすればただの説明から描写になるのか、と。

464119です:2004/08/29(日) 20:01
方向性としては、やはり電撃みたいなラノベです。
しかし、どうしてもイヤラシイことを書きたくなってくるので、
どこへの投稿を目指せばいいのか迷っています。
ラノベにしては品がない、ポルノにしてはやってることが児戯のレベル。
あんまり濃い鬼畜なエロはあまり好みじゃないんです。
地文の味気なさに関しては、似たような場面をプロの小説から探してきて、
その描写を参考にしてますが、そのまま写すわけにもいかないので、
ああでもないこうでもないと考えているうちに今みたいなのになってしまいます。

465461:2004/08/30(月) 00:40
>>464
うーんなるほどね。というかそれってものすごい中途半端な状態だな。
絞ったほうがいいよ。時間の無駄。自分でもいってるように。ラノベにしては品がないってのはわかってるわけでしょ。その時点でポルノか萌え王しかない。でも過激な描写はいやだ。だったらこの作品は萌え王だと割り切ってさ、ラノベは別の作品で書けばいい。
ざっと見たところ、冒頭の放課後〜いちばん認めたくない顔が現れた。の部分が気になるな。ここで一気に説明してしまおうって思ったでしょ。それがおそらく462氏の指摘してるポイント。チトセの頭の中で全部表現できればそりゃあ簡単なんだけど、雑だともいえるわな。地の文章がおもろいなら別なんだけど、まあ普通だし。チトセの行動や、鈴蘭とかからみの中で同じことが表現できれば、それは描写になる。
あと、じゃっかん気になったのが鈴蘭かな。チトセ(八才の、なくて当たり前ぐらいの年頃のガキ)が胸のないのを気にしたら、ちょっとむかつたりしない? 自分がぺったんこを気にしてるならなおさらだと思うんだけどなあ。

466山田:2004/08/30(月) 18:19
以前晒したノウハウではヌルー、同人板で晒されてボボン扱いされたものです。

この後も読み進めたい気になるかどうか知りたかったのですが
結局わからずじまいでしたので、良かったら批評お願いします。

--------------------------------------------------------------

勇者サラマンド。
13にして王国を襲ったドラゴンをうち倒した男。
その後も国に降りかかる数々の難問を解決に導いた男。
わずか15にして勇者の称号を得た、大陸唯一の男。
けれど勇者は、突如として姿を消した。
数々の名誉も地位もうち捨てて。

8年で、彼は伝説になった。

だが、王国に闇が影を落とす今、再び勇者は姿を現す。
クールでニヒルなナイスガイ。サラマンド山田。
今、彼の運命が変わろうとしていた。

467山田:2004/08/30(月) 18:26
不穏な空気を感じ取ったサラマンドは、己に課した禁忌を破り、一路王都へと向かった。
国にも民衆にも、もう何の義理も未練も感じない。
何より、今では誰も彼の姿を覚えてはいないだろう。
『暁の勇者』
その名前だけが一人歩きしているのが現状だ。
まるで都合の良い神のように、何でも叶えてくれる魔法の呪文のように、人々はその名を呼ぶのだ。
そんな状況に嫌気が差して姿を消したはずなのに、今また、彼は王都へ向かっている。
『暁の勇者』
彼にとって重荷でしかないその呼び名が、今も彼を縛り続けているのだ。

迷いの森と呼ばれる難所にさしかかった時だった。
サラマンドは前方に、なにやら怪しい人影を見とめた。
怪しさこそあれど、危険を感じる事はなかったのだが、サラマンドは慎重を期して、静かに間合いを詰めた。
人影の正体は、小柄な少女。
ふわりとした優しい感じの服を着ていて、
とてもこんな危険な場所にいるような格好だとは思えない。
最初、森に迷い込んだ村娘かとも思ったが、
その背には華奢な体と服装にそぐわぬごついリュックを背負って、
しかもよく見れば剣まで所持していた。
少女は見るからに疲労の色を隠せない様子で、それでも一心に前を目指して歩いている。
ただの迷い込んだ村娘ではないようだったが、手練の冒険者とはとても思えない。
この森は、そんな娘が、しかも一人で気軽に来れるような場所ではない。

468山田:2004/08/30(月) 18:26
一体少女にどのような理由があるのかはわからないが、
如何にクールでニヒルなサラマンドであろうとも、
この状況を見過ごす事はできなかった。
一歩また一歩と、ピンクのボンボンが可愛く揺れる少女に近づいていくサラマンドは、
次第に、なんだか隠しようのない違和感を感じ始めていた。
更に近づいて、そして理解した。
彼女が持っていたのは、荷物だけではなかったのだ。
少女は、男二人をロープに縛り付け、引きずるようにして歩いていた。
それは確かに疲れるだろうと、サラマンドはしみじみと納得した。
察するに、彼女はひとりで森に入ったのではなく、
先の戦闘でその二人が戦闘不能に陥ってしまったが為にひとりになってしまったのだろう。
これでますます見過ごすことが出来なくなってしまった。
サラマンドは少女に声をかけるべく一歩踏み出した。

今では認めざるを得ない。
それは間違いだったのだと。
彼は良心など捨てるべきだったのだ。
完全なる失敗。
だが、それに気付く事が出来なかった。


今彼は、転落の人生への一歩を踏み出した。
けれどそれを知るのは、もう少し先の話になるだろう。

469イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/30(月) 23:25
>>466
文の書き方も話の内容もボボン。
小説読みなさい。
山田さんはこの話の何が面白くて他人に見て欲しいと思いますか?

470イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/30(月) 23:37
ボボンって何……?
話の中身ですが、残念ながら気になるほどではないです。文章もやや読みにくい。
この調子で続くんだったら私は短編でも挫折する自信があります。

471イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/31(火) 02:22
>>466
勇者ものへのアンチテーゼみたいな作品は君が思ってる以上に多い。
ぶっちゃけ飽き飽き。
地の文章で笑いをとれれば読めるんだろうけど、とれてないし。
この先があったとしたら、たぶん少女のキャラが判明するところまでは読むと思う。

472イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/31(火) 03:02
山田よ、お前はあらすじを書いている。小説を書いていない。

473山田:2004/08/31(火) 03:24
早速の批評ありがとうございます。
最初はナレーション調で進めようとしてたけど
やはり読みづらいようですね。
途中からは普通の文章になるのですが
冒頭で引き返されることが多いので、やはり書き直したいと思います。

>>469
ちぐはぐなパーティーを無理やり組む羽目になって
苦労しながらやっていくサラマンド山田の苦悩が
深刻ではなくギャグっぽく伝わればいいと思ってます。
ですが、伝わらないようでは意味がないので、もう少し考えようと思います。
小説は、あまり心動かすようなものがないので
最近ではアガサ・クリスティ以外読まなくなりました。

>>470
短編でも無理ですか。
文章の読みやすさを考えなおして、
冒頭で読み手を引き込めるようにしたいと思います。

>>471
勇者もののアンチテーゼという気はまったくありませんでした。
ただ、いくら伝説の勇者でも、仲間が弱かったら苦労するんだろうな、
と思い書き始めたものです。
そのおかしさが伝わらないのでは、やはり意味がないですね。

ずっと悩んでましたが、全文改稿したいと思います。
ありがとうございました。

474山田:2004/08/31(火) 03:28
>>472
目から鱗です。
確かに、ナレーション調で書けば、あらすじにしかなりませんね。
最初はこの書き方が面白いかも、と何故か思っていたのですが
それが気のせいだという事に気づきました。ありがとう。

475イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 01:53
かつて投稿を目的として書いていたけど、諸事情あって没にした小説の冒頭です。
久々に書いた小説なので、読みにくいかもしれませんが、よかったら感想をください。

 少年は、赤い髪を存分に風になぶらせて、サンドスクーターを飛ばした。ゴーグル越しの景色は、
今日もクリアだ。すぐそこのキャラバンも、よく見える。
 長い袖に隠れた手を上げ、合図の煙幕弾を打ち上げる。くすんだ赤の煙が、彼の手と空を繋ぐ線
を、伸びやかに描いた。
 商人やその護衛たちも気づいただろうか。まあ、気づいたところで、大したことはない。少年の、マ
ントの襟元で覆い隠した口許が、自信に溢れた笑みを作る。陣風と呼ばれる俺たちが、ヘボい商人
どもに捕まるわけがない。
 スロットルを開く。砂を含む風に音を消されているが、すぐ後ろに仲間たちがいるのを感じる。
 無意識に小さく頷くと、最後尾のカーゴに突っ込んだ。
 片側のグリップには足をかけ、もう片方は膝を当てて操作する。多少の蛇行ぐらいで振り落とされ
たりはしない。背中に回していた、バズーカに似た銃を肩に担ぎ、構える。
 パスッと乾いた音がして、縄がカーゴへ飛んでいく。先には鉄の筒がついている。それで船体に穴
を開けるのだ。その衝撃で傘が開いて、筒だったものは穴よりも大きくなる。そうして固定したロープ
を伝って、船にお邪魔するという算段。
 砂漠での立ち往生は、限りなく死に近い。救援は砂嵐にかき消され、周囲には水も生物も存在しな
い。それを回避するために、とにかく燃費を抑えようと、大概の船は軽量化されている。こうやって、
風穴を開けることが可能なほどに。
 ロープが伸びきって、それでもさらに前に進もうとするサンドスクーターを解放してやる。少年から
解放された愛機は少し走ってから安定を失って倒れ、鉄馬から解放された少年は、振り子の要領で、
吸い寄せられるように船体に近づいた。体全体でぶつかることがないように、両足を前方へ突き出す。

476イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 11:22
>>475
いきなりたくさん情報与えられてもなー。しかもたいして意味のない動作多いっしょ。
早く話を始めなさい。
ただでさえだらけてるのに視点が少年視点と神視点で混在しているのはまずい。
しゃきっとしなさい。

477475:2004/09/05(日) 18:56
情報の詰め込みすぎは、気にしてるのですが、直ってないみたいですね…。
もう少し取捨選択して、必要な情報を書くように心がけます。
情報が多いから展開が遅くなってしまうというのもあるような気もしますし、
両方を加味して考えてみます。
視点の混在は、やっぱりまずいんですね。
よく、主人公の思考が地の文に混ざるような、あんなイメージだったのですが、
一人称が出てきてしまうのは駄目ということでしょうか。
次は、そのあたりも気をつけてみたいと思います。
レスありがとうございました。

478イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 23:55
>>475
説明が多くて妙に間延びした感じ。
あと、読点が多くて文がぶつ切りの印象。
三人称かと思ったら一人称でびっくりしたと思ったらまた三人称だし。
この場面ではスピード感を重視して、勢いで読ませた方がいいと思う。

479475:2004/09/06(月) 01:12
>>478
レスありがとうございます。
読点の多さは、こうやってレスを書いているときも気にしていることなのですが、
すらすら読むには多いですよね。これは、より一層気をつけたいと思います。
一人称が出てくるのはやっぱりまずそうなので、今後は書き方を改めて、
地の文での思考は、もう少しなめらかになるように頑張ってみたいと思います。
スピード感を活かすということについて、もう少し勉強してみます。
ありがとうございました。

480イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/06(月) 03:51
>>475
神視点に一人称を混ぜてやるのは正直プロのすることだと思う。
デビュー目的のアマがやると、ただ単に書き分けのできない奴と勘違いされる可能性があり、危険。
シーン的にはテンポよく書けばもっとうまくみせられる。

>>無意識に小さく頷くと
ここは仲間に指を立てて合図を送ったりしたほうが動きが出る。まあ好みの問題かもしれんが。

481475:2004/09/06(月) 10:57
>>480
視点のことは、なるほど、納得しました。
確かにこちらの意図はそうであっても、書きわけられないと思われる可能性は十分ありますね。
自分はまだアマなんだということを肝に銘じておきます。
仲間に合図のことは、単純に、小さな動きは砂煙で見えないかなと思ったので
(合図を煙幕にしたのもそういう理由からなのですが)、やめてみました。
でも、腕の振りとかなら見えますよね。
テンポや動きといったところを、もう少し小説を読んで、研究してみたいと思います。
ありがとうございました。

482イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 12:53
辛口の批評をお願いいたします。
去年富士見に送ろうとして自主没にしたものの、冒頭です。


夜の沙漠に、満月が昇った。

「やめろ、ばか」
銀の煙管にくわえた途端、隣に胡座をかく相棒に後ろ頭をはたかれた。
容赦ない勢いの一撃に、思わずエルクの上体が前に傾ぐ。煙管は、座る
足元の岩肌に落ちた。
カツン――という軽い音が、静寂の岩場に響く。

「煙を立ててどうする。待ち伏せしてる自覚あるのか、おまえ」
赤褐色の大岩にもたれた相棒――ハディスが、周囲の夜気より冷ややかに言った。
散切りの黒髪の下、眦の切れ上がった目元にはむやみな迫力がある。だが
エルクは、十年来の悪友に白眼視されるのに慣れっこだ。

がしがしと赤髪をかき上げながら、エルクは口を尖らせる。
「だって暇じゃないかよー。待ち伏せ徹夜でもう三日目、オアシスもない殺風景な
岩沙漠で男と二人きり。しかもそいつは無愛想で目つきが悪いときたら」
「他はともかく、俺の目つきは関係ないだろ」
「とっておきの冗談に半眼を返されると、へこむんだろ人として」
「おまえの話はつまらん」

不意の冷たい風が、二人の髪と、部族お仕着せの青い戦装束をはためかせた。
昼間は鍋底のような熱砂地帯ながら、夜には七分袖から出た腕に、鳥肌が立つ。
かといって、焚き火をするわけにはいかない。隊商を狙う凶族を待ち伏せして
いるというのに、「ここにいますよ」と知らせる馬鹿はいない。が。
「……でも正直、俺もいい加減、奴らを誘いだしたい。狼煙でも上げてな」
砂まじりの突風がおさまったのに、うんざりとハディスがため息ついた。
だろう? とエルクが頷きかけた。その瞬間だった。

483イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 12:53
星月夜の底――二人して隠れる岩壁の向こうで、なにかが動く気配がした。
蠍や山猫ではない。大きな生き物が、複数連れ立って忍び足をしている。
おでましだ。エルクはハディスと視線を重ねて頷く。
風にまぎれそうな声で、エルクは呟いた。血が騒ぐ。
「何人いるか、賭けない?」
「……十人」
短く応じるハディスは、緊張で硬い横顔を見せていた。エルクは笑って、
その背を叩いてやる。

「そんなら俺は十二人。おまえが負けたら、おまえの書いた詩集を見せろな」
相棒は、生真面目に唇を結んだまま頷きかけ――ぎょっとしたふうにこちらを
振り返った。
「待ておまえ、なんでそんなことを知ってる!?」
「え? だっておまえ、なんかこそこそ帳面に書いてるだろいつも。この前
ちらっと覗いてみたらば、あらまあ浪漫あふれる文章が、」
「わあああああ! 忘れろー!! 今すぐ忘れ――」
それまでの冷淡な表情を吹き飛ばし、全身で暴れはじめるハディスの口を
ふさいで、エルクは真面目に息をひそめた。

幸い、大岩の向こうにいる連中に、こちらに気づいた気配はない。岩壁と強い
夜風が、いい具合に声を遮ってくれた。
「落ち着けハディス。おまえが勝てば、部族のみんなには秘密にしとくから」
「…………そうやって、俺を働かせようとしてるな?」
鋭い指摘に肩をすくめ、エルクは傍らに置いていた弓を手にとる。憮然としながらも、
ハディスも曲剣を腰に佩いた。そして。
二人は、岩陰で立ち上がった。

484イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 16:37
待ち伏せしてるなら相手の人数くらい把握しておきたい。
あと、そんなに恥ずかしいならハディスは賭けなどという勝負を断るべきだ。
っつーか、がんばっても結果変わらないだろ。
ゆえに、「何人殺(と)るか」の勝負にした方が意味が通じる。ただ、主人公
にあんま血みどろキャラになって欲しくないなら、そういう勝負もできんがな。

あと、煙草を吸うなら煙より匂いの方を気にしれ。んでハディスは、渋がって
るポエットにしちゃ台詞に捻りがない。あと、エルクの詩集発言に「待て!
お前なんでーーーーまさか見たのか!?」にすると(これもまあテンプレっぽ
いが)、一応ものを考えてるように見える。

485イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 19:23
>>482
 思いっきし私感です。

 まず、冒頭からキャラの掛け合いはやめて欲しいなあ。
 よほど面白いなら別ですが、たいていの場合げんなりします。
 文章がいいだけにもったいない。

 キャラの対比のさせ方は良。陽気な主人公と冷静な相棒ね。
 ただ、男性向レーベルに送るなら、この配置は逆の方がいいかも。
 もし可能なら、ハディスからの視点で話を進めてはどうでしょう?

 個人的にはもう少し周囲の描写が欲しいとこだけど、これは好き好きかな。
 とりあえず続きを読んでみようという気にはなりましたので、冒頭としては
 及第点だと思います。
 後は、それに続くネタ次第ですね。がんばって下さい。

 以上です。

486イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:34
>>482
テンポよく話が進んでいて、続きを読みたいという気になりました。
ちょっと改行というか空行が多いような気はしますが、
書き込みだと投稿で区切れちゃうから、感覚がわからないので、保留…。
キャラ二人の会話は、ある程度はしょうがないかとは思いますが、
ちょっと説明的?かも???
会話だけでもキャラを立たせられそうですし、無理に説明を詰め込まない方が、
すんなり読めるように思います。

あと、煙草の煙って、夜でもそんなに目立つのかというのが疑問でした。
煙草に火をつける時の明かりは見えるかもしれないけど…。
街灯がある都会の夜しか知りませんが、待ち伏せしている相手が相当近くにいない限り、
見えないんじゃないかしら、と思いますがどうでしょうか?

487イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:38
これと言って違和感はないかと。
強烈にひきつけるものは無いものの、文章に安定感もあるし、始まりを予感させるには充分。
ああ、でも一つ。何で七分袖なんていう中途半端な服装なんだろう。
沙漠だから長袖、というのは当方の勝手なイメージかな。

488イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:50
感覚的なもんだけど、もうちょっと文章を簡略化したほうが
読みやすいんじゃないかと思いました。
「やめろ、ばか」
煙管をくわえた途端、エルクは相棒に頭をはたかれた。
容赦ない一撃に、思わず体が前に傾ぐ。
銀の煙管が足元に落ちて、カツン、と軽い音が静寂の岩場に響いた。

489イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 02:54
>>482
文章↓
銀の煙管にくわえた途端→銀の煙管をくわえた途端
隣に胡座をかく相棒に→隣で胡座をかく相棒に
など、おかしな部分が見受けられる。推敲しなおしたほうがいいかも。
状況↓
待ち伏せ徹夜でもう3日目〜二人いるんだから交代で睡眠とれるじゃん。
七分袖〜身軽である必要があるのかどうかはしらないが、あまりにも軽装すぎるんじゃないか?
台詞↓
おまえが勝てば、部族のみんなには〜「部族の」はいらない。
足りない部分↓
隊商をおとりにして待ち伏せているのだろうが、だったら隊商の描写が欲しい。どうも位置関係がはっきりしないので。

490イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 11:06
最近書き始めた小説の冒頭です。
よろしければ批評お願いいたします。

「もしもし、おばあちゃん?」
夜の空港は国内線ということもあり、人はまばらであった。そのターミナルの片隅で公衆電話を利用している高校生が一人。
すこしよれた制服が、あまりパッとしない顔にいかにもマッチしていた。
「そう、今から飛行機に乗るから。そっちに着くのは夜中だと思う。―うん、空港からはタクシー乗ってくから先に寝てていいよ」
その後、5分くらい話したあと紀伊国鈴太はため息をつきつつ受話器を置いた。
「ばあちゃんも心配しすぎなんだよな」
そう呟きながら鈴太は、電子音と共に吐き出されたテレホンカードを財布の中へしまうと横に置いてあったスポーツバッグを肩に背負った。
鈴太は毎年二回、夏と冬に飛行機を利用して祖母の家へ訪れるようにしていた。祖父が他界してから一人きりで暮らしている祖母にとって、年に二回の孫の来訪は何よりの楽しみらしく、鈴汰が訪れると心から嬉しそうに歓迎してくれる。そして数年前に両親を失くし、東京で一人暮らししている鈴太にとっても唯一の肉親である祖母の家へ訪れるのは一年のうちでもっとも楽しみなイベントであった。
「十九時三十五分発、北海道行きNH1717便に搭乗予定のお客様――」
不意にターミナルに鈴太が乗る飛行機の搭乗アナウンスが響き渡った。
「え?もうそんな時間!?」
あわてて腕時計を覗きこむと…針は十九時三十五分を指していた。
生まれつき絶望的なまでの寝起きの悪さと芸術的なまでの運動おんちを兼ね備えている鈴太は、身の回りにある時計の針を五分進めるようにしている。
つまり現在の時刻は十九時三十分。
「やっばい!急がないと」
鈴太は、大またに走り出した。

鈴太が座席に座ると同時に機内放送が流れ、かすかな振動と共に機体がゆっくりと動きだした。

491イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 11:06
汗を拭いながら時間を確かめる。出発は遅れたようだ。針は予定の時刻よりやや先を指している。
心なしか、周囲の視線が冷たく感じられるのは気のせいではないだろう。
鈴太は、制服の上着を脱ぎ、それをカバンへしまうと、ゆっくりとため息をついた。
「まあ、間に合ったからいいか…」
シートベルト締めると同時に機体が浮かび上がった。
離陸直後の激しいGも、飛行高度に達すれば心地良い振動へと変わる。
鈴太は、機内の暗さも相まって、いつしか深い眠りについていた。

そして、この二時間と一五分後、紀伊国鈴太は死亡した

492482:2004/09/09(木) 11:15
批評ありがとうございました!
自分じゃ気づかぬ欠落やミスに気づけて勉強になりました。
ありがとうございます。

>>484
!言われてみればその通りでした……気をつけます。
匂い、なるほどです。自分煙草吸わないので失念しておりました。
「殺るか」にしなかったのは、お察しの通り、主人公ズを冷酷っぽく
見せたくなかったが故ですが、結果的にどうにもズレた会話になって
ましたね……よかった、推敲せずに投稿せんで。

>>485
掛け合いで始めた方が、とっつきやすいかと思い込んでおりましたが、
なるほど、げんなり要素でもあったのですね。参考になりました。
蛇足ながら、本編は、二人の視点を切り替えつつ書いておりました。

>>486
説明台詞、気をつけます……! 短いパラグラフで色々伝えたくなって
しまうたちなので、つい。空行は、投稿にあたって入れました。
読みやすくしようと思ったのですが、まぎらわしくてすみません……。
煙草は、ハディスの神経質な性格を表そうかと思ってのネタでしたが、
おっしゃる通り説明不足でした。反省です。

>>487
今読むと、自分でも陳腐だと思います……ああ発想力が欲しい。
七部袖は、当方の勝手な趣味でした。現実的には長袖でマントズルズル
なのですが、軽快さを出したくてつい。夢見がちでした。

>>488
なるほど。くどさ削減に向けがんばります!

>>489
! すみません、一部コピーの途中で文章が途絶えてました……!
待ち伏せ作戦、おっしゃる通り完全に描写不足でした。
さりげなーく地の文に入れ込めばよかったですね。
交代で睡眠、そういえばその通りです……二人組してる意味ないよ自分。

493イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 12:11
>>490
まず、『テレカ!?』と思うのは俺だけじゃないと思う。もしかして苦学生な
のか? それとも携帯持たない主義? 伏線や必然性がないなら説明を入れる
か、素直に携帯にしておいた方が無難だと思う。
あと、周囲の描写ももう少しした方が、場面を滑らかに想像できると思う。例
えば空港の規模や主人公の制服。詰め襟かブレザーか、あと色ぐらいは欲しい。
これも描写に類するが、主人公の表情を描くと、もっと感情移入(感情移入す
るほどの長さはないが)がスムーズにできるハズ。楽しみにしているなら軽く
笑顔ぐらい浮かべさせたい。
他にも、『激しいG』というのはちょっと記号的な表現な気もする。というよ
り、俺が『激しいG』という表現を使うとしたら、戦闘機の離陸とかになるな。

これら以外は特に癖もなく、読みやすい文章だと思う。

494イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 19:57
>>490
凄いどうでもいい事だけどさ、肩に背負うほどの大きなスポーツバッグって
自分で持って飛行機に乗るんじゃなくて出発ロビーに入る前に預けないか?
後、空港にもよりけりだが、帰省シーズンなら19時台で人がまばらと言う事は有り得ない。
最後に「北海道行き」って。飛行機の目的地名なら「新千歳空港行き」とかじゃない?

以上、どうでもいい揚げ足どりでした。……失礼なようだけど、一人で飛行機乗ったことある?

495イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 22:46
年に二回訪問するのに「一年のうち一番楽しいイベント」なのは微妙かも。
あと、こういう雰囲気の文章なら周囲の風景とかの描写がもう少しあってもいい気がする。
「激しいG」は前の人があげてるから割愛。

496イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 23:07
>>490
うう、書いたのにIEが落ちた…。

最後の行が印象的で、おお、と思いました。
文章も全体的に読みやすく、引っかかりもなく読めました。
ただ、読みやすかったせいなのか、最後の行以外の印象があまり残っていません。
情報だけが入ってきているという感じで。
もう少し物語っぽい方がよかったかもしれません。
あと、現代物は、説明をしなくても読者がわかってくれるという利点がある反面、
嘘を書いたら一発でばれるという危険性がありますから、
もう少し調べてから書いた方がいいかもしれませんね。

497イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 03:13
>>490
運動音値とか寝起きの悪さを説明だけで済ませてしまうのはもったいない。ドタバタ感を出したり鈴太のキャラの演出に使ったほうがいいべ。
その他の描写は他の人がいってるので、それ以外に気になったこと。いや、どうでもいいことなんだけどさ。田舎に帰省するときってお土産とか買っていかねえ?

498490:2004/09/10(金) 10:19
数々の批評ありがとうございます。
>>493
この小説は「読みやすさ、読む時のテンポの良さ」を優先させるつもりで書いたんですが
簡略化しすぎたみたいですね・・・。
周囲の描写をもう少し自然な感じで織り交ぜていくよう努力します。

テレカに関しては下の「数年前に両親を失くし云々」の一節で補っているつもりだったんですが
これだけでは描写不足ですね。フォローする説明を足しておきます。
激しいGに関しても、もう少しくだけた表現に置き換えてみます。

>>494
完全に勉強不足でした・・・。特に北海道行き・・・。
国内線はまだ乗ったことないです。
実家に帰るときも飛行機どころか新幹線でもなく青春18切符・・・。

>>495
やはり周囲の描写不足が一番の問題ですね。
読み手のテンポと自然描写のバランスが難しいです。

>>496
問題点の鋭い指摘ありがとうございます。
印象に残りにくいというのは確かに自分も感じます。
あと自分自身の勉強不足も今後の大きな課題ですね・・・。(北海道行きとか北海道行きとか)

>>497
土産・・・
そこまで頭が回りませんでした。少し織り交ぜてみようと思います。

やはり全体的な描写不足が当面の問題ですね。
みなさんの意見を踏まえた上で一度書き直してみようと思います。

499494:2004/09/10(金) 13:20
>>498
>テレカに関しては下の「数年前に両親を失くし云々」の一節で補っているつもりだったんですが
両親が死亡=携帯も持てないほど生活が苦しい、とは繋がりにくいと思う。
それなら祖母の説明時に「経済的な援助」云々を付け加えた方がよかったかと。

ついでに私見なのだが、もしも主人公が一人暮らしならば、家に電話線を引くくらいなら
携帯電話を買うと思う。実際、ケータイあっても家の電話はない奴多いし。
唯一の肉親である孫と離れて暮らすならなおさら祖母は常に連絡できる手段を持っておきたいと思う。

なんか色々重箱の隅をつついているが、この冒頭は先の展開が気になるのでがんがってクレ。
あとあんまり気になるなら一度近場の空港行け(w

500イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 17:33
 ───ここか。
 男が立つその先には、重厚な作りの木造の門が立ちはだかっていた。
 門の表札には、でかでかと達筆でこうかかれてある。

 「ジェノサイド医食同源の道場!!」

  「!!」という感嘆符までびっちりとしたためられている所から
 ここの道場主の気迫が感じられる。
 閑古鳥すら寄り付かないような静寂が、門周辺を包み込んでいる。
 これもまた、道場主の威厳によるものなのかもしれない。
 ── 一体、どんな奴が師範をやっているんだ。
 そう考えただけで男は心臓を鷲づかみにされたような圧迫感と恐怖を覚えた。
 全身の鳥肌が一気に逆立ち、胃の内容物が一気に逆流しそうな勢いだ。
 大学中卒、ただ今無職。古ぼけたセーターに、整えられた七三分け、小ぶりなメガネがちょっとしたチャームポイント、
 そんな普通の男、山下 次郎は、この「ジェノサイド医食同源の道場」の前に仁王立ちをしている。
 いや、この「男」と呼ぶにはいささか語弊があるかもしれない。
 山下は今この瞬間、「男」ではなくなり「漢」としてこの場に居るのだ。
 それだけ、彼のこのハートはただならぬ決意によって煮えたぎっていたのである。
 季節は夏、本来なら暑くて、すべての物がとろけそうな季節である。
 しかし、今は朝方というのもあるのだろうか道場の周りには冷たい風が吹き荒れていて
 肌寒くさえ感じるほどだった。

501イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 17:52
とりあえず、文章についてだけ。
誤表記がひとつ。大学は中卒ではなく中退だYO!
あと、下に引用した部分が散漫になってる気がした。

>季節は夏、本来なら暑くて、すべての物がとろけそうな季節である。
>しかし、今は朝方というのもあるのだろうか道場の周りには冷たい風が吹き荒れていて
>肌寒くさえ感じるほどだった。

神視点から登場人物の視点に切り替わるポイントでもあるので、
もうちょっと漢の主観にフォーカスした方がいいかと。
それから、夏の暑さなんて誰でも知ってるのに、
”本来なら”と断って書くのも野暮ったい気がする。

こんなんどう?↓

 季節は夏。日中の猛暑は、すべての物をとろかしてしまいそうである。
 しかし、朝方とはいえ、道場の周りには冷たい風が吹き荒れている。
 肌寒くさえ感じられ、男は身震いをした。

502猫丸:2004/09/10(金) 20:15
>>500

「心臓を鷲づかみにされたような」、「胃の内容物が・・・」などの表現が
少し不自然な気がします。あと、二行目で門の前にいるのはわかるのに、あ
とで「…の前に仁王立ちしている」と書くのは重複ではないかと。でも、道場
の中身は気になる…。

 以上、久々のレスです。

503イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 00:02
>>500
普段読まない系統の文章(というか内容)なので、本当に感想になってしまいますが。
とりあえず、名前すごいですね…ジェノサイドって(笑)。
これは、内容を鑑みて、わざとの可能性もあるかなとも思うのですが、
少々文章がこってりというか、くどい感じが…。
語尾や言葉の選択が、今ひとつ内容とあっていないところがあるようにも思いますので、
そのあたりをもう少し工夫すると、解消されるかな?という気がします。

504500:2004/09/11(土) 05:34
批評ありがとうございます。やはり自分でも感じてた通り
くどいですね(笑
表現の不自然さも確かに目立ちます・・・(汗

いきなり批評をもらったついでと言ってはなんですが、
この物語の序盤の別の部分のワンシーンを貼ってみます。



 ── 山下とて、並々ならぬ決意をしてこの道場にやってきたのだ。
 医食同源のなんたるかについてはすでに熟知しているつもりだった。
 医食同源とはすなわち、「医=食事」という発想。すなわち「医学」とは「食事学」であり
 「治療」とは「食事そのもの」なのである。
 つまり、医食同源とは栄養バランスに富んだ、良い食事を毎日かかさずに行う事で、体の健康を保ち、幸せな
 人生を送ろうという中国4000年の歴史が織り成す、先人達の知恵である。
 この男、山下 一郎は今年で20歳、無職だ・・・・・
 彼は先月まで山田大学に通う一人の学生であった。


 ──先月前のある日、山下は一本のカニカマを手に取り考えていた。
 「こんな、添加物まみれのコピー食品が今、世の中に大量に出回っている。はたして
 こんな事で日本の食生活はいいのだろうか・・・」
 彼の言うとおり、日本の食生活は害悪に満ち溢れていた。
 化学調味料(例:○の素)やカニカマを筆頭としたコピー食品、
 さらには、見るからにいかがわしい色で子供達を誘惑する怪しげな駄菓子(例:ねるねるね○ね)・・・
 日本の悲しい未来を想像した山下は、手にしているカニカマを思いっきり握り締め、そしてひねり潰した。
 その顔は今にも燃え出さんとばかりに高潮し、湯気さえ立ち上っている。
 カニカマが粉砕された後も、その握り拳にはなおも力が加わり、小刻みに振動している。
 目からぽろり、ぽろりと悔しさの雫が搾り出される。
 日本の子供達の未来を想像すると、泣いても泣ききれない。怒っても怒りきれない。
 苦悩はもはや限界をブッちぎっていた。
 「こんな事では駄目だーーーーーーー!!!!」
 山下はたけ狂う猛獣のごとく目の前のちゃぶ台をひっくり返した。
 幸い、一人暮らしの為、誰も彼をとがめる者はいない。
 彼はその勢いですぐさま、退学届けをしたため、すぐさま山田大学に提出した。
 退学届けをしたためるその様は、まさに速記者のようだったと目撃者は
 語っている・・・・

505500:2004/09/11(土) 05:36
 >カニカマが粉砕された後も、その握り拳にはなおも力が加わり、小刻みに振動している。
 >目からぽろり、ぽろりと悔しさの雫が搾り出される。
 >日本の子供達の未来を想像すると、泣いても泣ききれない。怒っても怒りきれない。
 >苦悩はもはや限界をブッちぎっていた。

このあたりがくどいかなぁ・・・と自分では思ってます。
次からはその点を留意して書き直してみるつもり

506500:2004/09/11(土) 05:50
>>503
追記となりますが、先ほどの文の内容と表現はおっしゃるとおり、
わざとそうしたつもりです。
ただ、くどくて見苦しいと感じるようであれば改善すべきかなぁと思ってます。

507猫丸:2004/09/11(土) 12:59
 くどいと言うか…なんか凄い話ですね。(感嘆半分)というより、これは
どこのレーベルを狙ってるんでしょうか?でも、もうちょい自然に読ませれば
ハイテンションギャグとして面白いかも。

508イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 15:25
割り込むような形になってしまいますが批評願えるでしょうか。
現在書いているもののワンシーンです。
知りたいのは動きがすんなりと頭に入ってくるかどうか。
普段のアクションシーンから文体を変えて、スピード感を押さえ気味に説明を多めにしてみたのですが
逆にわかりづらくなったような気がしています。
どんなもんでしょうか。

――――――

 裂帛の気合が走り抜ける。
 下から上へ。剣道のセオリーを無視した斬撃は、蘭子の胴をかすめて天頂に跳ね上がった。
「ちいっ!」
 防具のむこうで斬撃を放った相手が舌打ちした。全身をバネにして一直線に伸び上げた腕をくるりと返し、そのまま前方に飛び込みながら打ち下ろす。間隙のない連打。竹刀が空気を裂き、全体重を乗せた一打が床を叩く。
 その軌道上にすでに蘭子の姿はない。脚の組位置を変えてわずかに下がったのだ。ただそれだけのことで二度の攻撃をかわし、まったく体勢も崩さなかった。傍から見ていれば蘭子は微動だにせず、相手が勝手に空振りしたかのように映ったかもしれない。
 蘭子が攻撃に転じた。床に脚が吸い付いているかのような動きで、すい――と前に踏み出し、気負いもなにもない打を一直線に振り下ろした。
 研ぎ澄ました刃のような一打だった。空間に白い残像が残る。断ち斬るための一打はしかしその半ばで竹刀に受け止められ軌道を逸らされた。
 腰が完全に落ちた無理な体勢で蘭子の打を受け止めた相手は、そのまま力負けしたかのように床に沈んだ。
 ――ちがう。受けきっても不利な体勢になると読み、そのまま転がるようにして距離をとったのだ。
 剣道の動きではない。いかなる剣術の動きでもない。ただ本能のままに身体を動かしている、それだけだ。
 長い歴史に裏打ちされ徹底して無駄を殺ぎ落とした蘭子の太刀筋に比べ、あまりにも粗野で荒削りだった。それは磨きあげた日本刀と、鋼を叩きあげたなまくら刀[#「なまくら刀」に傍点]の闘いといってもいい。蘭子は断ち斬り、相手は叩き斬る。技と力の争い。
 双方の距離は約3メートル。一足で切っ先が届く間合いであり、それゆえの緊張が狭い剣道場に満ちた。
 ささくれだつような一瞬を気合が突き破った。
 っ――――――――――――――ぁ!!
 言葉にならな気合が蘭子を叩き、それを追いかけるように相手が跳び込んでくる。
 蘭子は薙いだ。真横。相手の身体が床をこするまで沈み込み、蘭子の剣閃とクロスするように逆方向から竹刀を振った。剣道ではありえない脚部を狙った攻撃。避けることも受けることもできない、そう確信した捨て身の一撃。
 しかし蘭子はそれを避けていた。ただ片足を持ち上げ相手の剣閃をやり過ごし、そのまま上げた足で踏み込みながら体重を乗せた一撃を打ち下ろした。
 叩き伏せた――――
 すさまじい一撃を頭頂に受け、相手は床に倒れこんだ。
 勝負あり、だ。誰の目から見ても疑いようのない決着だった。
 がくりと膝をつき、平伏すような姿で身動きしない相手に、蘭子は竹刀を足元に置きながら心配そうに声をかけた。
「あ、あの、大丈夫……?」
 相手は返事をしない。
 もしかして気を失ってる――?
 ひやりと背筋に冷たいものが走り、蘭子は慌てて甲手を外し自由になった手で面を取った。湯気のように熱気が立ち上っていく。
「門真くん!? ねえってば、門真くん!!」
「……うるさい」

――――――

509イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 17:46
>>508
プロのものでもこれ以下の戦闘シーンを見かける事もあるが、悪いがプロっぽ
いという意味でもない。
全体的には上手くまとまっていると思う。が、ところどころに無理が見える。
まず、飛び込んで来た相手の剣を避けて微動だにしない(ように見える)のは
不可能。蘭子の薙いだ剣をくぐった(?)シーンの描写が分かりにくい。とい
うか、少しどういう状況か考えてしまい、俺の中で流れが止まった。
例えば、『ヘッドスライディングをするように身体を投げ出し〜〜』とかいう、
少し記号的な表現の方が、動きの多いシーンでは良いと俺は思う。
あと、相手はともかく蘭子は、打つ時に声を出した方が良い。というか、剣道
やってるならそれが当たり前。
ここからあとは俺の好みだが、武道のシーンでは『静と動』のメリハリをつけ
て欲しい。せっかく緊張感を出すのにちょうどいい場面なんだから。

510イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 17:56
六三四の剣に嵐子(らんこ)っていう少女剣士が出てくるけど、
それと思いっ切りかぶってるよ。

511イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 18:17
>>500
そういう色の作家なんだっていうことがわかっていたら、好きな人は読むと思いますし、
山下君のように(笑)突き詰めるのも手かと思います。
私はあまり手を伸ばさないかもしれませんが…。
さらに深く追求するなら、これがわざとだってわかるようにするのがいいかと。
今だと、わざとだということが伝わりにくいですから。

512イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 18:39
>>508
どっちがどの動作をしているのかがわかりづらくて、
考えながら読むことになってしまいました。
結果として、ほんらいなら流れているであろう動作がぶつ切りになってしまい、
あまり上手くない漫画家のコマ割みたいな映像が…。
シーンに似合う言葉を探して書かれたので、
どうしても語彙が少なめになってしまったのかもしれませんが、
読み手にわかりづらいのでは困りますので、もう少し詳しく書いて欲しいです。
それと、蘭子を際だたせたいのはわかるのですが、少々無理があるように思います。
実際その動きを想像して、描写と食い違いがなく、どこにも無理はないということでしたら、
描写が足りないとかで、読み手に正しい情報が伝わってないと言うことでしょうから、
文章を書くときに工夫してみてください。

513初ラブコメのプロローグ:2004/09/11(土) 19:09
タイミングを見計らってたんだが、迷ってるといつまでも貼れそうにないので、
割り込みになって申し訳ないが貼らせてもらいます。できれば長所短所を指摘
して貰えるとありがたいです。

 脇腹が痒い。
 眠い。うるさい。
 頭がイマイチ回っていない。
 最後のは少しばかりまずいので、俺はヘタり気味のクラッチを繋ぐように思考を開始した。いや、車運転した事ほとんどないけどな。
 この世には望んで手に入るものとそうでないものがあって、容姿を始め身体的な特徴は後者にカテゴライズされる。当然以前の問題として、たまにしか意識されないけどな。人はその中で妥協なり努力なりをして何者かになるんだが、欲を言えば俺はもっとマイルドな外見が欲しかった。具体的に言うなら、頭痛がしている時に通りすがりの女の子をちらっと見ても『ひっ』とか言われない程度だ。いや違う。俺は断じて睨んだりしていない。そいつの着ていたものが上から下までどピンクだったからぎょっとしただけだ。あ、えーと、例え話だったな。だからその、将来的にそう言った事がありそうかなと。
 その点、目の前にいるこの娘、逆島アヤノは、自分の容姿に対して俺と同じような諦観を抱いている。俺から言わせてもらえば贅沢な悩みで、俺自身も『贅沢な悩みだ』と言われた事があったりするが。別に俺もアヤノも自慢で言ってはいない。一九〇以上の背丈がある奴に訊いて回れば、十人目ぐらいで『別に背が高くたって良い事ない』と苦々しく言う奴が見つかるはずだ。
 っと。アヤノの事だよな。こいつはなんつーか、ガムシロップをリッター単位で使ったようなパーツを、気合いの入った表情でまとめた感じか。髪はショートだし、眉なんかデフォルトが逆ハの字だ。形自体は良いと思うんだがな。まあ、あれだ。何を隠そうこいつは現代格闘研究会なんつー部活でマネージャーやってるからな。性格も話し方も体育会系だ。身につけてるモンぐらいは周りの影響で洒落てたりするが。
 ついでだから周囲の評価も言っとくか。俺の相方で、現代格闘研究会の部員であるところの真山隆司は、『んー? ガキっぽいのでパス』と言っていた。が、この年増好きの抜かす事は無視して良い。次にウチのクラスが密かに誇る、(要するに誇ってないって事だ)《お笑い高校生ウルトラクイズ》制覇のオタク四天王は『激萌え! あれで気弱なところも見せてくれたら萌え死ぬ。一度で良いからあの眉をハの字にしてみたい!』とコメントしていた。ああ、大丈夫だ。ちゃんと殴っておいた。『モエ』と言うのが良く分からないが、クラスの女の子がネコの写真を見て『きゃーカワイイ。萌え萌え〜』と言っていたあれと同じなのだろうか? ならつまり可愛いという評価だ。他には、…………居やしねえ。
 知り合い、と言うか、暫定的中立勢力や敵は多いのだが、友人と言える奴は少ない事に気付いた。寝起きなのに鬱が入る話だ。くそ。
 あー、アレだ。俺が寝起きな理由は、ここが俺のマンションだから。現にケツの下にはベッド代わりのソファーがあるし、俺の格好はダークグレーのスウェットだ。このマンションは仕事が趣味な両親が俺に置いて行ったもので、あの二人は一度も足を踏み入れた事がない。部屋は──広い。少なくとも、高校生の一人暮らしには分不相応なほどに。
 でもって、アヤノが何故ここに居るのかに関しては、
「先輩先輩先輩ぃ〜。聞いてますか? 聞いて下さいってばぁ〜!」
 いや、普段は語尾に『ッス』一人称は『自分』、口癖は『イチイチ腕立てッス!』だからな。ああ、イチイチ腕立てってのは一分間に百回の腕立てをやる事だ。『グラウンド十周』とかと同じようなモンだな。
 俺はぼーっとした頭で、それでもやるべき事を思い出し、アヤノに返事をした。
「あー、聞いてる聞いてる。分かったから続けろ」
 返事をしたのに、アヤノの不機嫌顔は戻っていない。『あー』の時にあくびをしたのと、スウェットの裾から手を突っ込んで脇腹を掻いたのが良くなかったらしい。
「先輩最近冷たいッス……」
 ん、口調が戻ってるな。俺のリアクションが余程気に入らなかったのか。
 まあいい、それよりも、俺にだって言いたい事はある。
「たりめーだ。何が悲しくて朝っぱらから『リュージ先輩がどうした』だの『リュージ先輩がああ言った』だの聞かなきゃならんのだ。お前は俺をホモにでもする気か?」
「だって先輩以外に相談できる人居ないんスよ〜」
「作れ」
「無理ッス〜!」
「お得意の気合いだ」
「気合い入れても無理ッス! 自分の友達、みんなリュージ先輩のファンなんスから」

514初ラブコメのプロローグ後半:2004/09/11(土) 19:10
 まあ、アヤノの発言のあとに解説するまでもないと思うが、隆司はいわゆるモテ男だ。でもって、アヤノは隆司が好きだ。でもって俺は、部室でアヤノが隆司のスポーツウェアを胸に抱いているのを発見し、うわヤバっていうかナニやってんのコイツ、ストーカー? とか固まっている間に目が合い、──以来相談役となっている。
 超面倒臭え。
 視界が狭まっている。眠気はもうあまりないのだが…………ああなんだ、半眼になってるだけか。
 その翳った視界の中で、アヤノは居心地悪そうにもぞもぞとし始めた。こいつは動いてないと落ち着かない種類の人間だからな。まあ、『ちゃんと座ってる』って目的があれば、長時間座ってる事もできるみたいだが。つまりは、手持ち無沙汰なのがダメなんだろう。
 そんな事を考えていると、アヤノはおもむろに立ち上がり、勝手知ったるといった感じでキッチンに向かった。
「先輩。コーヒー飲んで良いッスか? 先輩の分も淹れるッスよ?」
 カウンター越しにアヤノの上半身が見える。あ、ここリビングなんだよ。昨日借りたゲームやってて力尽きてな。
「ブラックはダメだ」
「分かってるッスよ。これでも敏腕マネージャーッス」
「敏腕が余分」
「はいッス。む〜」
 取りあえず返事してから不機嫌な声を出すあたりが筋金入りな感じだ。
「つーかそんなん隆司にやってれよ」
「コ、コーヒー……ッスか?」
「いや、朝勝手に部屋に入ってきて、叩き起こすところから」
「勝手にって、カギに自分の指紋も入ってるじゃないッスか」
 ウチのカギは指紋照合だからな。んでいつぞや、『これってどう登録するんスか?』とか聞いてきたので教えてやったら、勝手に登録しやがった。まあこのへんは、登録抹消しない俺も俺かも知れないが。
「おめーはカギが開くならどこでも入るのか? それ以前に俺のプライバシーを考えろ。オナニーでもしてたらどうするつもりだ」
 どうやらコーヒーは本格的に淹れるらしく、アヤノはドリッパーやらろ紙やらが入っている棚を探っていたが、俺の言葉で、見えていたケツがぴたりと動きを止めた。
 そして、なにやら押さえた声で、
「先輩、それセクハラ気味ッス」
「その発言は彼氏でもない野郎の部屋に上がり込んでる時点で不許可だ」
「はいッス。…………むぅ〜」
 そりゃもちろん思うところがあるのだろう。アヤノは口を噤んだ。
 それを見て、ったく、その通りだよと、俺は自分の言葉に相槌を打った。
 本当に、何を考えているんだろうな。高校生の男が一人暮らしをしている部屋に上がり込むなど、エロ女かバカ女のやる事だ。アヤノはどちらでもないと思うのだが、と言う事は、…………俺って安全牌に見えんのか?
 いっぺん襲ってやれば認識を改めるのだろうが。
 いかん。考えるとそういう気分になってくる。ただでさえ朝だし。
 ああもうウゼえ。超面倒臭え。
 頭をバリバリと掻くと、湿った髪のまま寝てしまったため、結構パンク調な寝癖になっているのが分かる。
 コーヒー用の薬缶がコポコポと鳴るのが聞こえてきた。
 苛つく頭がコーヒーの良い香りで解され、その隙間から思考がこぼれた。
 なんで俺はこいつなんかに惚れたんだろうな。
 ──面倒臭えの嫌いなんだがな。

515イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 19:59
>>513
主人公、自転車乗ってるのかと思ったら、室内にいたのか。
>っと。アヤノの事だよな。
だれも聞いてないよ。少なくとも俺は聞いてねえ(´Д`;)
だからアヤノ云々のとこは流し読み。
で、起き抜けらしいとわかって、「なぁんだ、話なんにも始まってねえのか」
と思って読むのやめますた。

516イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 20:45
>>513
語りが変だよ。
ラブコメとして見た場合、キャラ造型や台詞まわしはなかなかいい。
ただ、構成や文章力が厳しいので読めない。もったいない。
せっかく容姿についての語りが印象的なんだから、
そのテーマを受け継いだイベントに移行すべきではないかとも思う。
例えば、容姿についての考察を冒頭において、

・容姿について。
・側にいるアヤノの外見について
 (屋内にいる時の行動を取らせておく。
  たとえば”俺”の布団を畳んでいたりして、おっと思わせる)
・時に、ここは俺の部屋 → アヤノが側にいる理由
・アヤノは隆司が好き → じゃあなんで俺の部屋にいんだよ

という流れにすれば、すんなり読者の頭にも入ってくる。

また、
>なんで俺はこいつなんかに惚れたんだろうな。
というような直接的な描写は避けて、匂わせる程度に留めといたらどうか。
一人称が多くを語りすぎてる。

関係ないけど、ヒロインについての描写を読んだとき、なぜかよしみるのイラストがぱっと頭に浮かんだ。

517516:2004/09/11(土) 20:48
しくじった。
例をあげたのは、容姿についての語りを引き継いだ例ではなくて、
単なるプロットの改訂案。そのつもりで読んでください。

518508:2004/09/11(土) 21:10
批評ありがとうございました。

>>509
>飛び込んで来た相手の剣を避けて微動だにしない(ように見える)のは不可能
ここは「蘭子スゲー」という場面なので、できればそのまま使いたかったりします。
はったりですから「基本的に無理」ということを承知の上で、以下の説明(屁理屈)を
付け加えてみようかなと考えています。

 傍から見ていれば蘭子は微動だにせず、相手が勝手に空振りしたかのように映ったかもしれない。打ち込みが終わった前と後で、間合いがほとんど変化していないためだ。踏み込みと同時に同じ距離だけ下がる――ただそれだけの、しかし事実上不可能に近い動作を蘭子は自然にこなしていた。

>蘭子の薙いだ剣をくぐった(?)シーンの描写が分かりにくい
これはもう、その通りでした。
くぐりぬけたことがはっきりとわかる描写を追加します。

>蘭子は、打つ時に声を出した方が良い。というか、剣道やってるならそれが当たり前
じつは剣道の試合じゃなかったりします(汗
正統な剣術家と、無手勝手流のケンカのような決闘のような、そんなシーンなんです。
前後をはしょってるので、わかるわけないですよね……。
一応、蘭子は剣術家で、打つための剣ではなく、斬るための剣を振るいます。
最後まで振り切っているのはそれが理由という、まあ屁理屈ですが。

>武道のシーンでは『静と動』のメリハリをつけて欲しい
うあーー、「静」が書けません。
いっつも、動動動です。
なんかもう、半ば諦めてたり。

>>510
ありがちな名前ですからねえ。
ちょっと考え直します。でもそれっぽい名前ってまた被りそうだなぁ……。

>>512
>どっちがどの動作をしているのかがわかりづらくて
やはりそうですか。
特に前半部が拙そうな気がしていたんですが、かといってあまり描写を増やしすぎても
もっさりした感じになるし。
視点があやふやなのが最大の原因かなあと感じたので、試しに蘭子視点であることをはっきり
させながら書き直してみようと思います

>蘭子を際だたせたいのはわかるのですが、少々無理があるように思います
これはもう開き直ってます(笑
はったりです。ぶっちゃけありえないです。全編通してこんな感じです。
リアルな方向で動きを作れないので、苦肉の策です。
全編をこの「微妙にファンタジー」で統一するつもりなので、なんとかなるかなぁ、と。


御意見ありがとうございました。
書き直す部分が見えてきましたので修正してみます。

519イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 22:22
>>513
ちょっぴり読みにくかったです…。
理由を考えてみたのですが、語り口調が癖があるせいでしょうかね。
何というか、自分のペースで読めない感じ…。
話が転々として、転がった先の話題にフォーカスをあわせたら、
おっと話を戻そうかってな感じに引き戻される、私はそんな具合でした。
キャラクターはすごくしっかりしてそうですね。
この娘が女っぽい一面とか見せてくれると、ふらっといきそう(笑)。
とりあえず、あとは…高校生より、大学生っぽく見えてしまっているので、
どこか高校生っぽいイメージがあるといいかも?という感じでした。

520イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 05:22
>>508
視点があやふや、ってのはもういわれてるのか。
微妙にファンタジー……んー、ほんとに微妙すぎる。
萌子を際だたせたいならもっと有りえない動きを増やした方が際だつ。
読者が頭の中でシーンを構築してみて初めて「ありえない」とわかるのでは遅すぎる。テンポよく動動動で畳み掛けろ。
記号的表現が一番やりやすいかな。「踏み込みで床板割れる」とか「竹刀だけど石灯篭を切り倒す」とか、見た瞬間にありえねー、と思わせるくらいのものを交ぜるといい感じ。
>>513
冒頭がもたついてる印象。これは説明が多すぎるんだな。一気に出さず小出しにしたほうがいいだろう。
マイルドな外見のエピソードについては、「相手がおかしな格好をしてたから」ではなく、「目つきが悪い」からのほうがすっきりする。そのほうがキャラを立てやすい。せっかくの欠点なんだし、有効に活用すべし。
ガムシロップをリッター単位で〜というのはちょっと想像できない。
デフォルトが〜基本が、でいいじゃん。表現として使うと浮いてる気がする。






アヤノのキャラにはすこし萌えた。おまえの勝ちだ  orz

521520:2004/09/12(日) 05:27
>>516
おれはなんとかホライゾンというバレーボール漫画を思い出した。長身の女子バレーボール選手。

522イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 19:24
>>513-514
戯言がギリギリの許容値で舞城の「土か煙か食い物」を2Pで放り投げた俺には読めん。スマンかった。
後上でも挙げられているが「ガムシロップをリッター単位で〜」という表現はどういう顔か全くわからない。

大量の地の文で圧倒する手法自体の良い悪いは抜きにしてもこの手の書き方の作品の中でも圧倒的に読みにくい。
文中に理由が書いてあったのに「高校生なのに分不相応な一人暮らしだな〜」と思ってしまったくらい。
うーん、具体的にどう悪いか指摘できなくて恐縮だが、主人公の語りが余りにもあっちこっちに跳びすぎてるのが一因だとは思う。
ただ、キャラクターは個性的でパワーが有りそうな感じがして面白そう。

523初ラブコメのプロローグの中身[TRACKBACK]:2004/09/12(日) 21:00
数々のアドバイス、言葉もないです。
テンポが悪い、話がふらふらと跳ぶなど、総合的に分かりにくい事が指摘され
ていて、読み返してみたらああなるほどと思えました。自分では気持ち良く書
いているので、そこまで気が回らなかったようです。やっぱり人に見てもらう
事は必要なのだと切実に感じました。
反面、キャラクターの個性に好意的な意見を頂き、こっそり狂喜乱舞していま
す。ていうか☆よしみるですか……。いや、爆乳以外は嫌いじゃないですよ?
そして、数々の指摘があった『ガムシロップ〜』ですが、アヤノのキャピキャ
ピ(死語)した外見を表現したかったのと、主人公の回りくどい思考を表現す
るために考えたもので、迷ったのですが、どうにも捨てられない表現です。

アドバイスを考慮した改良版を書いたのですが、また長々とここに張るのが気
が引けて、(マカーだからか)うpロダも使えなかったので、長期間放置されてい
るスレに張ってしまいました。
やってしまってからラ板と同じノリで張るのはまずかったのではないかと気付
き、恐縮しております。管理人様につきましては、全面的にこちらの非ですの
で、消去して下さっても一向に構いません。
場所はこちらです。
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/2689/1051805278/r114-117
厚かましい話ですが、こちらに付いても感想を頂ければと思います。

524イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 21:29
あいかわらずアヤノの顔がイメージできません。
>ガムシロップをリッター単位で使ったような、実に甘ったるいパーツ
>アイドル歌手とフランス人形を足したような外見
>童顔と言ってもクレームは出ないであろう、整った顔

最後のはまだなんとなくわかるような気もするけど、
上の二つは何をイメージすればいいのか悩む。

525イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 22:09
>>513
読みやすくなってました。でも、パワーダウンしたような気も…。
キャラクターの個性がしっかりと書かれているのは変わりはないのですが、
どうしても高校生に見えないのは私だけでしょうか。
あと、逆ハの字眉毛のフランス人形って、どんな感じなんでしょうか。
アイドルまでならわかりますけど…。
アイドルとフランス人形を足されても、全然異質なもののような気がするので、
やっぱり顔が今ひとつイメージできませんでした。
主人公の顔のイメージは、BASTARD!!のDS(髪は短い)になっちゃいました…。

526イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/13(月) 02:37
>>523
アイドル歌手とフランス人形を足すと……なんだろう、リカちゃん人形とかか?
まあなんにしても、わかりにくい。主人公の回りくどい性格を表現したいのだとはいっても、最低限読者につたわらなければ意味がないだろう。どうしてもやりたいなら表現を練り直すべき。「回りくどいけど、わかりやすい表現」という、やたら難しいことなんだけど、君が挑戦しようとしているのはそういうこと。「回りくどいし、わかりにくい表現」じゃ誰も読んでくれません。

527>>523:2004/09/13(月) 04:00
描写を欲張りすぎてるのがよくない。
ある描写のついでに別のことを描写する場合は、
よっぽど上手くやらないと二兎を追うものは一兎をも得ずの結果になる。

>知り合い、と言うか、暫定的中立勢力や敵は多いのだが、
>友人と言える奴は少ない事に気付いた。
>寝起きなのに鬱が入る話だ。くそ。
これは思いっ切り蛇足。語るべきはアヤノの外見についてなのに、
急に語り手が自分語りを始めてしまい、結果的にどちらの印象も薄くなってる。
「他には、」以降をばっさり削るか、「周囲の評価も言っとくと」を
「数少ない友人の評価も言っとくと」あたりに改変した方がいいと思う。
それ以上のことを語ろうと思っているなら欲張りすぎ。
意識を流れを描き出そうとしてるようにも見えるけど、素人にはおすすめできない。

マンションについての説明も不要。
ここが”俺”の部屋だということを読者に知らせたければ、
「汚いですねぇ。パンツくらい片づけてくださいよ」
「うるせえ。俺の部屋だ文句あるなら出てけ」
とか言わせておけばバッチリ印象づけられると思う。
それから、両親はどちらかと言えば甘やかしているのでは。
設備のいいマンション与えてるわけだし。

指紋照合のエピソードは、
アヤノへの思いを匂わせるために入れたにしても蛇足。
どうしても描きたければ、別の機会でも充分だと思う。

さんざん叩かれてる比喩については、
不器用ながらも勢いで伝わってくるので俺は否定しない。
作者が自覚できてれば、じゅうぶん持ち味にもなり得る。
だけど、改訂後もやっぱり文章がよくない。基礎力がない。
偉そうに言うけど、読み書きの経験値を溜めるなり、
好きな作家の文体を完コピするところから始めた方がよいのかも。

528イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/13(月) 15:27
ある程度ストレートが投げれないと変化球なんざ投げられるわけが無いって話だな。

ただ、ノリは個人的には好みなので是非この方向で精進して欲しい。

529イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/14(火) 03:21
 いま書いている作品の冒頭です。
 批評、よろしくお願いします。

 自然と込み上げてくる笑いを、俺は抑えられなかった。そんな場合じゃないことは、十分に承知していたが、それでも気分は高まり笑いへと変わっていく。
 目の前には鎖帷子を着込み、幅広の剣と雫型の盾を構えた四、五十の男。丸い兜からは鼻と眉間を守るためなのか、T字型に短い鉄板が伸びている。その両側にある真っ青な瞳が、俺のことを苛立たしげに睨んでいた。
 ゲーム、漫画、映画。あらゆる娯楽に出てくるまんまの騎士。違うのは、本物ということだけだ。そして向き合っているのは、剣道の防具に木の棒という装備の、一介の高校生。
 こんな馬鹿馬鹿しいシチュエーションで、笑わずにいられるものか。
 ククッと笑い声が漏れる。騎士は顔をしかめ何事か叫ぶと、剣を振り上げ襲ってきた。
 上段からの打ち込みを棒で払う。だが鈍い音がし、刃が棒に食い込んでしまった。予想以上の衝撃に痺れた両腕と、思いがけないことに一瞬、反応が遅れる。騎士の引いた剣に棒を取られそうになり、慌てて手首を返し刃をはずした。棒から削れた木片が飛ぶ。
 騎士の二撃目は大振りの横薙ぎだった。今度は余裕を持ってよけられ、隙の出来た手元を狙って打ち込む。剣は間に合わない。入った、と確信した瞬間、甲高い音が響き棒の切っ先が折れ飛んだ。盾の上から見える青い目が笑っている。
 後ろへ跳ぶ。追うように盾の陰から剣が突き出された。反射的に払おうとしたが、長さが足りず籠手をこすった。
 急いで間合いを取る。
 距離を保ちつつ、左手にチラリと目をやる。甲部分に切れ目が入り、中綿がはみ出していた。盾を持って戦うなんて、戦いにくいんじゃないかと思っていたのだが。なるほど、防御に使うだけではなかったらしい。
 短く息を吐き出し、棒を握り直した。標準的な竹刀の長さに削っていた棒は、あっという間に半分近くなった。RPGの初期装備と言えば、棍棒と相場が決まっているものだが、やっぱり現実は厳しいらしい。硬い素材を選んだつもりでも、たった一撃で役立たずだ。
 自分の思考がおかしく、またも笑いが浮かぶ。それが気に食わなかったのか、騎士の顔が大きく歪んだ。盾を構え跳びかかってくる。
 俺は騎士の左に回り込み、突きをかわした。そのまま背後に回ろうとするが、雫型の盾を横に構え進路を断たれる。とっさに短くなった棒を投げつけると、騎士は顔をかばうのに盾を持ち上げた。チャンスとばかりに無防備になった下半身目がけ、蹴りを放つ。視界を盾で塞いでいた騎士は、呆気なく地面に倒れ込んだ。
 盾を蹴り飛ばし、騎士を跨いで後ろ向きに立つ。両足を取り脇にしっかり挟み込むと、そのまま腰を下ろして胸を思い切り反らした。地面を叩くような音に首だけで振り向くと、騎士が地面を掻いていた。呻き声と、おそらくは罵声を飛ばしながら、必死に逃れようと暴れる。しかし、振るった剣には力がこもっておらず、伸ばした左腕も届かずむなしい抵抗だ。ちょっと力を込めると、剣まで放り出し喘ぐだけになった。
 師範に怒られながらも、遊んでいたかいがあったというものだ。三十秒もかかっていないだろう。騎士が息も絶え絶えに、かすれた声でなにか言うと、それが途切れないうちに周囲で歓声が上がった。ギャラリーがいたことをすっかり忘れていた俺は、驚いた弾みで思い切り騎士の足を捻ってしまった。声にならない悲鳴が上がる。
 さすがに哀れになり、自由にしてやることにした。観客の喜びようから察するに、俺の勝ちで間違いないだろう。足を放し、立ち上がりざま剣を拾い上げる。思いがけない重さに取り落とし、騎士の鎖帷子とぶつかり金属音を立てた。
 とたんにシンと静まり返る。みんな息を呑んで俺のことを見ていた。まだ俺が続けると思っているのだろうか? 今度は力を込めて剣を拾い上げ、辺りをうかがいながら騎士から離れた。するとギャラリーの九割を超える村人たちの間から、ブーイングが起こった。それに対するように、騎士に付いてきていた従者数人が村人に向かって怒鳴り始める。
 ワケが解からず唖然として見ていたら、村人の何人かが物を投げ始めた。石だったり、薪だったり、水汲みの桶にニワトリと思しきものまで。二十歳前後の男が騎士に駆け寄り、飛んできたものから守るように助け起こした。淡い金髪の、見覚えがある男だった。しかし、そんなことなど誰も気付かず争いは続く。




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