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エロ文投下用、思いつきネタスレ(7)
217
:
しあえが
:2024/02/04(日) 23:27:22 ID:ABAanrGo0
本当に偶然の出来事だった。
偶然、側にシンジがいることに気づかないまま、独り言で山岸マユミはシンジに対する思いを告げ、それに対し、逃げたりはぐらかしたりすることなくシンジが応えたのだ。シンジに告白させたかったから、自分たちは告白しない、なんてのは言い訳だ。
別段、だからと言ってマユミを糾弾するわけではないし、そんな権利は自分たちにはない。そろって臆病で勇気がなくて、偶然とはいえ、ただマユミがちょっとだけ勇気を出せたから、二人は付き合うようになった。自分たちはそうならなかった。それだけだ。
でも、このまま何もしないまま黙って見送る、祝福するって事もできなくて。
手遅れだってわかっていたけど、それでも『今更だけど』みんなシンジに告白して。
そして、マユミと付き合う決心をした以上、シンジがアスカ達の告白に応える筈もなくて。
「……日が沈むわ」
ボソリとレイが呟いたが、マナもアスカもその場を動かない。日が沈む寸前の、やたらと赤く、眩しい光が最後の輝きで周囲を染めている。
別にレイは急かすつもりで呟いたのではないが、ピクリと肩をすくめると唐突にアスカは顔を上げた。
押し付けられていた額と泣きはらした目が赤く染まっている。数分前に灯された電灯のLEDの刺すような白光が、アスカの厳しい表情を照らしている。
「あー、清々した」
「何が?」
「あんたには関係なーいー」
何が言いたげに顔を向けるレイに、ベーッと舌を見せるとアスカは勢いよく立ち上がった。
「じゃあ、帰りましょ」
「もう良いの?」
問いかけながら立ち上がったレイの姿が、うっすらと光るように夜の闇の中に浮き上がって見える。それでなくとも色素の薄いレイだが、今日はいつにもまして透き通っているようだ。なんかテレビの心霊特集で見た幽霊みたい、とはアスカの感想だが口にはしなかった。
「レイに心配されるようじゃ、私もまだまだって事よね」
「……別に心配なんかしてない」
「そこは嘘でも心配してたくらい言いなさいよ」
レイがアスカの言葉にキョトンとした表情をする。
こういうとき、アスカは決して心配されたり、憐れまれたりといったことを良しとするような性格ではなかったはずだ。はて、シンジに振られたのを切っ掛けに性格が変わったのだろうか。
「やっぱ良いわ。すごい、喧嘩売られそうなこと考えてる気がする」
「売ってほしいの?」
「冗談でもやめなさいよ。今の私の気分だと買っちゃいそうだから」
「……売ってあげるわ」
「をいコラ」
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