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他人が書いた小説の一部を批評するスレ
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花壇に一人残ったフブキは、ベンチにもたれて青空を見上げた。
須磨鈴蘭の顔が浮かんでくる。
チトセの前ではああ言ったものの、美少女モデルが転校してくると聞いては、
男子として冷静でいられるわけなんかない。
(二年おそく生まれてくればなあ…)
自分が中学生であることを激しく後悔していると、近づいてくる足音が聞こえ
た。もうチトセが戻ってきたのかと、あわてて空に描いた鈴蘭の顔をかき消す。
「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
チトセより幾分か大人びた少女の声。はて誰だろうとフブキが声の主を見ると、
たった今消したばかりの顔が微笑んでいた。
「校長室がどこにあるか教えていただけませんか?」
須磨鈴蘭だった。あの須磨鈴蘭がそこにいたのだ。
(そんな? ありえない!)
フブキは目をこすってみた。いくら転校してくるとはいっても、いきなり
自分の前に現れるなんて都合がよすぎると思ったのだ。
しかし、いくら目をこすっても美少女は消えてくれない。これはもう本物
と断定するしかなさそうだ。
(うわあ、やっぱりカワイイなあ…)
亜麻色の髪を背中までのばし、それを後方になでつけるようにしてヘアバ
ンドでとめている。顔の作りは日本人に近いけれど、瞳の色がブルーなあた
りはさすがクォーターだ。
初等部の女子はこの季節、ブラウスの上から襟がV字型にカットされた春
用のセーターを着るのが通例だが、鈴蘭はセーターの代わりに紺のチョッキ
を着ていた。赤いリボン・タイを結んで、赤いチェック柄のスカートをはい
ている点はチトセと同じである。
「あの…校長室がどこにあるのか教えてほしいんですけど知らないんですか?」
「ええっ?」
ボーッとして、質問に答えるのをすっかり忘れていた。
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